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Special 2022.01.21 UP

【Inter BEE CURATION】5分でわかる!インターネット動画利用の最新状況<5W1H>

中山 不尽子 VRダイジェスト+

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※INTER BEE CURATIONは様々なメディアとの提携により、Inter BEEボードメンバーが注目すべき記事をセレクトして転載するものです。本記事は、ビデオリサーチ社の協力により「VRダイジェストプラス」から転載しています。ネット動画視聴の最新状況の記事となります。お読みください。

5分でわかる!インターネット動画利用の最新状況<5W1H>

インターネットの普及と、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う行動自粛の長期化で、「インターネット動画」への注目は急速に高まり、生活に浸透し始めています。

視聴時間とデバイスを限定しない「ネット動画」について、「視聴者のボリューム変化」と、「誰が(Who)」「いつ(When)」「どこで(Where)」「なぜ(Why)・何を(What)」そして「どのように(How)」利用しているのかについて、ACR/exのデータを活用しながら検証したいと思います。

0. インターネット利用環境の変化

 まず、ネット動画視聴の大前提となる「インターネット利用」について、この5年での変化を踏まえて現在の状況を整理します。

 「インターネット利用」は2017年97%に対して2021年は98%と"利用者数は上げ止まり"の状況です。

 一方、利用デバイスの推移を見た場合、2021年は「スマートフォン(95%)」14pt増加、「タブレット端末(50%)」8pt増加、「テレビ(44%)」15pt増加となっており、インターネットとの接点が増えていることが読み取れます。(図表1)

 更に、個人利用が想定されるネット接続デバイスの"所有種類"の推移を見た場合、2021年は「2種類以上」が77%と2017年より12pt増加しており、個人とインターネットの繋がりが濃くなっている様子がうかがえます。また、所有種類の変化状況では2019年からの増加が大きくなっており、コロナ禍で加速したデジタル社会の影響も見受けられます。(図表2)

【図表1:インターネット利用経験(最近6か月利用あり)推移】

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(Data Source: ACR/ex 各年4-6月調査 全国7地区)

【図表2:インターネット・デバイス所有機器(パソコン・タブレット端末・スマートフォン)】

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(Data Source: ACR/ex 各年4-6月調査 全国7地区)

1. 「ネット動画視聴者」ボリュームの変化

 このように、インターネットへの接続環境は画期的に前進し、多くの人が自分で好きな時に利用できる状態になりました。そのような環境の中で、ネットでの動画コンテンツ視聴はどのように変化しているのか、利用者ボリュームを検証します。

 「ネット動画コンテンツ視聴経験(最近3か月)」で見た場合、2021年の視聴経験者は約9割、2017年と比べた場合12pt増加、コロナ禍前の2019年と比べた場合は8pt増となっており、視聴者が増えている状況です。(図表3)

【図表3:ネット動画コンテンツ視聴経験(最近3か月)】

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(Data Source: ACR/ex 各年4-6月調査 全国7地区)

2. 誰が(Who)視聴しているのか

では次に、"ネット動画視聴者の増加"をけん引した属性の解明を含め、性年齢の属性別で「ネット動画コンテンツ視聴」の推移を確認します。まず、性別での傾向を2021年で見た場合、「男性(91%)」「女性(89%)」と男性の視聴割合が少し高くなっていますが、2017年からの変化では男性は10pt増加、女性は15pt増加と女性の伸びが目立ちます。(図表4)

【図表4:ネット動画コンテンツ視聴経験(最近3か月)_男女別】

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(Data Source: ACR/ex 各年4-6月調査 全国7地区)

 各年齢層における視聴経験率を見た場合、2021年の調査結果では10代から40代までが9割以上、50-60代においても87%と高くなっています。また、2017年と比べた場合「男女50-69才」の増加が18ptと他年齢層の変化よりも大きくなっています。(図表5)このことから、ネット動画は"ほぼ全世代で利用が増加しているものの、特に「女性」と「50-60代」が全体の視聴者増加において大きく影響している"ことが読み取れます。

【図表5:ネット動画コンテンツ視聴経験(最近3か月)_年齢区分別】

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(Data Source: ACR/ex 各年4-6月調査 全国7地区)

3. いつ(When)視聴しているのか

 1週間の日記式調査(生活行動記録)をもとに、「ネット動画コンテンツ視聴者(最近3か月)」のネット動画視聴時間帯を見た場合、平日は19時台から視聴が増加傾向となり、20時から23時台が5%を超え視聴が多い時間帯になっています。土日はさらに視聴が増加し、13時から23時台まで5%を超えている状況です。(図表6)

 このことから、ネット動画は夜など手が空いたタイミングで楽しめる、身近な気分転換の手段になっているのではないでしょうか。

【図表6:インターネット動画視聴時間帯_自宅内外計(2021年6月)】


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(Data Source: ACR/ex 2021年6月調査 全国7地区)

4. どこで(Where)視聴しているのか

2021年6月調査結果の視聴時間帯の傾向を見ると、特に平日は「自宅内」での視聴が推測できます。

 そこで、「視聴場所」のスコアで確認してみると、確かに2021年もコロナ前2017年と同様に「自宅内」の視聴が多い状況ですが、2021年は「自宅外(20%)」がじわじわと増加している様子がうかがえます。(図表7)

【図表7:ネット動画コンテンツ視聴場所】

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(Data Source: ACR/ex 各年4-6月調査 全国7地区)

 自宅内の視聴場所を見ると、「居間・家族と共有の部屋」が最も高く、2021年は67%、2017年でも53%となっています。(図表8) "どこでも"視聴できる「ネット動画」は、全体的に自宅内の共有スペースでの視聴が多い状況ではあるが、自宅外での視聴も堅調に増加傾向になっていることがうかがえます。

【図表8:自宅内のネット動画コンテンツ視聴場所】

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(Data Source: ACR/ex 各年4-6月調査 全国7地区)

5. なぜ(Why)視聴しているのか、何を(What)視聴しているのか

これまでのアンケート結果を整理すると、「ネット動画はほぼ全年齢層で9割程度視聴」、最近の傾向では「女性と50代・60代の視聴の増加が加速」、「ネット動画の視聴時間帯は平日は20時台から、土日は13時台から深夜まで」、「視聴場所は自宅内の居間が多い」という傾向がわかりました。

 次は「なぜ」視聴しているのかという「視聴目的」について2021年10月(東京50km圏)で行いました最新のアンケート結果から紐解きたいと思います。

 10才ごとの年齢区分で、「インターネット動画視聴目的」の上位5項目を見ると、全年齢で共通しているのは「ネット動画でしか見ることができない番組を視聴するため」と「趣味やレジャーに役立つ動画を視聴するため」が共通して上位にランクインしています。また、「役立つ」というキーワードも共通して上位に含まれています。特に60代第4位の「取り扱い説明などの動画(22%)」を見た場合、動画の説明力が幅広く浸透していることがわかります。(図表9) このことから、「ネットでは"生活を楽しむために"そして"便利にするために"、"ネット動画にしかないコンテンツ"を視聴している」傾向がうかがえます。

【図表9:インターネット動画視聴目的_東京50km圏】※赤字・青字:全年齢区分で共通

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(Data Source: ACR/ex 2021年10月調査 東京50㎞圏)

6. どのように(How)視聴しているのか

 冒頭のインターネット利用デバイス普及状況からも「スマートフォン」での視聴が高いことが推測されますが、年齢による違いがあるかを確認したいと思います。

 最近3か月のネット動画視聴者における視聴デバイスについて、1週間の利用率(リーチ)を見た場合、2021年で最も高いのは「スマートフォン(16%)」、次が「テレビ(7%)」となっており、スマートフォンは2017年より10pt増加、2019年と比較した場合は、「スマートフォン」と「テレビ」の双方で5pt以上増加しています。(図表10)

 年齢別で見ると、いずれの年齢においても「スマートフォン」が最も高くなっていますが、50代・60代は「スマートフォン」と2番目に高い「テレビ」とで5pt以上の差が生じていない状況です。

 また、10代においては「スマートフォン(30%)」の次は「タブレット(6%)」となっており、個人向けデバイスでの利用が高い特徴が見受けられます。(図表11)これにより、「ネット動画視聴デバイスはスマートフォンが第一優先、2番目はテレビが増加傾向ではあるが、10代はスマートフォンのほかにタブレットも多く、個人向けデバイスが好まれている」状況ということがわかりました。

【図表10:ネット動画視聴デバイス(週リーチ)】

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(Data Source: ACR/ex 各年4-6月調査 全国7地区)

【図表11:ネット動画視聴デバイス(週リーチ)_年齢区分別】

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(Data Source: ACR/ex 各年4-6月調査 全国7地区)

まとめ

<ファインディングの整理>

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 コロナ禍による急速なネット環境の整備、スマホの普及などにより「ネット動画視聴」も拡大したことがスコアと合わせて確認できます。視聴者割合が2020年から2021年にかけて大きな変化がないことから、ネット動画は「1対1」の仕組みを活かし個々の満足度を深めているのではないかと思われます。

 通信環境の発展や接続デバイスの進化の中で、「ネット動画」の使い方や使われ方も多様化することが予想されます。

 今後もデータを活用しながら、検証を行っていきたいと思います。

<Appendix>各調査回対象者数

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※ACR/ex:
ビデオリサーチが提供する生活者の属性や商品関与、メディア接触など網羅的に調査した、代表性のある大規模シングルソースデータ
 https://www.videor.co.jp/service/communication/acrex.html

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