Inter BEE 2022 幕張メッセ:11月16日(水)~18日(金) オンライン:12月23日(金)まで

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Special 2022.07.07 UP

【Inter BEE CURATION】日本からローカル局ら過去最多の25社参加!中国MIP China2022開幕

テレビ業界ジャーナリスト 長谷川朋子 Screens

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※INTER BEE CURATIONは様々なメディアとの提携により、InterBEEボードメンバーが注目すべき記事をセレクトして転載するものです。本記事は、Screensに2022年6月28日に掲載されたMIP China 2022のまとめとなります。お読みください。

日本からローカル局ら過去最多の25社参加!中国MIP China2022開幕

世界最大級の国際映像コンテンツ見本市MIPTV/MIPCOMを主催するフランスのRX社が企画する国際ミーティングイベント「MIP China(ミップチャイナ)」が6月28日に開幕した。中国浙江省杭州市内を拠点とした中国地域専門イベントとして6回目の開催を迎え、今年は日本から昨年よりも参加社が増加、過去最多の計25社が参加している。中国TVコンテンツ市場の現状と共にレポートする。

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民放連とJETROがとりまとめ、中国バイヤーらと商談

2017年から続く恒例の中国ハンヂョウ国際ミーティングイベント「MIP China」が6月28日に開幕し、7月1日まで4日間にわたりオンラインで開催される。なお、当初は昨年に続き、杭州市内現地とオンラインとのハイブリット型で行われる予定だったが、6月7日~8日に予定されていたカンファレンス・プログラムは中国現地の新型コロナウィルス感染症対応のため、現在延期されている。

MIP China公式サイト

オンラインミーティングイベントには今年も500人以上が参加し、バイヤーは中国をはじめ、アジアからタイ、マレーシア、インドネシア、インドなども含まれる。またNetflix、ワーナー・メディア、パラマウント+(パラマウントの動画配信サービス)などグローバルメディアも参加し、年々高まる国際市場向け中国コンテンツへの注目度が伺える。

日本からは昨年の24社よりも1社増え、計25社が参加し、過去最多の参加者数を更新した。民放連が組織する国際ドラマフェスティバルがとりまとめた参加社は計12社に上る。キー局からはテレビ朝日とテレビ東京(実写)、準キー局からは読売テレビエンタープライズ、ABCフロンティア、毎日放送、関西テレビが参加、ローカル局からは中京テレビ、北海道テレビ、山口放送が参加する。ほかADKエモーションズ、吉本興業、トムス・エンタテインメントも含まれる。

またJETROがとりまとめたアニメ制作会社などからの参加社数は計12社に上る。パンダビジョン、ポプラ社、MAHO FILM、JET SET GO、手塚プロダクション、ボーナス、ゴリラ、スプリング、スターリーキューブ、パッショーネ、スタジオよんどしい、マイクロミュージアムラボラトリーが並んだ。さらにテレビ東京(アニメ)とABCアニメーションの2社は単独参加し、日本からは合計25社(オンラインブース数は26社、テレビ東京が実写とアニメに分かれるため)を数える。

オンラインミーティングイベントではRX独自開発のマッチングシステムによって事前に組まれた商談相手と1on1ミーティング形式で海外展開を探っている。

中国市場攻略法に3つのバイヤーカテゴリー

中国は世界最大かつ最も複雑なTVコンテンツ市場の1つと言われる。そのため、RX社はMIP China運営チームに中国拠点のコンサルト会社のチャイナ・メディア・マネージメント(CMM-I)を迎え入れ、MIP Chinaではこれまでマーケティング分析から商慣習まで中国市場対策向けの情報提供も行ってきた。

今年4月のカンヌMIPTV2022ではMIP China参加社などを対象に中国TV市場への入り口を探る特別セッション「Who is buying in China and the region?」が企画され、CMM-Iのマネージング・ディレクターで中国市場エキスパートのクリスチャン・ケンダー氏らが報告した。

中国においてグローバルパートナーをターゲットにしたバイヤーは主に3つのカテゴリーに分かれるという。「中国には主要なSVODプラットフォーム、小規模なVODプレイヤー、そしてローカルテレビ局/通信会社の3つのカテゴリーのバイヤーが存在し、それぞれの特徴を掴む必要があります」とケンダー氏が説明した。

具体的にはまず、主要なSVODプラットフォームに挙げられるのがiQiYi(バイドゥ運営/2010年開始)、Tencent(テンセント運営/2011年開始)、Youku(アリババ運営/2012年開始)の3社だ。有料会員数はそれぞれ約1億人に上り、SVODを主体にAVODも一部取り入れるビジネスモデルが特徴にある。これら主要SVODプラットフォーム対策として、「巨大組織ゆえに、ジャンルやテリトリー、ターゲットによってチームが細かく分かれています。商談相手を見極めることが重要です」とケンダー氏は話す。

また2つ目のバイヤーカテゴリーには、ByteDance(TikTok運営/2017年開始)、Bilibili(ビリビリ運営/2011年開始)、Nangua(Ruyi Pictures運営)などが並ぶ。ドキュメンタリーや映画、アニメなど専門性の高さを売りにしたプラットフォームが多い。

そして3つ目のバイヤーカテゴリーには、Jetsen Huashi TVやBeijing Xiang Jiang Yihua、Mango TVなど中国国内に無数にあるローカルテレビ局や通信会社が対象という。ケンダー氏は「3つ目のバイヤーカテゴリーこそ、中国市場参入の重要な入口です。中国のパートナーと関係性を築き、中国市場を学ぶ上で欠かせません」と説明する。

今年はMIPアフリカをローンチ、カンクンは現地開催復活へ

中国ビジネスの注意点についても触れ、「契約書類の正確性やサブライセンス制限の確認、センサーシップの条件を満たすことが重要である」とケンダー氏は強調した。また経験則から「センサーシップについては、先入観を持たないことも大切です。どの表現が通るのか、通らないのか、現地のパートナーとコミュニケーションを図りながら進めていくことをオススメします」と意見を述べた。

最後に近年増加傾向にある中国コンテンツの輸出状況も報告された。イギリスのリサーチ会社K7 Mediaによると、中国ドラマの購入先はベトナムが最も多く、インド、韓国、マレーシアなどでも扱いが増えているという。SVODプラットフォームの競争下によって、アジアコンテンツの1つとして中国人気を押し上げているようだ。

以上がセッションの主な内容になる。引き続き日本からも参加を集めるMIP Chinaは中国コンテンツ市場の入口の1つとして、ビジネスを継続させていくための役割がある。ニーズがあるMIP地域別マーケットは今年、アフリカでもローンチする。8月24日から26日の3日間、ケープタウンの国際アニメフェスティバル「FAME Week Africa」内で開催を予定する。またラテンアメリカ市場を対象にしたMIPカンクンは11月13日から16日の4日間、現地開催を復活させる予定だ。

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