InterBEE REVIEW2011 (JP)
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でも、もっとたくさん必要だ」 結城:「例えば、米国の番組制作プロダクションは、日本と比べると放送局や配給会社とより対等な関係にいると感じる。放送番組市場についても、ネットワーク局だけでなく、シンジケーションやローカルなど複数の市場があり、チャンスは少なくない。しかし、同時に厳しさもあり、成績を出せなかったり失敗をしたりしたら、その場でクビとなる。欧米型の方が日本型スタイルよりもいいとは思わないが、放送業界では放送局と外部スタッフの間により隔たりがあり、受注側が発注側の言いなりになってしまって、 こだわりをもたないメンタリティになってしまいがちなシチュエーションにより多く出くわすような気がする。採否の判断は発注側がするにしても、現場で自分たちなりの工夫についての提案をしていかなければ、国内でも海外でもチャンスを拡げることはできない」■では、そうした海外と日本との違いを修正したり、あるいは生かすという方向性、展望のようなものはあるか。 菱川:「欧州の映像文化に対する認識は高い。監督という職業は、一般的にとても尊敬される。自分たちがもっと「すごいことをやっている」ということに、まず気づくべきだろう。日本では、社会全体が映像作品、特にエンターテインメントの映像作品を軽んじている雰囲気がある。まずは、『好きだから』ということから初めてもいいと思う。アニメと同様、それがいずれ国際的な市場でも武器になる。結果的にはグローバルに強いものが生まれる。しかし、個人での展開には限界もあり、そうした優れたクリエイターを支え、プロモーションしていくしくみが必要だ。私はまず、これから映像制作のクリエイターを目指す学生がいる教育の現場で、デザインや映像制作の現場のことを教え、また、心構えを伝えている」 加藤:「NHKでは今、多くのフリーランスのアーチストを抱え、彼らに制作する場所を提供している。もともと高い技術力を持ったNHKの映像制作技術の環境の中で、フリーランスのクリエイターが個性を発揮することで、レベルの高い映像制作につながっている。そうした活力が、次の番組企画へとどんどん生かせるのではないかと感じている」 菱川:「今、現場で活躍している30-50 代の層が鍵になると思う。映像作品を文化として位置づけて後世に伝え、発展させていけるかどうかは、この世代が次の世代に交代したときに試される。今の「請け仕事慣れ」している若者たちに警鐘を鳴らさなければならない。自分の頭でコンテンツ制作の文化的価値と環境作り加藤拓氏結城崇史氏21

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