Inter BEE 2023 幕張メッセ:11月15日(水)~17日(金) オンライン:12月15日(金)まで

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Special 2020.11.10 UP

「今年のIGNITIONは完成品を出しません」〜プロデューサー西村真里子氏に聞くINTER BEE IGNITION2020〜

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Inter BEEの特別企画の中でも特に最新の映像技術とそれをもとにした創造性を扱ってきたINTER BEE IGNITION。ライゾマティクスリサーチ真鍋大度氏による基調講演をはじめ、映像とテクノロジーの融合によるエンターテイメントの未来がかいま見えるセッションの数々が繰り広げられる。その魅力を、IGNITIONのプロデューサー、株式会社HEART CATCHの西村真里子氏に聞いてみた。オンライン開催となった今年は、よりいっそうIGNITIONらしい最新のテクノロジーを駆使したセッションが楽しめるという。「XRを活用した見せ方は最新技術ギリギリの挑戦で未完成な部分も出て来るかもしれません。今年だからこそ許してもらえるであろう、実験的な試みにトライします」そう言われると逆にワクワクしてしまう。西村氏に、さらに詳細に紹介してもらおう。
(メディアコンサルタント 境治)

連携企画をはじめ先進的なセッションが3日間みっちり!

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IGNITIONの企画セッションは基調講演の他にも連携企画など多彩に展開される。18日には先進映像協会によるルミエール・ジャパン・アワード2020の表彰式とアドバンスト・イメージング・ユニバーシティ2020が開催され、DCEXPO連携企画も18日と19日に行われる。19日夕方の「都市をメディア化する」と題した、深センと渋谷の先進的な街づくりを昨年に続いてディスカッションする企画も興味深い。
また西村氏が“秘かに注目してほしいセッション”と推すのが20日の「下剋上を狙うメディアデザイン」だ。エムテドの田子學氏とSMKの井川修治氏によるディスカッションを、西村氏がモデレートする。
「井川さんはテレビリモコンの基盤のトップ企業SMKのマーケティング部の方。田子さんは東芝とアマダナで家電製品をデザインしてきた方です。リモコンを通して視聴者との関係を新たに構築できるのではないか。そんな刺激的なテーマでお二人に議論していただきます。」
勝手に想像を膨らませると、かなりドキドキする議論が期待できそうだ。タイトルの「下剋上」が何を意味するかも興味深い。

バーチャルステージでアバターが登壇する新しいセッション形式

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西村氏が“未完成”と表現するセッションが19日と20日それぞれで行われるXRピッチだ。「テレビ局Z世代が考えるテレビのイグニション」と題して全国のテレビ局若手社員がこれからのテレビについて自論をぶつけあう。その見せ方が心を躍らせる。XRスタートアップとして知られるSynamonの技術でバーチャルステージを出現させ、登壇者はそこで議論するのだ。
バーチャル空間で登壇者はアバターを使ってプレゼンする。司会は西村氏が担当し、コメンテーター役として日本テレビの宮下仁志氏、フジテレビの下川猛氏に加えてForbes web編集長・谷本有香氏が出演。それぞれアバターの姿でステージに登場する。15名限定でVR視聴席も設けられ、一部の観客もアバターとしてセッションに参加する。

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バーチャルな空間でZ世代のアバターによるプレゼンをアバターのコメンテーターが意見をし、アバターの観客がそれにまた反応する。その様子を一般の観客は映像として視聴することになるのだ。これまでに見たことのないセッションが展開されるだろう。初の試みなのでどこかに未完成な部分が出てしまうかもしれない。「それも含めて、この新しい試みを楽しんでもらえるとありがたいです!」と西村氏は快活に語ってくれた。
Z世代の面々は、若いけれども果敢に新しいことに取り組んでいる。アバターの姿で彼ら彼女らが繰り広げるであろう挑戦的なピッチがまた楽しみだ。旧世代にはない新しい発想にテレビの未来を感じてもらえるはず。見せ方の斬新さを楽しみながら、Z世代の主張を真芯から受けとめてもらえればと思う。

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もうひとつ、西村氏が仕掛けようとしているのがTAILOR WORKSを活用したコミュニティづくりだ。
「リアルなイベントの大事な要素が、セッション後の名刺交換の時間です。人と人とのつながりが生まれ、そこからまた新たな何かが生まれます。でもオンラインイベントではセッションが終わると参加者同士のつながりは難しい。IGNITIONでは名刺交換の代わりの場を提供できないか考えました」
TAILOR WORKSは、簡単につながる場を作り、互いに情報交換ができる。セッションの視聴後にログインを促すことで、名刺交換の場のように挨拶を交わし互いに「知りあう」ことが可能になるのだ。もちろん、セッション視聴からすんなりコミュニティに人びとが集まるかは、やってみなければわからない。これも今年のIGNITIONの挑戦のひとつだ。
バーチャルな空間でセッションを視聴し、終了後にはバーチャルな場でつながることもできる。IGNITIONのXRピッチでは、少し先のコンファレンスの姿を一足先に体験できそうだ。
オンライン開催だからこそ、これまでテーマにしてきた最新の映像技術が生きる。IGNITIONは今年ますます楽しみなセッションが目白押しとなった。ぜひ多くの方に参加してもらえればと思う。

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