InterBEE REVIEW2011 (JP)
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64上し、さらにAV機器、ゲーム機などのデジタル家電のワイヤレスネットワーク接続が増加している。また、携帯電話の普及により、誰でも簡単にネットワークにつながる時代が本格的にやってきた」「今後、ますます携帯電話や無線を利用したリッチコンテンツの流通や利用が増大する中で、2020年までに電波利用の質・量が爆発的に拡大し、トラヒックは200倍以上になるという予測もある。V-High帯およびV-Low帯の活用は、アナログ放送停波による空いた周波数帯をその電波利用の拡大に活用しようとする試みだ。V-Low帯は、コミュニティ放送も行われることになっており、これによってこれまで考えられなかった新しいラジオの使い方が生まれるだろう」 ■東日本大震災での教訓が新しいコミュニティ放送の形づくりに生かされると期待していいのか。 「まさにそうだ。震災時に用いられた防災行政無線による緊急避難の放送は、多くの人に避難を促し、命を救うことになったが、その放送の拠点までもが被災し、南三陸町の遠藤未希さんのように犠牲になられたかたもいらっしゃる。その勇気には全国から賞賛の声がよせられたが、新婚早々の若妻が犠牲にならなければならなかったことはあまりにも悲しいことだ」 「また、スピーカーで緊急の情報を伝える防災行政無線は、建物や山などに反響することで声が聞き取りにくい。総務省は、今回の大災害を機に、防災行政無線を補完する機能を備えた「安心・安全のためのラジオ」という方向性を打ち出している。コミュニティ・サイマルラジオ・アライアンス(CSRA)は、この方向性に沿う形で、相模湾をモデルにデジタル・コミュニティ放送の可能性を探るため実証実験を行う。有事の際に自動的にスイッチが起動し、情報を伝えるプッシュ型の受信端末を用いて、緊急放送の内容を受信機のパネルに文字で表示することで、耳の不自由な人や、内容を聞き逃した人が情報を確認できるようにする」デジタル・コミュニティ放送の実証実験を実施

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