Inter BEE 2022 幕張メッセ:11月16日(水)~18日(金) オンライン:12月23日(金)まで

キャプション
プロオーディオ 2022.04.20 UP

【INTER BEE EXPERIENCE】 X-Speakerが帰って来る

INTER BEE EXPERIENCE プロデューサー 高橋嘉樹

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Inter BEEの特別企画として、INTER BEE EXPERIENCE X-Speaker(SRスピーカー体験デモ)が開始されたのは2014年。今からもう8年前のことです。
ライブエンターテインメントで重要な役割を担うSRスピーカーが、その本来出すべき音をInter BEEの場で披露することができない。そして来場者もその音を体験し、聴き比べることができない。この分野で国内最大の展示会イベントであるInter BEEだからこそ、何とか実現できないものか。この出展者、来場者双方のニーズに応えるべく、Inter BEE 50回記念開催を機に実施されたのがこの特別企画でした。
それから年月が経過し、すっかりInter BEEの名物イベントとして定着したかに思えたX-Speakerでしたが、リアルなライブの体験企画であるが故に、感染症の拡大によって2年間の休止を余儀なくされてしまいました。この間、産業動向や社会動向からライフスタイルまで、あらゆるものが制限と変化を余儀なくされましたが、その中で関係する分野において再生と進化のための、多大なご努力が続けられて来たことは言うまでもありません。
そして本年のInter BEE 2022、そういった関係分野のご努力を少しでも支援させていただくべく、INTER BEE EXPERIENCE X-Speakerが復活して帰って来ます。

国内最大のSRスピーカー体験イベントとして

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INTER BEE EXPERIENCEの「EXPERIENCE」という名称は、Inter BEEという展示会イベントにおいてより効果的な「体験の場」を作り出し、出展者が提供する製品や技術、品質や特長などを来場者に「体験的に」感じ、理解し、受取っていただきたいという思いから名付けられたものです。
しかしながら、とりわけ音響分野、中でもライブエンターテインメントのよりリアルな音の体験は、様々な製品分野の出展者がひとつの大空間を共有する展示会という形式においては、苦手であると言わざるを得ません。そこでInter BEEでは、幕張メッセ・イベントホールという実際にコンサートイベントでも使用される会場を専有的に活用し、出来る限り実際の使用環境に近いかたちでプレゼンテーションと大音量デモの行える特別企画、X-Speaker(SRスピーカー体験デモ)を実現させることとしました。
そしてこれまで、国内で販売される主要ブランドのSRスピーカーに数多くご参加いただいて来たことから、このイベントは首都圏で唯一、多数の聴き比べができる貴重な試聴会の場として継続させることができました。
そのことから、3日間でご来場いただく登録来場者数が約4,500名、延べで6,600名(2019年実績)という、単独の特別企画としては非常に多くのご来場がいただけるInter BEEの看板イベント、国内最大のSRスピーカー体験イベントにまで成長しました。また、海外からの来場者の口コミやSNSを通じて発信されたことから、X-Speakerは国外でも知られる国際的に知名度のあるイベントにまで発展してきたとも言えます。

EXPERIENCE、2年間の模索と継続

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しかしコロナ感染症の拡大は、コンサートなどライブエンターテインメントの主役的な機材であるSRスピーカー、そしてEXPERIENCE(体験)を旨とするX-Speakerというイベントにとって、限りなく大きな障害となってしまいました。
リモートや配信によるコミュニケーションとコンテンツの提供が様々なかたちで行われるなか、本特別企画に携わるスタッフはそこで、Inter BEEにおける音のEXPERIENCEを何らかのかたちで提供して継続し、また厳しい環境のなかでご苦労をされている業界関係者の皆様に、少しでも何か有益となるものを発信しようと模索を続けました。
そして実現したのが、INTER BEE FORUM 音響セッションとのコラボレーションであり、2020年にはライブと配信のハイブリッド環境を想定した実際の音づくりデモと、バイノーラルサウンド/立体音響をテーマとしたデモセッションを、ホール空間で収録して配信しました。また、昨年の2021年には幕張メッセでのInter BEEリアル開催に合わせ、ごく小規模ながら唯一のリアルライブ会場で同じく音響セッションとのコラボを継続して実施。EXPERIENCEとしては、プラグインなどのソフトをユーザ側のサウンドエンジニアが実際に音を出しながら解説する体験型のチュートリアルセッションを展開しました。

そして、X-Speakerの復活へ

昨年のInter BEEは何とか幕張メッセ会場で開催ができ、また業界関係者を始めとする数多くのユーザの方たちにご来場をいただけたことは、Inter BEEに携わる関係者にとってこの上ない喜びとなりました。しかしそれと同時に、来場者の皆様からたくさんの声もいただき、とりわけ音響部門をもっと見たい、SRスピーカーのデモを復活してほしいという多数のご要望をいただきました。
Inter BEEという展示会イベントの特質は、やはり実際に機器・機材やソフト・アプリケーションを見て触れ、その場で説明を受けながら出展者と来場者が対話することで、互いにとって最大限の効果が発揮される場であるということです。そしてそこに更に、「実際に聴き、体験する」を加えたのがINTER BEE EXPERIENCE。昨年のInter BEE終了後に実感させられたのは、そのEXPERIENCEの復活を待ち望まれている多くの方々がいらっしゃるということでした。
その声に後押しされ、2019年まで使用していた幕張メッセ・イベントホールを会場として、X-Speakerをまずは復活させるべく現在準備に入っています。ただし、感染症に関する今後の状況や推移はまだ不透明であることから、INTER BEE EXPERIENCEのもうひとつの特別企画であるX-Headphone/X-Microphone(ヘッドフォン/マイクロフォン体験展示)については、本年も休止とさせていただくこととなりました。
まずは一歩ずつ、本年はX-Speakerの復活を確実に実現し、無事に多くの来場者の皆様にご提供できるよう、主催者・事務局・関係スタッフともども最大限に努力して参ります。
11月のInter BEE 2022まで、あと半年余り。どうぞ今年のInter BEEとINTER BEE EXPERIENCE X-Speakerの復活実現にご期待ください。

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