Inter BEE 2021

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Special 2024.11.02 UP

【Inter BEE CURATION】生成AIとグループインタビューができる時代に!実際の調査風景を覗いてみました

VR Digest編集部 VRダイジェスト+

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※INTER BEE CURATIONは様々なメディアとの提携により、Inter BEEボードメンバーが注目すべき記事をセレクトして転載するものです。本記事は、ビデオリサーチ社の協力により「VRダイジェストプラス」から転載しています。

マーケティングの基本は「生活者理解」にありますが、その理解を深めるために欠かせないのが「生活者のリアルな声」です。一人ひとりの生声(なまごえ)は、数値だけでは見えてこない感情や価値観、理由を深く知ることができる貴重な情報源と言えるでしょう。
これらの声を集めるために、多くの企業がグループインタビューやデプスインタビュー、SNSの口コミ解析などの定性調査を行っています。

ビデオリサーチでは、このような「生活者のリアルな声」を集めるために欠かせない定性調査を生成AIで支援するサービス「Asclone(アスクロン)」を提供しています。

・・・といっても、どうやって?と感じた方もきっと多いはず。
今回はAscloneのブランドマネージャーである野木に、実際のグループインタビュー例を用いて解説してもらいます。


野木 美穂・ビジネスデザインユニット ビジネスデザイングループ プランナー/ひと研究所研究員

2015年ビデオリサーチ入社。マーケティングデータ(ACR/ex)の運用・開発を経て、調査企画・分析・ソリューション提案に従事する傍ら、ビデオリサーチのシンクタンク「ひと研究所」に参画。Z世代・α世代研究にもとづき、クライアント向けのセミナー登壇や分析記事執筆などを行う。現在は、新規事業開発部署にてAIを活用した新サービス開発・運用に従事。​

"リアルな声"を集める手間と苦労を減らすために

編集部
まずはじめに、野木さんはどうして生成AIを「生活者のリアルな声」という、ものすごく"人間っぽい"領域で活用してみようと思ったのですか?

野木
日本は人口減の時代に突入しています。特に若い世代は、年々調査に協力してくれる人の絶対数が減ってきており、調査を行う際に人集めに苦労することが多いんです。
さらに、嗜好が多様化している現代では集めたい声を発する生活者の"キャラ"(調査対象者条件)も細分化され、条件に合う人を探すための時間もコストもかかりがちです。
そんなときに、生成AIを活用し「調査に協力してくれる人」そのものを作ってしまえばいいのでは?という発想から、Ascloneは開発されました。

編集部
ChatGPTなど一般的な生成AIのように、「生活者に聞きたい質問への回答」のほうをAIに作ってもらうのではなく、生活者そのものをAIで作ってしまおう、という発想なんですね。

生成AIでどうやって生活者を「作る」?

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編集部
生活者を生成AIで作るとのことですが、どのような仕組みなのでしょうか?

野木
Ascloneではオルツ社の「デジタルクローン技術」を使っています。この技術により、まるで本物の"ヒト"のように一人ひとり異なる性格や趣味嗜好を持った生活者を画面上で簡単に作ることができるんです。生活者を生成する過程では、ビデオリサーチが持つ生活者の属性や商品関与、メディア接触など網羅的に調査した、代表性のある日本最大級のマーケティングデータベース「ACR/ex」の情報も参照しています。
Asclone内ではこの作り上げた生活者を「AI相談相手」と呼んでいるのですが、AI相談相手はなんでも自由に何度でも"キャラ設定"できるのがポイントです。

編集部
どんなキャラでも!じゃあ例えば「ガラケーを使っている高校生」とか、「月に10回以上旅行に行っている人」みたいな、一般的な定性調査で探そうとするとかなりレアな"キャラ"の人でも作れてしまう、ということですか?

野木
はい、全然大丈夫です!本当にどんなキャラでも設定できます。

編集部
実際にはどんな感じなのか、見てみたくなってきました!

実際にグループインタビューしてみた

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野木
今回は例として、新しく「語学学習アプリ」を開発したいと考えている企業がユーザー理解やニーズ把握のためにグループインタビュー(※1)を実施する、と仮定してAscloneを操作してみたいと思います。

※1:グループインタビュー(GI)とは、3-6人ほどのグループを複数組み、司会者(モデレーター)の進行のもと座談会形式で特定テーマについて意見や改善点を自由に述べてもらう、定性調査の手法です。通常1グループにつき120分前後で行われます。

1.AI相談相手の"キャラ"を設定してみる

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野木
まずは1つ目のグループに話を聞きたいと思います。
「①学生&学習アプリ利用者」グループの属性を設定してみましょう。いわゆる「調査対象者条件」ですね。
グループ名を入力したら、性別、年齢、居住地、職業を選択し、最後に属性詳細設定欄に「学習アプリを使って勉強している」とテキストで入力すれば、これで調査対象者の"リクルート"は完了です。通常の定性調査では、インタビューしたい調査対象者をリクルーティングするだけで数週間要することもあるのですが、Ascloneだと30秒ほどで完了してしまいます。

編集部
気になったのですが、属性詳細設定は自由にテキストを入力できるようになっていますよね。何か入力内容に制約はあるんですか?

野木
なんにもないです。本当に何でも書いてOKです!今回はシンプルに「学習アプリを使って勉強している」とだけ入力しましたが、「学習アプリ利用者、勉強好き、アプリ利用期間1年以上」みたいに箇条書きで列挙してもいいですし、「学習アプリを通学時に電車の中で使っている人で、アプリでの勉強を楽しいと感じている。」のように文章で表していただいても構いません。

編集部
そうすると例えば、「ドイツ語の学習アプリを3つ以上毎日併用している人」のような、超レアな対象者条件を入力しても問題ないということですよね・・・?

野木
そうですね。上記のような出現率がとても低くリクルーティングに苦戦しそうな条件や、例えば「LGBTQ問題に強い関心がある人」のような、本音を聞き出しづらい条件でも入力いただけます。

<参考>実際に"キャラ"を設定する様子は動画でもご覧いただけます


2.AI相談相手に質問してみる

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野木
AI相談相手を全員集めたら、さっそく質問してみましょう。
左下の入力欄に聞きたい質問を入力すると、右側にいるAI相談相手たちが一斉に、即座に答えてくれます。
「何を目標に勉強しているのですか?」と質問してみると...

AI相談相手4人の回答

・山田 彩香さん(18歳女性)「私は大学に合格することを目標に勉強しています。」
・高田 貴志さん(19歳男性)「私は大学進学を目指して、自分の好きな学問である心理学についてしっかりと勉強しています。」
・戸田 恵美さん(13歳女性)「私は、学校の成績を上げることや、英語をもっと話せるようになることを目標に勉強しています。」
・中村 良一さん(19歳男性)「僕は大学受験を目指しているので、その合格に向けて必要な知識を身につけることを目標に勉強しています。」

編集部
とても自然ですね。そしてみんなそれぞれ違った回答をしています。
ところで、AI相談相手には一人ひとり名前がついているんですね?顔写真まで・・・

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<AI相談相手の回答例>

野木
はい、AI相手とはいえできるだけリアルな会話と近しい雰囲気を感じていただけるよう、名前や顔写真もそれぞれにつけています。もちろん架空の人物ですが。

編集部
複数の人と会話している気になってきました!質問は何問くらいまで聞いてもいいんですか?

野木
何問でもいいですよ。皆さんが気の済むまで、何問でも、そしてどんな内容でも質問いただいてかまいません。AI相手ですので、調査対象者が気分を害することも、疲れることも永遠にありませんから。

編集部
一般的なグループインタビューだと、最大でも2時間程度までの調査になるので、いかに時間内に聞きたいことを、順を追って聞けるかを"台本"にする「インタビューフロー」を作るのが一般的ですよね。

野木
そうですね。Ascloneの場合はグループインタビューの時間的制約を考慮する必要が無いので、インタビューフローを事前に用意しなくてもいいかもしれません。もしくは、実際の人相手のグループインタビュー前にAsclone相手に質問内容の整理をしたり、モデレーター(※2)のスキルアップのための壁打ち練習台としてお使いいただくのもおススメです。

※2:モデレーターとは、グループインタビュー時に調査対象者へ質問をしたり、場を盛り上げたりする司会進行役のことです。

<参考>実際にAI相談相手に質問している様子は動画でもご覧いただけます


3.気になった回答を個別チャットで深掘りしてみる

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編集部
グループインタビュー中に、気になる回答をした人にはさらに掘り下げて追加で個別に聞きたい場合ってありますよね。デプスインタビュー(※3)みたいな感じで。そういうときはどうするんですか?

※3:デプスインタビューとは、モデレーターと調査対象者が1対1で、特定のテーマについて深く話し合うのが一般的です。

野木
Ascloneには「個別チャット」機能があるので、気になる回答をした人に個別であれこれ質問していただくことが可能です。例えば上記例では、AI相談相手の山田さんが「大学合格のために学習アプリを使っている」と答えていたので、
Q.どの教科の勉強のためにアプリを使っているのか?
A.主に数学と英語
Q.なぜ数学と英語なのか?
A.受験や将来の進学において重要だと思うから
・・・といった形で、実際の人相手のグループインタビューのように、山田さん個人の回答を掘り下げて「なぜ、そう思うのか」意識の深層を探ることができます。

編集部
実際のグループインタビューでも個々人に深掘りすることで示唆を得るケースが多いですからね。

<参考>実際にAI相談相手に個別チャットしている様子は動画でもご覧いただけます


4.他のグループにも質問してみる

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野木
一般的なグループインタビューでは、条件の異なる複数のグループを作り、グループごとの意見を比較することが多いですよね。Ascloneでも同様に、条件の異なるAI相談相手にまとめて質問できます。

編集部
グループを分けて調査する必要がないんですね。一度に何グループ、何人までAI相談相手を呼べるんですか?

野木
グループは6つまで作れます。一度にまとめて会話できるAI相談相手の数は30人ですね。実際の人相手のグループインタビューだと、例えば日中働いている人にお話をお聞きしたい場合は夜に開催することが多いので、モデレーターが1人だと1日1グループしか調査ができないんですよね。AI相手だとこういった開催日程の調整も必要ないので、気軽にインタビューができます。

編集部
今回は、「新しい語学学習用アプリの開発に向けたユーザー理解・ニーズ把握調査」として、設定した条件でAI相談相手に調査を行い、アプリでの語学学習には様々な利用背景があり、それに伴う活用シーンもバリエーションが多そうだということが見えてきたかと思います。

野木
そうですね。これらの回答を踏まえて、「特定の利用シーンに特化したアプリ開発を目指す」のか、「広く浅く語学が学べるアプリ開発を目指す」のか、方向性を決めるためにAI相談相手の対象者条件を変えてさらに深掘りするためのグループインタビューを追加実施してみるとよさそうですね。

定性調査への生成AI活用で調査時間・コストを大幅ダウン

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編集部
ビデオリサーチではグループインタビューをはじめとする定性調査のご依頼も数多くサポートさせていただいていますが、Ascloneは新しい形でのサポートができそうですね。

野木
そうですね!定性調査は企画や対象者リクルート、そのあとのレポーティングまで含めると数ヵ月かかることもあります。Ascloneは、何度お使いいただいても月額5万円/IDと気軽にお試ししやすい価格でご提供しています。
手間のかかる調査をAIに手助けしてもらうことで、時間もコストも大幅に削減できます。限りある業務時間の有効活用だけでなく、人手不足の解消やリサーチ人材の育成にもつなげていただけたら、とても嬉しいです。

ご興味をお持ちいただけた方は、以下よりサービス案内資料をダウンロードいただくか、ビデオリサーチECサイト「VR DataCity」から直接ご購入ください。また、ツールのデモも行っておりますので、実際のUIをご覧になりたい方はお問い合わせフォームの問い合わせ内容欄に「Ascloneデモ希望」とご記入の上、ご連絡いただければ幸いです。

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『Asclone』無料お試しキャンペーン
リニューアルを記念し、期間限定で『Asclone』無料お試しキャンペーンを実施いたします。詳細は下記よりご覧ください。<申し込み期限:24年10月25日(金)>
【期間限定】生成AIを活用した定性調査ツール『Asclone(アスクロン)』 無料お試しキャンペーンのご案内

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【本記事で紹介したサービス】
・サービス名:ビデオリサーチ「Asclone
・ご利用方法:PCやスマートフォンブラウザからのサービスログインによるご利用
 ※推奨ブラウザ:Google Chrome、Safari
・契約形態:サブスクリプション形式 1ID、月額55,000円(税込) 
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