Inter BEE 2021

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Special 2021.05.31 UP

【Inter BEE CURATION】フードデリバリーサービスの拡大について、全国テレビCMデータから読み解く

中山 歩実 / VRダイジェスト+

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※INTER BEE CURATIONは様々なメディアとの提携により、Inter BEEボードメンバーが注目すべき記事をセレクトして転載するものです。本記事は、ビデオリサーチ社の協力によりデータ分析から得られた知見を発信する「VRダイジェストプラス」から転載しています。コロナ禍で活性化したフードデリバリー市場の様相を、各社のテレビCM出稿から読み取く内容。出稿量が増えただけでなく、エリアも急速拡大したことがよくわかります。

当社の「全国テレビCMデータ」は現在、関東・関西・名古屋・BSで出稿があったテレビCMを採録対象として、テレビ地上波放送全32地区のテレビCM出稿データを確認できるサービスです。
今年4月より、全地区統一してオンエア翌営業日にデータを確認できるようになりました。当サービスは、自社あるいは競合社のテレビCMの出稿状況はもちろん、キャンペーン効果の把握にもご利用いただいております。

 今回は「全国テレビCMデータ」より、昨今サービス拡大が進む「フードデリバリーサービス」について考察していきます。昨年からの新型コロナウィルス感染拡大によってテレビCM市場の出稿動向にも変化があり、新たにテレビCM出稿を開始する広告主の登場や、出稿量が増加した業種があります。今回のテーマである「フードデリバリーサービス」は、コロナ禍で在宅時間が増える中、街中でよく見かけるようになりましたし、皆さんの中にも利用した方が多いのではないでしょうか。コロナ禍が続いている昨今、テレビCM出稿がどれくらい増えているのか、全国でどれくらい拡大しているのかについて確認しました。

 今回はフードデリバリーサービス4社(※)のGW期間におけるテレビCM出稿について、今年と昨年のデータを比較しながら考察します。

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 図表1を見ると、昨年と比較して今年の出稿秒数が増加している地区が、関西をはじめとして増えていることがわかります。関西の他にも、名古屋・北部九州・札幌・仙台・広島で出稿秒数が大きく増加しており、昨年のGW期間よりも、サービスの浸透や利用が促進した地区の拡大がうかがわれます。

また、地区によってテレビCM出稿しているデリバリーサービスに違いが見られました。

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 昨年のGW期間に「Uber Eats」のテレビCM出稿があった地区は、関東・関西・広島の3地区、「Uber Eats」「出前館」「menu」3社すべて出稿があった地区は関東と関西の2地区のみでしたが、今年は3社すべて出稿があった地区は7地区に拡大しています(図表2)。「出前館」と「menu」は、現在47都道府県にてサービス展開しており、サービス展開地区の拡大と共にテレビCMの出稿地区も拡大していることがわかります。
 そして昨年秋にサービスを開始した「foodpanda」が、今年1月に関西と名古屋でテレビCM出稿を開始しました。図表2より、GW期間には関西と名古屋の他にも、北部九州、札幌、仙台、広島、静岡、岡山・香川、そして鹿児島でも出稿が確認されており、サービス展開地域へのテレビCM出稿の動きが見られました。

 今回は、昨年と今年のGW期間におけるフードデリバリーサービスのテレビCM出稿秒数の推移について(図表1)、そして各サービスにおけるテレビCM出稿地区の違いについて(図表2)、データを見ながら考察しました。昨年のGWでは各社のサービス展開やそれに伴うテレビCM出稿地区も一部に限られていたのが、今年のGWではともに拡大する動きが見られました。
 フードデリバリーサービスの利用が生活の一部として認識され、コロナ禍をきっかけに市場を大きく拡大していることが「全国テレビCMデータ」から読み解けました。

「全国テレビCMデータ」は、今年から速報性を強化して、よりスピーディーにデータ確認いただけるサービスへとパワーアップしております。
 様々なシーン・ニーズに応じて是非ご活用ください。

※「VRダイジェストプラス」での本記事は下の「関連URL」からお読みいただけます。トップページからはデータを活用して現在を斬る様々な記事が読めます。ぜひのぞいてみてください

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