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映像制作/放送関連機材 2019.06.12 UP

【NEWS】フジテレビジョン 新送出マスターにクラウドサービスを活用 地上波で初の試み 番組コンテンツのマルチユース効率展開を視野に

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地上波で初めてクラウドを活用した新しい送出マスター

 フジテレビは、“放送局の心臓部”とも言われる「送出マスター」のシステムを更新し、6月10日から新マスターからの送出を開始した。新しいマスターは、クラウドサービスを活用しており、これは日本のテレビ局の地上波放送で初めての取り組みとなる。
 フジテレビは2019年2月から、それまでVTRで管理していた番組素材をクラウドサービス上のデータファイルとして管理する「総合コンテンツ管理システム」を稼働させている。

地上波放送にクラウドサービスを活用した「送出マスター」としては日本初

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従来の送出マスターイメージ
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新しい送出マスターイメージ

 「総合コンテンツ管理システム」では、これまで放送済みの素材のみを管理していたが、今回の「送出マスター」の更新に伴い、放送前の素材もこの「総合コンテンツ管理システム」で管理。「送出マスター」と「総合コンテンツ管理システム」を連携させることにより、日本で初めて地上波放送にクラウドサービスを活用した「送出マスター」となった。

 新マスターでは、総合コンテンツ管理システムにある番組データファイルを、放送前日にマスターに取り込み、スケジュールに合わせて放送する。データファイルを使ってコンテンツ管理から送出管理までをシームレスに連携させることで、緊急放送対応や急な番組変更などの編成作業も、いままでのVTR管理に比べて容易に行えるようになった。
 放送サービスに加え、動画配信などの放送以外のサービスでも番組コンテンツをそのままマルチユース活用できる。フジテレビでは、地上波放送を皮切りに今後随時、BSやCS放送も新「送出マスター」からの送出に切り替えていくという。

番組コンテンツ納品形態を、データファイル一本に統一

 すべての放送番組をデータファイル管理に変更することで、いままで放送波ごとにVTR納品しなくてはならなかった番組コンテンツを、データファイル一本の納品にすることができ、番組の制作・編集作業が大幅に効率化することが期待される。さらに送出作業も複数様式の番組コンテンツ管理が必要であった前マスターと比べて送出作業の効率も大幅に上がる見込み。

【新「送出マスター」稼働開始スケジュール】
2019年6月      地上波デジタル放送 送出稼働スタート
2019年10月(予定)  BS2Kデジタル放送 送出稼働スタート
2020年2月(予定)  CS ONE/TWO/NEXT 送出稼働スタート

放送局の心臓部、送出マスター

【送出マスターとは】
 放送局に必ず存在する送出マスターは、放送信号をテレビ局から、電波に乗せる送信所(フジテレビの場合は東京スカイツリー)やネット局に送る場所。放送信号の最終段を預かる重要性から“放送局の心臓部”とも呼ばれる。番組やCMを時間通りに放送するほか、ニュース速報/地震速報の表示、急な報道特番にも対応。また送出マスターは一度稼働したら10年以上、止まることなく番組やCMを視聴者に届けるため、システムを3重化するなど放送を継続するための様々な工夫をしている。

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