Inter BEE 2022 幕張メッセ:11月16日(水)~18日(金) オンライン:12月23日(金)まで

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Special 2024.06.19 UP

【Inter BEE CURATION】ラジオリスナーの”ラジオ愛”が全世代で加熱中!!~radikoと併せて楽しみ方が”増える・拡がる・深まる”

中山 不尽子 VRダイジェスト+

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※INTER BEE CURATIONは様々なメディアとの提携により、Inter BEEボードメンバーが注目すべき記事をセレクトして転載するものです。本記事は、ビデオリサーチ社の協力により「VRダイジェストプラス」から転載しています。

この記事はこんな方にオススメ!
✅広告キャンペーンのメディアプランニングを担当される方
✅ラジオ広告に興味がある方

インターネットが日常的に伴走し、イヤホンを常時携帯することがほぼ当たり前の生活となった今、音声メディアがより密接になっていると感じるのは私だけではないでしょう。その中で、最も生活者に密着した媒体と言われてきた「ラジオ」ですが、今回はラジオリスナーにフォーカスして、彼らの熱量や楽しみ方の変化について当社の生活者データ(ACR/ex調査)から紹介します。

1.ラジオリスナーのラジオ愛が全年代で加熱中

はじめに、ラジオリスナー(1週間に1日以上聴取経験がある人)におけるラジオに対する好感度を5年前と比べてみます(図表1)。すると「好き」というラジオに対する印象が全体(男女12-69才)で8pt、性年代別でみるとすべての年代で大きく増加しています。特に増加が大きいのは50代以上(10pt前後)で、従来メディアに親しみ深い世代となっています。若い世代でも8pt前後の伸びがみられ、年配者とそん色がないことから、年代問わず "ラジオ愛"がリスナー全体に広がっている様子がみてとれます。

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【図表1】ラジオリスナーのラジオ好感度(男女年代別)

2.ラジオの魅力はパーソナリティーとの密着感

次に、リスナーのふだん聴いているラジオ番組ジャンルから、人気ジャンルの傾向を確認してみます。
直近の2023年データをみると、リスナーに最も聴かれているのは「アナウンサー・DJがパーソナリティーの番組」(33%)、次に「トーク番組」(24%)、「日本のポップス・ニューミュージックがよくかかる番組」(19%)、「お笑いタレントがパーソナリティーの番組」(16%)と、パーソナリティー重視のジャンルが上位にあがっています。
5年前(2018年)と比較してみると、ここでも"お笑いタレント""俳優・女優""歌手"といった有名人がパーソナリティーを務めるジャンルが増加しています。これらの結果から、リスナーにとってラジオから聞こえてくる有名人の自由で自然な会話への特別感や、有名人との一体感が他メディアにはない魅力となっていることがわかります (図表2)。

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【図表2】2023年リスナーのふだん聴いている「ラジオ番組ジャンル」Top10 2018年より増加しているジャンルTop10

これらの傾向は年代別でみても同様であり、2018年と比較して「パーソナリティー(人)」がキーファクターとなっているジャンルが軒並み3pt以上増加しています。さらに10代、20代の若者層においては、「過去のヒット曲」や「時代を問わずヒット曲をかける番組」が増加していたり、男性40代、50代では「ニュース解説」、女性20代以降は「お笑いタレントがパーソナリティーの番組」が含まれているなど、様ざまなリスナーの楽しみ方に寄り添うラジオの価値が確認できます(図表3)。

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【図表3】2023年"ふだんの聴取"が増加している「ラジオ番組ジャンル」(年代別)

3.スマホで聴くが増加、ネットならではの楽しみ方も増加中

次に、ラジオはどのようなデバイスで楽しまれているのか、聴取デバイスの変化をみてみましょう。
2023年のデータをみると、「スマートフォン」(47%)と「カーラジオ・カーナビ」(41%)が2大デバイスとなっています。「スマートフォン」によるラジオ聴取は、20代以降のすべての年代で40%を超えています。さらに、radiko利用経験も5年前に比べて大きく増加していることから、インターネットやスマートフォンの普及拡大で、ラジオの生活密着度が高まっていることがうかがえます(図表4、5)。
加えて、radikoの特徴である好きな時間に楽しめる「タイムフリー」や、異なる放送エリアの番組も楽しめる「エリアフリー」の利用経験率も着々と増加しており、インターネットの利点を存分に活用した自由自在な楽しみ方が増えている様子が読み取れます(図表6)。

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【図表4】リスナーのラジオ聴取デバイス
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【図表5】リスナーのradiko利用経験
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【図表6】リスナーのタイムフリー・エリアフリー利用経験

4.ラジオリスナーの熱量は「ラジオ広告」に対してプラス効果

最後に、ラジオリスナーの「ラジオ広告」に対する評価をみてみましょう。
2023年の「ラジオ広告の印象」(図表7)として、「新商品・サービスを知る」(27%)が最も高く、「認知」に効果的なことがわかります。さらに、「商品名が印象に残る」(25%)「企業名が印象に残る」(22%)「新製品の名前を覚えやすい」(20%)といった「記憶に残る」効果を評価する項目が上位にあがっています。
その「記憶に残る」効果について、スマートフォンから流れてくる音声を伴う広告である「スマートフォン動画広告」(スマートフォン動画広告接触者による評価)と比べた場合、「ラジオ広告」の方が5pt以上高く、音声だけですべてを表現するラジオ広告ならではの強みが評価に結び付いています(図表8)。

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【図表7】リスナーの「ラジオ広告」の印象Top5
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【図表8】「ラジオ広告」「スマホ動画広告」比較(各々メディア接触者ベース)

一方、広告のネガティブ要素である"ストレス"について、それぞれのメディア接触者ごとに確認してみます。「ラジオ広告」と、音声を伴う広告である「テレビCM」、「スマホ動画広告」とで比べてみると、広告に対するストレスは「ラジオ広告」が最も少なく、「スマホ動画広告」に対するストレスの約5分の1、「テレビCM」に対するストレスの半分程度となっています(図表9)。
これらの結果から、リスナーにとって「ラジオ広告」はストレスが少なく、「認知」と「記憶」に効果的な情報源であると推察されます。

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【図表9】「ストレスを感じる」におけるラジオ広告と他の広告比較(各々メディア接触者ベース)

おわりに

かねてより「ラジオ」はドライブ中や仕事、勉強、家事などの生活行動と共に楽しめるメディアとされていました。それは、長時間聴いていても「くたびれない」「邪魔しない」ということが、 "メリット"として受け止められてきた一面があるからだと思います。そのメリットは、スマートフォンがいつも手元にあるライフスタイルとなっている今、個人との密着度の高まりを受けて、より一層強まっている印象をもちます。
先日、あるラジオ番組に「ラジオを聴いていると好きなものが増えていく」というリスナーのメッセージが紹介されていました。これは、「ラジオ」に対する好意と、一人ひとりに着実に届く伝達力が相乗効果を生み出し、普段知りえない「情報」や「人」「モノ・コト」がリスナーの中で具体的なイメージとなり、記憶に残るからだと思います。このような場面にめぐり逢うことができ、リスナーの毎日を豊かにしてくれるのが「ラジオ」の強みではないでしょうか。当社では今後もラジオに注目し、情報発信していきます。

【本記事で紹介したサービス】
・サービス名:ビデオリサーチ「ACR/ex
―7地区計/2018年4-6月(n=19,649千人)・2023年4-6月(n=16,997千人)
―ラジオリスナー|1週間に1日以上聴取経験がある人
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