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Special 2022.07.29 UP

【Inter BEE CURATION】データ拡充の最前線【活用編】2000万人の視聴ログから 自局(番組)の特性を描く

青山浩之 VRダイジェスト+

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※INTER BEE CURATIONは様々なメディアとの提携により、Inter BEEボードメンバーが注目すべき記事をセレクトして転載するものです。本記事は、ビデオリサーチ社の協力により「VRダイジェストプラス」から転載しています。収集したデータをどのように活用し役立てるのかが分かる記事です。

データ拡充の最前線【活用編】2000万人の視聴ログから 自局(番組)の特性を描く

今年、当社の広報誌であるVRダイジェスト(2022年1月発刊)にて、当社グループである"Resolving LAB社(以下RL社)が整備する視聴ログ (テレビログ)データ"の概要をお伝えしましたが、ここではその活用事例を紹介します。

まず、RL社視聴ログの特徴として以下の2つがあります。

1. "テレビ台数"単位ではなく"人"単位であること
2. ゆえに、"人"に関する情報(生活者情報)との親和性が高い(データ連動性が高い)

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※データフュージョン...独立して取得した2つ(α、β)の調査データを、サンプルの類似度に基づいて融合 (fusion) すること。疑似的にシングルソースデータを生成する統計的テクニック。

具体的には、「外部データ連携」や「ACR/ex(生活者データベース)とのデータフュージョン」があります。RL社視聴ログと「ACR/ex」をデータフュージョンさせることにより、見えてきた番組の特性について、考察していきます。

[ 分析事例紹介 ] 具体性のある表現や伝え方が可能

 私たちが(私が、かもしれません)"大切な相手に"とか"大事なことを"など何かを伝える際、相手の理解度が高まるように、苦心を重ねることが多いと思います。なぜなら、(大切な相手、大事なことなので)それによって相手と共有できる内容はより広く・深くなることを期待するからです。
 例えば「朱色寄りの赤」より、(互いが車好きなら)「某イタリア車のような赤」の方が、頭に浮かぶものがぐっと色濃くなります。また、自己紹介する際に、名前・年齢だけではなく、趣味・特技・出身・好きなユーチューバーなどを加えることで、 次の展開に勢いがつきそうです。
 これらのことを踏まえ、分析事例をSTEPごとに紹介します。

STEP 1 - 番組の特長を洗い出す

 下記(図1)の【α番組】は、いわゆる、M2・F2層 での視聴率が高い番組です。その番組を見ている人をより深く知るために、RL社視聴ログと「ACR/ex」とをデータフュージョンさせ、表現してみました。
 見方は【α番組】を見ている人のうち"テレビCMの印象"で「広告の商品をすぐに買う」傾向の人が38%存在し、その割合は当該地域の生活者より1.6倍高いことを示しています。また、"テレビCMを見ておこなった行動"では、「(PC・タブレット)ネットで調べた」という人が20%で、1.5倍となっています。
 併せて考察すると、この番組の視聴者はテレビ広告が効きやすいだけではなく、テレビ広告 ⇔デジタルメディア間のフローも強いことがわかります。
 一部の限られたデータを用いた考察ではありますが、性・年代だけではなく、価値基準・行動パターン(より深い特性)を加えることにより、"視聴者"について浮かぶことがぐっと色濃くなります。

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STEP 2 - 並べてみる

 STEP 1で【α番組】を見ている人の特性の深堀りができました。そうなると、次に「他の【β番組】をみている人」との違いも気になります (図2)。自局内であれば"一覧化"、自/他局間であれば"比較化"といったところでしょうか。さしずめ、前者であれば番組の"カタログ一覧"的な価値となり、番組プロモーションツールに活用できます。後者であれば、ACR/ex からフュージョンするデータは、先ほどの前頁(図1)で確認した情報に加えて、 "趣味・スポーツ/レジャー/興味"など1万有余の情報と組み合わせることで、番組視聴者の違いを具体的に(深く)見ることが可能です。
 仮にその違いが「隣の芝生は青く見える」だとしたら、自局(番組)でもその特性を取り込む ヒントが転がっていると捉えても良いのではないでしょうか。
 (図2)の【番組α、β】は似たような番組タイ プ(情報番組系)で、異なるテレビ局で放送されているものです。ある期間で20回以上視聴した人の特性比較です。【番組β】の傾向を踏まえながら、【番組α】について見えたまま解釈すると、「アニメ・ゲーム好きで動画サイト(YouTube)でもそれらをよく見ており、またおしゃれにも気を使っている」傾向が強いとなります。

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STEP 3 - 活用する

 【番組α、β】の違いを比較することによって " 事実 " の観察が、" 定量的(%で)かつ定性的(様ざまな特性での説明)"に可能となることがわかります。また、「自局(番組)でもその特性を取り込むヒントが転がっている」とも言えるでしょう。ヒントが転がった状態であるのなら、

1. 結果の整理・仮説構築し、
2. アクションのネタを整え、実行する


という道筋にしてみましょう。

1. 結果の整理・仮説構築

 【番組α】の視聴者は、「アニメ・ゲーム好きで動画サイト(YouTube)でもそれらをよく見ており、またおしゃれにも気を使っている」ではなく、大きな特性として「自分が興味のあることについては(もしかすると)番組キッカケで、詳細なことはデジタルメディアで探る」という筋がまずあり、その興味対象が、「アニメ・ゲーム・おしゃれ」と考察ができます。

2. アクションのネタ
 生活者の興味・関心事は数多あるので、番組内では"流行ごと"をおさえながら、リードを強めに羅列的に紹介し、番組から他メディアへの通り道の整備を意識した作り...、必要であれ ば興味・関心事の中身について、さらに RL × ACR/exデータ検索することが可能です。
 これらはあくまでも分析者視点で、また限られた情報を基にしていますので、限定的な言及となっていますが、" 投げ込み " とか " 発想の起点"として役立つのではないでしょうか。

今回は当社グループ"Resolving LAB社が整備する視聴ログデータ"の活用事例を紹介しました。
同視聴ログデータの特徴は、

1. 「PM視聴率データ準拠」による、テレビ台数単位ではなく、"人"単位での表現
2. "人"単位だから、「外部データ連携」や「ACR/ex(生活者データベース)との データフュージョン」との親和性が高い(データ連動性が高い)。


ビデオリサーチ、並びにRL社の営業スタッフはオールセットされた、RLログ×ACR/exデータを 手元に持っていますので、サービスやデータにご興味を持たれましたら、担当営業または info@videor.co.jpまでお問合せください。

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