Inter BEE 2021

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Special 2024.11.08 UP

【INTER BEE BORDERLESS】企画セッション「音声コンテンツとしてのラジオの展望、そしてテレビが学ぶべきことは?」事前レポート

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左から、冨山雄一氏、八木太亮氏、永江幸司氏、丸ワイプは冨士原圭希氏とサラリーマン氏

INTER BEE BORDERLESSの11月13日16時からは「音声コンテンツとしてのラジオの展望」と題したセッションが開催される。ラジオがデジタルメディアradikoにも広がって久しい。デジタル音声メディアはそれだけでなく、PodcastやSpotifyも普及して活気付いている。一方ラジオ番組発のイベントが多くの観客を集めて話題になった。既存メディアと新興メディアがいい意味で競い合いながら新しいメディアとして成長している。そこにはテレビが学べるものもあるのではないか。そんなテーマで3人のパネリストを招いて議論が展開される。その打合せをリポートする。
(コピーライター/メディアコンサルタント 境治)

急成長するデジタル音声市場、オンデマンド化するラジオメディア

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3人の登壇者との打合せは2回に分けて行われた。
八木太亮氏はデジタル音声広告の分野で抜きん出た存在となった株式会社オトナルの代表取締役として新しい市場を開拓している。
「デジタル音声メディアは拡大しています。radikoが850万MAU、Spotifyが1450万人、Podcastが1200万MAU以上。Video Podcast(動画付きPodcast)の台頭でYouTubeとの境界線が曖昧になってきています。」
躍進著しいデジタル音声メディアの新市場を支える八木氏だが、同時にラジオへのリスペクトも言葉から感じられるのが面白い。
もう一人の登壇者である冨山雄一氏は株式会社ニッポン放送でコンテンツプロデュースルーム・ルーム長を務める。この肩書きが、ニッポン放送のラジオに対する新しい考え方を示している。もはやラジオは番組だけでなくイベントなど多岐に広がる「コンテンツ」と捉えるべき時代だ。

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「ANN(オールナイトニッポン)の東京ドームイベントでは5万3千人が入場し、ライブビューイングを含めると16万人が参加しました。radikoのタイムフリー機能で、深夜25時からのANNを翌朝6時、7時に再生する人が激増しています。」
ラジオは放送を核にした多面体メディアに進化したのだ。
モデレーターを務める株式会社TVQ九州放送の永江幸司氏はBORDERLESS企画チームの一員でもある。
「テレビ業界もデジタル化やコンテンツの多様化に対応するべきですが、従来の感覚から抜け出せていない面があります。セッションを通じて、テレビ業界の人たちにもヒントを提供したいと考えています。」
音声メディアの最前線を議論するセッションであると当時に、それがテレビ局にとっての学びにもなるとの企画意図を説明した。

アナウンサーが一人で企画制作したラジオ番組が話題に。サラリーマン氏も登壇?

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2回目の打合せは、リモートで福岡のRKB毎日放送のアナウンサー、冨士原圭希氏も加わって行われた。冨士原氏からは、「空想労働シリーズ サラリーマン」の制作について登壇してもらう。
「昨年8月から放送し、それが賞をいただき今年8月から10月まで第2期『帰りたいサラリーマン』を放送しました。オタクなのでほぼ一人で制作したら、会社としてもう少しやらせてみるかとなりました。Inter BEEのような場で八木さんや冨山さんと並ぶのはおこがましいですが、ラジオ発で実写など様々に展開するIPはいままでなかったかなと思っています。」
「ラジオ発のIP」の考え方はANNの展開と通じるもので、デジタル広告のサポートも必要になるはずだ。3人の登壇者の議論は有機的に広がりそうで期待したい。
さらにこのセッションにはプロレタリア星地球営業所のサラリーマン氏も登壇予定だ。同氏との名刺交換の時間もあるらしいので、ぜひみなさん下のリンクから聴講予約を。

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