InterBEE REVIEW2012 (JP)
23/48

27 冒頭、InterBEE 2012 国際放送機器展実行委員会、座間隆司委員長から挨拶があった。 「今回は、過去最多の871社が出展し、海外からも過去最大の35の国・地域から491社の出展があり、本展示会への国内外からの関心の高さがうかがえる。展示会場には、4K、8Kなどの超高精細映像技術や、セカンドスクリーン、スマートテレビなどの新しいメディアの可能性に加え、VLowなどの電波の有効活用、デジタルサイネージやプロジェクションマッピングという新たなビジネスモデルなど、国内外のさまざまな企業・団体がメディア産業の今とこれからを指し示す注目の提案を披露している。昨年新設したクロスメディア部門には、新たにクロスメディアシアターを設置し、トップクリエイターや第一線で活躍するプロフェッショナルの方々、メディアとコンテンツの多様性と可能性を訴求する各種プレゼンテーションのセッションを開催する。さらには、毎回注目を集める、InterBEE コンテントフォーラムでは、次世代のコンテンツ、信頼と創造をテーマに掲げ、国内外から、映像・音響各分野の第一人者をプレゼンターに迎え、コンテンツビジネスの最新動向が議論される」  続いて、後援団体である、日本放送協会 理事・技師長の久保田啓一氏から挨拶があった。 久保田氏はまず、昨年の東日本大震災により、延期されていた東北3県の地上デジタル放送への移行が、今年3月に実施されたことを紹介し「2012年は、我が国の地上波テレビジョン放送が完全にデジタル放送に移行する節目の年となった」と述べた。 久保田氏はまた、このデジタル放送への完全移行を「新しい時代の扉を開いた」とし、「これまで、実現が難しかったサービスが急速に広がっていくと感じている」と述べ、デジタル放送の完全移行が新たな放送サービスの開発・普及の時代の幕開けとなると指摘した。 放送のデジタル化についての「放送局のサイド」からの変化として、「新しい番組制作のスタイルや、取材体制など、放送内のワークフローを変える」と述べ、「InterBEEでも4K、8Kといったハイビジョンをはるかに超える高品質のテレビ、コンテンツ制作機器が見られる。次世代の放送システムの実現へ向け、メーカもいよいよ力を入れ始めたと思っている」と期待感をにじませた。 久保田氏は、テレビの技術開発における「高品質化・高画質化」の動きについて、「テレビの王道を再び歩み始めたという感を強くしている」とし、ロンドン・オリンピックでスーパーハイビジョンによるパブリックビューイングで、高い評価を得たことを紹介し、「早くこのテレビが欲しいという要望をいただいた。この要望にお応えするためにも、開発を急いでいる」と述べた。また、スーパーハイビジョンが、デジタルサイネージ、デジタルシネマ、医療、博物館、美術館など、放送以外の領域でも活用されている例を挙げ、「多くの方と力をあわせて進めていきたい。超高画質超高精細映像は日本のお家芸だと思っており、ぜひ広く進めることで、放送文化を豊かにするとともに、我が国の国際競争力の強化につながると見ている」と締めくくった。 レセプション・オープニングの最後に、後援団体の一般社団法人 日本民間放送連盟 専務理事 木村信哉氏が登壇した。木村氏は、久保田氏と同様、地上デジタル放送への完全移行を話題に挙げ、「民放でも、昨年の震災報道を経て、改めて放送の持つ社会的な使命を強く意識することになった。同時に、放送の新しい形をデジタルにふさわしいコンテンツのあり方をメーカの皆さんといっしょに考えていきたい。放送の高度化・多様化も、言われて久しいがビジネスモデルとともに、民間ならではの視点で、Inter BEEから放送の将来につながる新しいヒントを見つけたい」と挨拶し、木村氏の合図で来場者全員が乾杯を唱和した。「アジア最大級の放送機器展 Inter BEE過去最多の出展者数」「デジタル放送完全移行で新たな時代の扉が開く」「ビジネスモデルを含め、民放ならではの新たな放送を」一般社団法人 日本民間放送連盟 専務理事木村 信哉 氏日本放送協会 理事・技師長久保田 啓一 氏Inter BEE 2012 国際放送機器展実行委員会委員長 座間 隆司 氏

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です