11月18日~2021年2月26日

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ICT/クロスメディア 2019.06.14 UP

【After NAB Show 2019】日本IBM クラウドベースの転送自動化やライブ配信の適用状況などIBM Asperaの最新情報紹介 クラウドによるファイル転送で4-5倍の速度を実現

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日本IBMのセッションでは高速データファイル転送ソリューションのIBM Asperaの最新情報を紹介

 After NAB Showの日本IBMのセッションでは、高速データファイル転送ソリューションのIBM Asperaの最新情報を紹介した。登壇した同社の鈴木智也氏はまずNABへの出展状況として、「例年はAsperaが単独でブースを出しているが、今年はオールIBMのブースの中でAsperaを出展した。約150社の来場者があり、SaaSのAspera on Cloudやライブ配信に対応したAspera Streaming for Videoには高い関心を持ってもらっている」と説明した。

日本(東京)米国間のアップロードで315Mbpsのスループットを実現

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NABにおけるAspera関連の発表のまとめ

 Aspera導入の理由として、鈴木氏は大きく3つのポイントを紹介した。1つは、スピード。直感的なユーザーインタフェースを使いながら、時間や場所に関わりなく圧倒的なスピードでデータ転送ができるという。「実際の例として、東京から米国に10GBのファイルアップロードを行った場合、他社のSaaSでは約72Mbpsのスループットだったところ、AsperaのSaaSであるAspera on Cloudでは315Mbpsのスループットが得られた。圧縮ファイルや大きなファイルは通常のファイル転送サービスだとスピードが出にくいが、Asperaでは4~5倍の速度が出せる」(鈴木氏)。

ブロックチェーンソリューション「IBM Hyperledger」との連携でさらなる信頼性強化へ

 2つ目は、SaaSによるサービスの提供。構築、運用が不要で、マルチクラウドやハイブリッド構成も採れることが評価されているという。3つ目は信頼性。パブリッククラウドサービスでは安全性に問題がある場合もあると指摘し、「Asperaでは認証タイプを複数選択できるほか、暗号化標準のAES方式による通信の暗号化、オプションのコンテンツの暗号化、トークン認証など外部認証の導入によって、高い信頼性を提供する。今後はIBMのブロックチェーンソリューションであるIBM Hyperledgerとの連携も進める」(鈴木氏)と解説した。

Aspera on Cloudに転送を自動化するAutomation機能を搭載

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Aspera on Cloudの新機能「Automation」

 Aspera on Cloudの新機能として、NABで発表された転送の自動化機能「Automation機能」の紹介があった。「Automation機能を使うことによって、イベントベースのワークフローを簡単に自動化できる。例として、「プレスリリース」フォルダーにあった動画コンテンツを、「リリース」フォルダーに23:59に移して、発表時点でコンテンツを公開できるようにするといったワークフローが簡単に作れる」(鈴木氏)ことを示した。機能を記述したボックスをつないでいくだけでワークフローが完成するという直感的な操作が可能だという。

 また、マルチセッションによる転送への対応も紹介した。複数のセッションを同時に利用することで、映像だけでなくライフサイエンスやゲノムなどデータ量が膨大になるファイルの転送のパフォーマンスを高めることもできるという。

ヒューマックスシネマ 配信事業者への映像コンテンツファイルのデリバリーにAspera on Cloudを利用

 Aspera on Cloudの国内第一号事例として、鈴木氏はヒューマックスシネマの例を紹介した。ヒューマックスシネマは映画興行やポストプロダクションを手がける企業で、国内外の20カ所を超える配信事業者への映像コンテンツファイルのデリバリーにAspera on Cloudを利用する。「タイトな納期のビジネスに対して、Aspera on Cloudを利用して約1週間で環境を整備し、コンテンツのデリバリーを納期通りに完了できた」(鈴木氏)。

Aspera Streaming for Video はFIFAワールドカップでも効果

 ライブ配信ソリューションのAspera Streaming for Videoについては、軽量ストリーミングの新テクノロジーであるFASP4.0の採用による機能強化を紹介。フル双方向のコミュニケーションを実現するほか、クライアント/サーバーアーキテクチャやマルチセッションへの対応を挙げた。また、Fox Sports社によって「2018 FIFA ワールドカップ」の配信にAspera Streaming for Videoが利用されたことも紹介した。大会が開催されたロシアとロサンゼルスの編集局を公衆回線で結び、ハーフタイムにサマリータイムの編集を行った。「10秒以内に編集開始でき、ロサンゼルスからロシアに出張せずに編集作業が行えた」(鈴木氏)という。

サンパウロと東京間で4Kカメラ映像を約2秒の遅延で配信

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Aspera Streaming for Videoのデモ。東京とサンパウロを往復した4Kストリーミングで遅延が2秒ほどに抑えられている

 会場のデモでは、サンパウロのAsperaサーバーと東京を結び、4Kカメラ映像が約2秒の遅延で配信できることを示した。「実施には東京とサンパウロの往復遅延時間であるRTTが約300ミリ秒あることを考えると、片道で1秒の遅延は非常に短い」(鈴木氏)。

 最後にAspera Streaming for Videoの新機能として、管理アプリの「Connection Manager」を紹介。シンプルなストリーミング管理を実現できるだけでなく、デバイスの自動検出や転送状態の視覚化など、ストリーミングを安全に実現する際の助けになる機能を提供するとした。

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Aspera Streaming for Videoの管理アプリ「Connection Manager」で、ストリーミング状況を可視化
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