InterBEE REVIEW2011 (JP)
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34■国際的なレギュレーションの告知をInter BEEで行うことになった経緯について 「映像コンテンツは、一般的に音量が大きい方が目だつ。1998年ころからTV番組でのコマーシャルと番組での音の大きさのばらつきがいろいろな国でも問題になってきた。それでもアナログ放送の場合は信号規格上、音信号のマージンが少なかったため音量をあげるのにも限界があった。しかしデジタル放送になってこのマージンが10dbくらい拡大され、TV放送での音量のアンバランスがクローズアップされるようになった」 「日本、欧米を含む各国で技術的な裏づけを取った上で、音量のアンバランスを制限するルールを作る動きとなった。最終的に音声、サウンドの音量をラウドネスという単位で表記する規則とその制限ターゲットラウドネス値 -24LKFS/(Loudness Unit Full-Scale)が決められ、ラウドネス運用規定を盛り込んだARIB TR-B32が2011年春に制定された。コンテンツの音量を制限するルールだ。この規定を守られないとペナルティがあるかも知れないとの話が流れたため、放送、映像業界では高い関心が寄せられるようになった」 「2011年の春に大阪で行った勉強会では予想を上回る250人もの参加者が集まり、7月の福岡での勉強会でも200人もの関係者が参加され、レギュレーションに対する関心の高さがうかがわれた」世界中で問題視されていた音のばらつき視聴者にやさしいテレビ視聴の促進へ 「民放連でのラウドネス規則運用の決定が今年の秋ころと予想されていたため、Inter BEEでのパブリシティは絶好のタイミングであった。このため、ラウドネスサミット東京を準備してInter BEEに臨んだ。Inter BEE開催の直前、民放連は「2012年10月1日よりラウドネス運用規定に基づいた実運用を開始する」ことを決定した。つまり来年の10月1日以降、ラウドネス基準を満たさないコンテンツは局への納品が不能になる。このラウドネス基準を測定するラウドネスメータも各社から発売されるようになった。このルールを守ることで、視聴者にやさしいテレビ視聴が促進される」 「今後はこのルールが欧米での取り組みのように、テレビ放送以外のネット経由での配信やその他のコンテンツに適用されることを望んでいる」
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