Inter BEE 2022 幕張メッセ:11月16日(水)~18日(金) オンライン:12月23日(金)まで

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Special 2024.11.08 UP

【INTER BEE BORDERLESS】企画セッション「定量データから見る情報空間の現在地」事前レポート

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INTER BEE BORDERLESSの12のセッションのトップを飾るのは、CONNECTEDの頃からの恒例となった、奥律哉氏のコーディネート企画だ。13日10:30から「定量データから見る情報空間の現在地〜生活者トレンドを正しく理解し、制度設計の礎とする」のタイトルで、コロナ禍を挟んで人々とメディアの関係がどう変わったかの集大成として、豊富なデータを披露する。奥氏は長らく在籍した電通を離れ、今年7月からメディアビジョンラボ代表として独立したが、一緒に登壇するのは何度もこの枠に登壇してきたお二人だ。電通メディアイノベーションラボ 主任研究員の森下真理子氏と、ビデオリサーチひと研究所・所長の渡辺庸人氏が継続的に行ってきた調査結果を発表する。それを受けて「制度設計の礎とする」とタイトルにした奥氏がどうコメントするかは注目だ。これまでと違うセッションになりそうだが、その打合せをレポートする。
(コピーライター/メディアコンサルタント 境治)

コロナ禍がもたらしたメディアの変化の帰結点が見える

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渡辺氏は過去のこのセッションでも披露してきたソーシャルシークエンス分析を発表してくれる。2年ごとに行ってきたこの分析は生活者の行動を15分単位で記録したデータを用いて、個々の行動パターンを「シークエンスデータ」として構築する。そこからメディア行動の傾向をいくつかのクラスターに分類していく。このセッションで見てきたコロナ禍によるメディア接触の変化が定着した感があるようだ。
「コロナ禍によってネットを使うパターンが増えていきました。今年の分析では<テレビ専念視聴>もトピックとしています。テレビのリアルタイム視聴を中心にするのではなく、生活の中でいかにテレビ視聴を取り入れていくかがポイントになってきました。」
今回はグラフを示す際に「いらすとや」のキャラクターを多用し、見やすいスライドになっていたのが面白い。

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森下氏は2020年にも行った「頼りになるメディア」の最新調査を披露する。80種類程度のメディアもしくは情報源について、興味関心に照らして何が頼りになるかを調査した結果だ。どれくらい各メディアを利用しているかを聞くと、新旧メディアが混在していた。ポータルニュースサイトをトップに、民放とNHKのテレビ番組、AmazonなどのECサイト、新聞、YouTubeやTikTokのチャンネル、BS放送の番組と、千差万別のメディアや情報源が並ぶ。
「接触頻度を世代ごとに各メディアで分けて見ると50代60代はテレビとラジオ、電波系の従来型メディアのシェアがいちばん大きいのですが、10代はSNSとブログと、動画や音声のストリーミングのシェアが2020年と比べるとずっと大きくなっていました。世代によってメディアの利用パターンがまったく違っています。」
メディアごとに色分けして見せているのでわかりやすい。

英国と日本のデータを比較しながら制度設計のあり方を問う

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最後のパートでは英国Ofcomが5月に発表したレポート「Future of TV Dstribution」を取り上げる。
レポートの中で、今後の地上波テレビ放送の3つのオプションを示しているが、その前提とするための現状分析を行いきちんとデータを示している。この英国のメディア接触のデータと日本のデータを比べて示すことで、日本の制度設計の参考にできるのではないか。このパートで、長年有識者会議に参加してきた奥氏の見解を聞けそうだ。
「日本の放送業界は多様な問題が全部絡みあっていて課題は一つではありません。それらの課題を、英国のようにデータに基づいて議論すべきではないかと思います。」
タイトル通り、今後の制度設計の礎となるようなセッションになりそうだ。

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