第59回となる今年の民放技術報告会は、音と映像と通信の国際展示会であるInter BEE 2022と連携して、3年ぶりに幕張メッセ国際会議場において、対面形式で開催いたします。歴史ある民放技術報告会を、ふたたび幕張の会場で開催できる運びとなり、民放連の技術委員長としてたいへんうれしく感じます。多数のご来場を、心よりお待ちしております。
猛威を振るった新型コロナウイルス感染症は、民間放送事業にも甚大な影響を及ぼしました。視聴者の皆さまに番組を変わらずお届けするために、放送の現場では感染症対策を講じ、ICT技術の活用をはじめとするさまざまな工夫や努力を積み重ねてまいりました。コロナ禍を乗り越えるために、社会全体のDXは急速に進み、これに伴って、人々のメディアとの向き合い方にも変化が生じています。
放送を取り巻く環境が激変する中にあっても、民間放送が地域に寄り添い、国民の知る権利に応え、非常災害時にはライフラインとして、必要な情報を送り届ける使命を果たすことは変わりません。そのために、AI、VR、クラウド技術など、さまざまなICT技術を活用して業務を効率化するとともに、インターネット配信や新たな視聴体験の提供などにも積極的に取り組んでまいります。民間放送を支える技術部門の最新の取り組みにつきまして、今回発表する26社63件の事績を通じて、理解を深めていただければ幸いです。
また、11月17日(木)午後には、恒例の「特別企画」として、「ファイルベースの “これまで” と “これから”~テープからディスク、メモリ、クラウドへ~」と題したセッションを開催いたします。革命的とも言われた局内ファイル化の歴史と将来像を総括するという、またとない企画ですので、万障お繰り合わせのうえ、会場に足をお運びいただきたいと存じます。なお、民放技術報告会の内容は、後日アーカイブ配信での視聴も可能といたします。
Inter BEE 2022は同じ幕張メッセにおいて、放送機器等の展示会やコンファレンス等がオンラインも併用して開催されます。電子情報技術産業協会(JEITA)および日本エレクトロニクスショー協会(JESA)の皆さま、放送機器の最新情報を出展されるメーカの皆さま、民放技術報告会の関係者のご尽力に、心より感謝を申しあげます。
最後になりますが、Inter BEEおよび民放技術報告会の成功とますますの発展を祈念し、ご来場の皆さまにとって実りあるイベントとなることを期待して、私のご挨拶といたします。