Special
2021.10.12 UP
リアルでの「出会い」こそがInter BEEの醍醐味
「Inter BEE 2021」。今年はリアルでの開催が決定した。プロオーディオシーンのなかで生業を立ててきた私のような者にとっては、やはりこの上なく喜ばしい。自身の身体には11月半ばになると、まるで体内にタイマーがあるように音響機材のトレンドやこれからの可能性を更新する機会が訪れる。意識を変えてくれるタイミング、それが「Inter BEE」に他ならない。この展示会に訪れる参加者の年齢層は幅広い。音響を勉強したい、あるいはこれからその方面へと進みたい10代後半から業界では重鎮と呼ばれる諸先輩の方々まで。それぞれに求める切り口や目的は異なるのだろうが、それらの空間を参加者の皆が共有する場所。これがやはり醍醐味だろう。
最新機材群はむろんのこと、誌面でしか見たことのない著名エンジニアが、まさに隣でヘッドフォンを聞いていたり、あるは通路で大御所と呼ばれるプロデューサーとすれ違ったりと、普段の生活では考えにくいことが簡単に起きてしまう。自分にとってのアイドルと同じ空間で同じ空気を吸った事実だけでもそれは魅力倍増だ。やはり「Inter BEE」のキーワードは「出会い」だろう。