Inter BEE 2021

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Special 2024.10.01 UP

【Inter BEE CURATION】データサイエンス×コンサルで最適なKPIから広告効果の最大化をサポート「KPI探索ラボ」

VR Digest編集部 VRダイジェスト+

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※INTER BEE CURATIONは様々なメディアとの提携により、Inter BEEボードメンバーが注目すべき記事をセレクトして転載するものです。本記事は、ビデオリサーチ社の協力により「VRダイジェストプラス」から転載しています。

株式会社ビデオリサーチ

小泉 健二
統括・ソリューションユニット ビジネスソリューショングループ​ シニアプロフェッショナル
2006年ビデオリサーチ入社。アドホック調査部門にて、定性・定量リサーチを活用した広告主や放送局等の​課題解決業務に従事。2015年より、広告会社のマーケティング部門に出向し、消費財メーカーのコミュニケーション戦略立案​に携わる。帰任後は、ソリューション企画業務やマーケティング支援業務に従事。​

山本 勇気
統括・ソリューションユニット ビジネスソリューショングループ データサイエンティスト/ひと研究所研究員
2020年ビデオリサーチ入社。調査部門にて広告効果測定や広告コミュニケーション上の課題解決に従事後、現部門ではデータサイエンティストとして、調査データのモデリングやCMクリエイティブ分析などを担当。

KPIの最適解を導き出す「KPI探索ラボ」

ビジネスにおける定量的な指標として設定されるKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)。これは、企業やブランドが最終目標とする売上や利益率=KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)を目指すための、いわば中間目標となるものです。適切なKPIを設定することは、広告効果の最大化につながります。

ビデオリサーチは、2024年4月に「KPI探索ラボ」を発足。各社が展開するキャンペーンにおける適切なKPIの設定を支援するほか、KPIに関する各種研究にあたっています。そこで今回は、「KPI探索ラボ」のメンバーである小泉健二(コンサルタント)と山本勇気(データサイエンティスト)に、本ラボを発足した経緯やサービスの特徴を聞きました。

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写真左:山本氏 写真右:小泉氏

そのKPIは本当に効果的⁉ 多くの企業・ブランドが抱える悩みを解決するために発足

お二人の業務内容や、「KPI探索ラボ」における役割を教えてください。

小泉:普段はビジネスソリューショングループのカスタマーサクセス担当としてコンサルティング業務を行っています。リサーチによる生活者理解を起点とした企業・ブランドの課題解決、広告会社への出向を経て、「KPI探索ラボ」に参画しています。ラボでの役割は、データを活用したマーケティング・コンサルティングです。お客様とのコミュニケ―ションを通じて、マーケティング課題の理解および構造整理をさせていただき、KPI設定にむけた最適なアクションプランをご提案します。

山本:私も同じくビジネスソリューショングループに所属しています。データサイエンティストとして、これまで広告コミュニケーション上の課題を解決するための施策提案などを経験してきました。「KPI探索ラボ」では、データサイエンスの専門手法を駆使して、KPIの最適解を導き出すのが使命です。

「KPI探索ラボ」を発足した背景、きっかけを教えてください。

小泉:デジタルシフトによりサイトのアクセスログなどから、サイト来訪率や指名検索数などが簡単に取得できるようになりました。そのため、こういった「計測しやすい指標」だけがKPIになりがちだという課題を感じていました。

山本:本来、KPIを決める際に重視する要素や指標は、ブランドの特性やユーザーの心理・行動によってそれぞれ違ってくるはずなんです。その最適解を導き出すためには、私たちが持つ大規模な生活者調査「ACR/ex」や、高度な調査・分析のノウハウが必ず役に立つはずだと考えたんです。

また、社内には、マーケティング課題に対する視点を持ったコンサルタントと、多様なデータを扱うデータサイエンティストが在籍しています。双方の知見を掛け合わせることで、より説得力のある施策が導き出せるのではないか。こういった想いが膨らみ、「KPI探索ラボ」を発足するに至りました。

「KPI探索ラボ」が提供できる価値は二つあると聞いています。

小泉:はい。一つは、「客観的なKPIの知見提供」です。これは、当社所有のデータや自主調査の結果をもとに、業種横断の知見を定期的に発信すること。例えば、購買前に参照した情報源の回答を基にした「カテゴリー別KPI探索マップ」を公開しています。

山本:もう一つの提供できる価値は、「お客様の個別課題に応じたKPI設定支援」です。「KPI探索フレーム」という独自の業務フローを策定し、各社のキャンペーン・宣伝担当者とチームを組んで、話し合いながらKPIを設定していきます。

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客観的なKPIの知見提供:「カテゴリー別KPI探索マップ」で、業種ごとの傾向の違いを可視化

「カテゴリー別KPI探索マップ」とは、どのようなものですか。

小泉:「カテゴリー別KPI探索マップ」は、購買前に参照した情報源の回答を基に​26カテゴリーのポジションをマッピングしたものです。

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山本:横軸は、左が広告や過去の使用感などの「記憶」や、「店頭」で見て選ぶといった受動的な要素が重要な商材。右が「検索」などの能動的な情報が購買に繋がりやすい商材を表しています。

また、縦軸は、上は口コミやSNSなど「世間の評判」に左右されやすく、下は店員のおすすめなど「専門家の意見」が決め手になる商材であることを示しています。

小泉:例えば、「メイクアップ化粧品」は、検索や世間の評判が大事な商材だと分かりますよね。しかし、同じような売り場にありそうな「スキンケア化粧品」は、メイクアップ化粧品よりも信頼性を求める傾向があるためか、世間の評判だけでなく専門家の意見も重視されるのです。

ほかにも、「ビール・発泡酒・新ジャンル」は、検索よりも記憶や店頭での印象が購買に繋がるなど、26業種の傾向を俯瞰して見ることができます。このような多くの業種を比較して可視化した図は、ほかになかなかないはずです。お客様からも「自社商材がどの辺に位置づけられているかの肌感は持っているけれど、データを以て実体が確認できたのは初めて。どのような要素を盛り込んだKPIが効果的なのか、その判断材料にしたい」という声を多数いただいています。

山本:このマップは、「KPI探索ラボ」発足の準備期間に独自のWEB調査・分析を行って作成しました。調査設計や分析に関するノウハウを溜め、そして数多くの広告主様の課題に向き合ってきた当社だからこそ、フラットかつ公正な目線で俯瞰したマップを作成できたのだと思っています。

小泉:今後も研究成果を積極的に公開していく予定です。私たちが発信する情報をより多くのお客様に活用いただき、それが効果的なKPI設定の後押しとなればと考えています。

*「カテゴリー別KPI探索マップ」はこちらの記事でもご紹介しています。
KPIの設定方法をデータサイエンティストが解説~3つの条件と、製品カテゴリーごとの検討方法~

お客様の個別課題に応じたKPI設定支援:5つのフェーズに分けた「KPI探索フレーム」で、きめ細かく支援

二つめの提供できる価値「お客様の個別課題に応じたKPI設定支援」に紐づくという、「KPI探索フレーム」について教えてください。

小泉:「KPI探索フレーム」は、マーケティングのKPIを設定する際の、一般的なフローです。全体の流れを5つのフェーズに分け、一気通貫でお客様をサポート。もちろん、必要なフェーズのみを実施したり、フローにアレンジを加えたりなども可能です。お客様とこまめにコミュニケーションを取らせていただきながら進めていきます。

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小泉:「①課題の洗い出し」では、お客様に現行のKPIについてヒアリングさせていただきます。そのうえで、お客様がお持ちのブランド調査データやログなどと、当社所有のデータを活用し、KPI策定に必要な課題を抽出していきます。

次の「②仮説立案」では、「売上」「成約数」といったビジネスの最終目標であるKGIを確認し、分析を通じてKPIの仮説を立案します。そのためにお客様と話し合いやヒアリングをするほか、場合によってはワークショップも実施していきます。

そのうえで、KGIを達成するためには何が必要なのかを検討します。検索やサイト来訪に関するものから、ブランド認知や想起に関連するものまで、どのような要素が影響しているのかを広く見ていくのがこのフェーズです。

山本:「③基礎分析」では、本格的な分析の前に、お客様から頂いたデータや当社で保有するデータを俯瞰します。例えば、仮説と関連性の高いキーワードについて相関分析を行ったり、季節性やトレンドが見られるデータなどを確認し、モデル構築の準備を進めます。

「④詳細分析」では、いよいよ具体的なKPIを設定します。当社所有のACR/exや各種統計モデリングと専門的な分析手法を用いて、本当に仮説が正しいかを明らかにしていきます。もちろん、この段階で仮説が間違っていたら、「②仮説立案」に戻って再検討します。

小泉:「⑤モニタリング」では、設定したKPIの達成状況をキャンペーン実施後に確認し、達成や未達要因を分析することで、次期コミュニケーション戦略への示唆を導出。広告効果を最大化するためのPDCAサイクルを回していきます。

施策→KPI→KGIが有機的に連動! 高度なデータ分析から見えることとは?

各企業・ブランドのKPIとKGIを結びつけるにあたり、心掛けていることや実践していることを教えてください。

小泉:コンサルティングを行ううえで意識しているのは、KGIから逆算して適切なKPI、さらには具体的な施策にまで落とし込む「KPI構造の概念」です。
KPIは大きく分けて「行動指標」と「ブランド指標」の2種類に分けられますが、「ブランド指標」(ブランド力)の重要性を忘れてはなりません。企業では短期的な成果が求められる背景もあり、検索やサイト来訪などの「行動指標」をKPIに設定している広告主様も多く見られますが、中長期的に考えると、純粋想起などの「ブランド指標」を高めていくことも大切です。継続的に広告を出稿することで醸成されたブランド力は、短期的な販促効果をブーストさせる効果があることも当社の研究でわかっています。
また、KPIを設定するだけに留めず、KPIを高めるためにはどのような施策だと成功確率が高まるのかを考えることも重要です。

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山本:さまざまなメディアデータや生活者データを有しているので、施策とKPIの関連性をシームレスに見ることができることも当社の特徴と言えますね。

KPIを高める施策の分析においては、例えば、「メディア施策」については、当社が保有するACR/exのほか、広告出稿量などの各種広告統計データを活用します。また、「クリエイティブ施策」については、CM・動画広告の評価ストックデータを集約した「クリエイティブカルテ」をもとに分析します。施策のなかでもテレビCM出稿は、特に大きなインパクトを与えるものですが、「どのようなCMであれば効果的か分からない」とお悩みの広告主様も多いように思います。当社では、計6000素材以上もの評価データを保有しており、どのようなCM表現であれば効果的か、膨大なデータからご提案することが可能です。
もちろんテレビCMのみならず、どのメディアにどのような広告を打つと、消費者により響くのか。行動指標やブランド指標を上げるためには、どのような施策が効果的なのか。こういった方針を決めるために、MMM(マーケティング・ミックス・モデリング)をはじめとする多様な手法を駆使して分析しています。

*具体的な広告効果の事例はこちらの記事でご紹介しています。
広告の売上効果を明らかにするMMM〜CMを1000GRP出稿したらシャンプーは何個売れる?
ブランド力を高めるCMや動画広告のクリエイティブとは〜重要要素と成功事例のご紹介〜
はじめてのMMM(マーケティング・ミックス・モデリング)〜Z世代データサイエンティストが解説〜

お客様からはどのような声や反応がありますか。

小泉:「KPIと施策が繋がっていない」という課題を抱えるお客様が多い中で、当社の分析によってKPIと施策をしっかりと紐づけ、具体的なアクションが見える指標を提案できる点は、とても喜ばれていますね。

山本:お客様のほうで独自に分析されている場合もあるのですが、当社の分析を経て「新しい気づきがあった」という言葉も多くいただいています。

最後に、今後の展望やメッセージを聞かせてください。

小泉:「KPI探索ラボ」はスタートしたばかりなので、本当の成果が出るのはこれからだと思っています。今後も、コンサルティングチームとデータサイエンスチームが連携して、お客様に寄り添い、より多くの課題を解決したいと考えています。

山本:経験豊富なコンサルタントとデータサイエンティストがお待ちしております。マーケティングのKPIや施策についてお悩みの際には、ぜひお声がけください。

まとめ

【「KPI探索ラボ」の目的】
・「KPI探索ラボ」のサービスを通して、マーケティングにおける最適なKPIを設定し、広告効果の最大化に貢献すること。

【お応えできるお客様の課題感】
・さまざまな評価指標がある中で、本当に追うべき指標が見えづらく、自社ブランドにとって適切なKPIを設定することが難しくなっている。

【「KPI探索ラボ」の特徴】
・大規模消費者調査(ACR/ex)をはじめとするビデオリサーチが所有する豊富な基礎データも活用し、KPIをご提案。
・データサイエンティスト×コンサルタントがタッグを組み、独自の「カテゴリー別KPI探索マップ」「KPI探索フレーム」などを活用し、お客様と相談しながら実施。
・キャンペーン後にKPIの効果測定や見直しなどを行い、広告効果の最大化のためのPDCAサイクルを継続して回していくことも可能。

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