InterBEE REVIEW2016
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Forum & Event ReportNews Center Pick up 795 ロボットとIMAGICAが共同制作した8K/HDRでの映像コンテンツ『LUNA』。4K/HDRでも手探りに近い現状の中、はるか先を視野に入れたアプローチだ。これを製作するにあたってどのようなチャレンジと、課題があったのか。監督と製作スタッフに、コマーシャル・フォトの川本総括編集長が聞いた。今までなかった表現に挑戦 『LUNA』は、8K/HDRでの実写撮影とCGを組み合わせた作品で、みずみずしい臨場感が伝わってくる映像となっている。本作を作るにあたりプロデューサーの諸石 治之氏は3つのミッションを設定したという。「映像美と物語の融合。主語は物語」「HDRによる光の映像表現を物語に生かす」「実写とCGの合成への挑戦」だ。そのうえで、HDRを活かす月、星、8Kの高精細を活かす夜景、というところから、現代版のかぐや姫を構想したという。 監督の池田 一真氏は、8K/HDRらしさをどう魅力的に見せるかを考えた。従来のSDRや2K/4Kと違い、見えすぎる部分をどうするか。結果、「人物の存在感、雰囲気、空気、を映像を通して表現するのが大事」だと捉えた。そのため、一般的に行われるような肌修正などはほぼせず、リアルに残すところは徹底的に残している。「現場で見えているものがそのまま全部映っている。だから撮影現場で肉眼で見た時点で感動できるようなクオリティを求めて、徹底した現場作りを行った」という。 ドラマ自体は17分間だが、撮影は3日間。しかも1日22時間撮影し、残りの2時間はデータのバックアップ、というような状況だったとか。さらにポスプロの作業としても、かなり力技だったという。夜景のシーンでは感度の問題から、かなりノイズが乗っていたが時間をかけて除去。また膨大な撮影データも、シルバースタックを使用してメインとバックアップの2台同時コピーを行った、と殿塚 功一氏は苦労を語る。 実写とCGの合成も手探りだった。例えば月の合成では「見えすぎる印象が強かった」と北山 夢人氏は8Kならではの部分を挙げる。実際には、細かいディテールまでは見えないはずのものなので、どの程度見せないようにするかという問題もあり、Rioで合成する段階でグレーディングできる部分はメリットだったという。 技術以外の大きな違いもあった。「例えば、匂いとか、冷たいとか、感情の部分だったりを、映像だけで感じられる。そうなると、説明的なカットを省いて構成できる」と池田氏。そのためカット割りも、従来の映像とは異なった割り方になっているという。 こうして作られた17分の映像。会場では4K/SDRでの上映となったが、それでも作品世界の中の人物たちの息遣いが感じられる映像となっていた。8K/HDRで気軽に見られる環境の整備が望まれる。8K/HDRエンタテインメントコンテンツ『LUNA』~クリエイティブの新たな領域へ~11月18日(金) 14:00-14:45

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