InterBEE REVIEW2016
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現在メディア業界が抱える問題のひとつは、4KやHDRなどコンテンツの高品質化が莫大なデータ量を必要とし、柔軟に拡大し得るストレージが要求されること。またワークロードが常に一定ではなくピーク時に突出する傾向がある。 これらの問題の有力な解決策がクラウドであり、アマゾンウェブサービスは放送業界における8つのメディアワークロードを定義し、各領域での日本における利用実績もここ3年で劇的に増加してきていることを紹介した。NHK Worldでは、オンエアー直後に、ビデオ・オン・デマンド配信用映像の切り出しをAWSで実現しワークフローを大幅に効率化することができた。またCGプロダクションのポリゴン・ピクチュアズでは、AWSのGPU仮想サーバを活用して高速なレンダリングを行い、時間課金で利用できる高速レンダーファームをクラウドで実現した。また楽曲提供会社のAWAではAWSのグローバルプラットフォームを活用して全世界から3,000万もの楽曲データを取得したり、NTT東日本はAWSとフレッツ網を利用して土浦全国花火競技大会の4Kライブ中継を行った。 クラウドのメディア業界での活用は今後一層強まると予想される。ここまで来た!メディア業界におけるクラウドの最前線11月17日(木)12:00-12:40 招待講演3 メディア企業が自社コンテンツを管理運用する際、システムをオンプレミスに構築するか、クラウドを活用するかは悩みのタネだろう。オラクルコーポレーションからはオンプレミスとクラウドをシームレスに統合管理するソリューションを提供可能だ。運用開始後でもオンプレミスとクラウドの使用バランスに変更を加えることができる柔軟性も特徴のひとつである。 コンテンツの管理は膨大なファイルを、頻繁に取出す必要があるもの、ほとんど出番がないもの、それらの中間に位置づけられるものと分類し、階層状になった格納庫に収納することがトータル運用コストの軽減に役立つことは明らか。そこにクラウドが、さらに手に入れやすいレイヤーとして加わる。コンテンツ・ストレージ・マネージメント(CSM)と呼ばれるオラクル管理アプリケーションが、このクラウド階層も含めたオブジェクトライフサイクルポリシー管理を実行し、オブジェクト管理のカプセル化、必要部分だけ切りだすパーシャルリストア、処理過程のログ保管、運用状況分析など、さまざまな恩恵をユーザにもたらすことができるのだ。今やここまできたのか?デジタル・メディア・マネージメントを変えつつあるクラウド11月18日(金)12:00-12:40 招待講演5アマゾンウェブサービスグローバルビジネスデベロプメント メディアエンターテインメント担当ベン・マセック 氏アマゾンウェブサービスジャパン株式会社 技術本部 メディアエンターテインメント部 部長/ソリューションアーキテクト北迫 清訓 氏オラクルコーポレーション デジタルメディアソリューションズ セールスディレクターポール・ジョーンズ 氏85
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