Inter BEE 2021

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Special 2024.04.15 UP

【出展者インタビュー】動画制作最大手・サムシングファンが求める、様々な制作会社との横のつながり

境 治 Inter BEE 編集部

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WEB動画制作業界で最大手として知られる株式会社サムシングファンは、大阪で起業して東京にも進出。名古屋にも拠点を広げて活躍している。Inter BEEには昨年、動画マーケティングラウンジに出展していたが、実はその前にも何度か出展してきた。代表取締役の薮本直樹氏にあらためて会社の概要をお聞きし、Inter BEEに出展する意義についても語ってもらった。そこから見えたのは、テレビとネットの世界の交錯が始まっていることだった。
(コピーライター/メディアコンサルタント 境 治)

2003年に起業、「セールスディレクター」の考え方で企業から直接受注

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薮本氏は大学を卒業したあと、大阪で声優事務所に所属しMCなどの仕事をしていた。ある日、友人のテレビ局ADがPCで映像編集していてAdobe Premiereを知った。そこに未来を感じて2003年にサムシングファンを設立したという。企業の営業マンがPC上で映像でプレゼンすることを提案し、その映像制作を受注した。2008年にiPhoneが登場すると、PCの代わりにスマートフォン上で見せる映像のオーダーが伸びていく。2010年代になるとWEB動画の制作業務がどんどん増えて急成長していった。いまでは東京にもオフィスを構え、名古屋にも拠点を持って活動領域を広げている。強みは、セールスディレクター。作り手が直接企業と話して映像を完成させるやり方だ。「起業した時から、自分で営業して自分で企画を書いて演出し、編集も社内でやる一気通貫モデル。お客さんに対して営業した瞬間から自分ができることをすぐに提案できるので話が早いですね。」ただ、社員の中には演出に集中したい、営業は苦手だという人もいる。昨年から営業と企画に特化したチームを作り、制作は社内のディレクターに繋いでいくやり方も始めたそうだ。またクリエイターエージェンシー部署も作り、業務契約を結んだ外部のスタッフとの連携も進めているという。薮本氏には、時代の先を読んだり、課題を解決する新しい仕組みを作る柔軟さがあり、話を聞くのも面白い。

動画マーケティングツールは制作会社の武器にもなる

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「価値を移す仕事」のスローガンに制作会社を超える意志が感じられる

いま力を入れているのは「DOOONUT(ドーナツ)」というツール。動画マーケティング戦略の支援ツールだ。これも薮本氏の課題解決意識から生まれた。できることは2つあり、1つは動画の配信における分析。「動画の中身を分析すれば、こう見られているので、無駄なところをカットしてできるだけ再生率を上げてエンゲージメントを高めましょうという提案ができます。」もう1つは、動画配信にインタラクティブ機能を持たせることで、動画プレーヤー内で別の画像を表示させたり、ユーザーの選択に応じて別の動画へシナリオ分岐させることができる。動画からサイトや購入ボタンへの誘導も可能だ。「ゆくゆくはAIが分析してくれて自動的にカットして、人間は目視でチェックすれば済むなど、近々もっと進化させられると考えています。」他の制作会社にも使ってくれるところが出てきたという。制作後のことを薮本氏は「動画活用のラストワンマイル」と呼ぶ。「動画コンテンツを納品した後、実際どうなっているのかがよくわかりませんでした。そこが欲しいと考えたのです。今までお客さんに電話で聞いたりしていたことが、リアルに数値として取れるようになったのは非常に大きいと思っています。適切なコンテンツになってるのか確認し、改善もコンサルティングできます。」動画制作会社がこのツールを武器に、顧客企業への提案力をさらに広げることができるのだ。

制作会社同士のつながりができる場としてもInter BEEに期待

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薮本氏に、Inter BEE出展の意義についても聞いてみた。「業界で一番大きな展示会ですから、起業してから定期的に訪問させていただいてました。車一台にみんなで乗って大阪から幕張まで夜通し運転して来たこともあります。憧れの場所ですから。」当初は、プロの放送業界の機材中心でなかなかすぐに活用するのは難しかった。それが徐々に、変化を感じるようになったという。「機材も汎用的なものが出て来たり、配信の仕組みなど多様なサービスも出てきて、僕らの動画の市場と、巨大市場であるプロ放送業界とが、どう混ざっていくのかウォッチする場所になっていましたね。」さらに最近は、変化が次のステップに入ったことを感じるという。「一般企業との出会いより、むしろ企業向けの映像を作っていたり、地方でテレビシリーズを作っている制作会社さんと出会いたい。Inter BEEにはそういった方たちも集まるようになって来ました。昨年は動画マーケティングラウンジに出展し、同業他社さんとの出会いが増えましたね。」仕事を売り込む相手よりも、同業者とのコミュニティづくりの場として、Inter BEEに期待してくれているそうだ。「地方の映像制作会社さんがネットワーキングできる機会があるとすごく嬉しい。」という薮本氏。今年は動画マーケティングラウンジが、互いにつながる場としても機能するかもしれない。
薮本氏の話からあらためて、WEBをはじめとする映像制作が市場として今後さらに成長することを感じた。Inter BEEがそれを後押しする場となるよう、みなさんも期待してもらえればと思う。

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