Inter BEE 2019

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Special 2019.11.12 UP

【INTER BEE CONNECTED2019】企画セッション「消費行動の変化に広告主はどう対応し、テレビ業界は何をすべきか?」事前レポート

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左から、安藤氏、盧氏、生井氏、下川氏

今年のINTER BEE CONNECTEDの数あるセッションの中でも異彩を放つのがこの企画「消費行動の変化に広告主はどう対応し、テレビ業界は何をすべきか?」だ。「消費行動の変化」とは何を示すのかも興味深いが、「広告主の対応」というのも放送業界にとっては注目しないわけにはいかない言葉だろう。
LiveParkの安藤聖泰氏がコーディネートしたのは、楽天の盧誠錫氏、花王の生井秀一氏。日本のECのトップを走る楽天と、最大の広告主・花王からパネリストとして登壇いただく。お二人に放送業界として対処するのはフジテレビの下川猛氏。この異色の面々でいったいどんな議論が展開されるのか、打合せから見えてきたことを記事にしたい。
(コピーライター/メディアコンサルタント 境治)

メディア接触が変わり、モノの買い方も大きく変化している

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盧氏は、楽天本体のグローバルアドディビジョン・市場ソリューション推進部のゼネラルマネージャーの肩書を持つ一方で、楽天データマーケティングの執行役員でもある。その盧氏が語ってくれたのは、消費者のEC起点のメディア行動が高まっていることだ。一昔前までは、とりあえずテレビCMを打って店頭に商品を置けばモノが売れていた。だが例えば中国ではテレビが日本のように強くならなかった。そのため流通の中でECが占める割合は20%にまでなっているという。日本はまだ6%だが、中国に近づくことは容易に予測できるだろう。
盧氏の話から我々は、日本のメディア行動の変化の現状を知り、近い将来の姿をイメージする必要がある。日本人の消費は長らくテレビが起点となっていた。だがその占める割合は今はっきり減りつつあることをまず認識すべきだろう。

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そんなメディア行動・消費行動の変化に対し、広告主も対応を迫られている。花王の生井氏は、先端技術戦略室マネージャーの立場から考えを述べる。「スマホで変わったのは、消費者が購入前に”比較検討”するようになったこと」とだと言う。花王はマスマーケティングに重きを置いてきた最たるメーカーだ。だが今は、既存の流通・EC・ダイレクトという三つの販売チャネルを重視しているという。テレビCMは今も既存の流通に効力を発揮するのは間違いないが、ECとSNSもコミュニケーションとして存在感を高めている。生井氏はそれぞれのコミュニケーションの「共創」が大事になると考えているそうだ。「それぞれが組むことでイノベーションにつながる」のではないかと言う。

変化に対し放送業界のすべきことは?TVerは答えになるか?

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盧氏と生井氏が示すメディア行動と消費の変化に、テレビ業界から”応じる”立場に回るのが、フジテレビの下川氏だ。広告代理店からテレビ局に転身した下川氏は、これまでフジテレビの新しい道筋を切り開いてきた開拓者だ。例えばTVerの誕生にはフジテレビの担当者としてひと役かっている。お二人の話に対し、下川氏は「TVerが放送ではできなかった”その先の”リーチを獲得することで、ソリューションのひとつになるのでは」と応じる。
果たしてTVerはメディア行動の変化の解決になるのか。生井氏の反応は大変示唆に富むものだったがそれは当日のセッションでぜひじっくり聞いていただきたい。
ただとにかく、打合せからよくわかったのは、今いかに消費者が大きく変化しているかだ。そして広告主側もその変化にどう対処するか苦慮している。放送業界がこれまで通りのやり方をただ提供するだけでは追いつけない。本気で変わらなければ取り残されかねない、そんな状況が今起こっていることが、このセッションを通じて認識できるだろう。
下記関連リンクからいますぐ聴講予約してもらうといいと思う。またこの日のセッションは相互に関連性も高いので、放送ビジネスに関心の高い方にはまとめての聴講をお勧めしたい。学びの多い1日になること、間違いなしだ。

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