Inter BEE 2021

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Special 2024.10.16 UP

【INTER BEE BORDERLESS】企画セッション「メディア企業は生成AIをどう使うか〜活用事例とリスクマネジメント」事前レポート

境 治 Inter BEE 編集部

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左上:杉本歩基氏 左下:平石直之氏 右上:樋田光風氏 右下:澤田将史氏

生成AIはいま、すべての企業にとって取り組むべきテクノロジーと言っていいだろう。さまざまなメディア企業でも活用について研究が進んでいるようだ。だが議事録の要約などはすぐに実現できても、より踏み込んだ活用にまで至った企業は多くはないかもしれない。
Inter BEEの特別企画INTER BEE BORDERLESSでは3日間で12のセッションが展開される。その中で生成AIの活用をテーマにしたのが15日(金)12:00-13:30の「メディア企業は生成AIをどう使うか〜活用事例とリスクマネジメント」。生成AIの業務効率化、映像制作それぞれでの活用事例を2つの放送局にプレゼンしてもらう。さらに活用にあたり著作権に関わるどんなリスクがあるかも、弁護士の方に解説していただく。生成AIの最新動向を一挙に把握できる、欲張った内容のセッションになりそうだ。その事前打ち合わせの様子をレポートする。
(コピーライター/メディアコンサルタント 境治)

北海道文化放送とTOKYO MXの活用事例をプレゼン

生成AIを使えば仕事が楽になる、とよく言われるが実際に楽にするのは簡単ではない。業務によってはそのためのツールを開発する必要が出てくる。北海道文化放送では、早い段階から生成AIによる業務効率化に取り組み、企業や行政官庁から届いたFAXをテキスト化してニュース原稿を作成しやすくする仕組みなど、報道に役立つツールを開発した。本セッションではその中心となった編成部・杉本歩基氏から開発の経緯と成果を説明してもらう。杉本氏は技術部から編成部に移ることで機動力ある開発作業ができた。その辺りの話も参考になりそうだ。
東京メトロポリタンテレビジョンからは映像制作での生成AI活用を、編成部長・樋田光風氏からプレゼンしてもらう。同社では新キャッチコピー「どこまでも!マニアッ9。」を4月に発表し、このコピーを元にしたテレビCMも制作し公開した。その際に、「生成AIとエンターテインメントの融合」を掲げるAIHUB株式会社と協業し、同社のデジタルヒューマンSali(サリ)がキャッチコピーの世界を伝えるCMを完成させた。制作プロセスでAIHUBとどう連携し、表現を詰めたかなど具体的な話が聞けるだろう。
業務効率化と映像制作という、まったく違う領域での事例を知ることで、生成AIの幅広い活用方法が理解できそうだ。

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北海道文化放送のシステム概要
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「どこまでも!マニアッ9。」CM

リスクも把握することで、生成AI活用が促進される

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生成AIが世の中の注目を集める中で浮上しているのが、そのリスクだ。直近でも、ポスター画像やイラスト制作での生成AI使用が炎上を巻き起こしたこともあった。このセッションでは活用事例だけでなく、そこにどんなリスクがあるのかも検証する。この分野に最も詳しい専門家の一人、高樹町法律事務所の弁護士・澤田将史氏に登壇いただく。「何がダメかというより、どう使えばセーフかの観点でお話しします。他の著作物と似たものにならないようにすることが一番重要です。どのモデルを使うのか、どういう入力をするのか、どうチェックするか。この3点がポイントです。」と前向きなリスクマネジメントを語っていた。
樋田氏は「映像制作におけるリスクを具体的にお聞きしたいです。」と自身の事例を踏まえて興味津々の様子だった。

モデレーター・平石直之アナウンサーから、ABEMAの生成AI活用も紹介

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AbemaPrimeで開発されたVMC画面

このセッションではモデレーターをテレビ朝日アナウンサー、平石直之氏にお願いする。ABEMAの看板番組ABEMA Primeで日々多彩なディスカッションを仕切っている平石氏に、進化し続ける生成AIの議論を捌いていただく。
打合せにはプロデューサー、郭晃彰氏も飛び入り参加。ABEMA Primeのために生成AIを使って開発されたツールVMCを見せてくれた。「番組進行中に話者ごとの発言の文字起こしをリアルタイムで行い、XやYouTubeショート用の動画をはき出すことができます。」
平石氏も「ABEMAの場合は“後拡散”がすごく大事です。何がバズるかわからない中で、簡単に映像が出せるツールでものすごい勢いで球を打っていく。そんな未来が見えてきそうです。」と解説する。
VMCについては杉本氏も「AWS Summit Japan(※)で拝見してすごいと思っていました。」と評して、すでにテック・イベントで互いに認識していたことがわかった。平石氏にはパネリストも兼務してもらう形でこのツールについても簡単にプレゼンしてもらう。
思うわぬ形で活用事例が増えたが、百花繚乱のまさにメディア業界の生成AIの最先端のディスカッションになりそうだ。興味あるみなさんはぜひ聴講予約を済ませていただきたい。

※AWS Summit Japan・・・Amazon Web Service主催で同社のサービスを使った最先端の事例が紹介されるイベント

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