【Hollywood Report】Cine Gear Expo 2024がLAにて開催される

Special 2024.06.14 UP

鍋　潤太郎/ Inter BEEニュースセンター

〇はじめに

6月７～９日の３日間に渡って、Cine Gear Expo 2024がLAにて開催された。Cine Gear Expoは今回のLA、10月開催予定のアトランタ、そして来年３月開催予定のNYと、複数の地域で開催される予定だそうで、まずはそれに先駆けてのLA開催となった。
今回の会場はハリウッドのワーナー・ブラザース・スタジオ。オープン・セットや撮影ステージの一部を開放して行われたが、会期中は晴天に恵まれた事もあって、参加者達はカリフォルニアの青空の下でのCine Gear Expoを楽しんだ。

〇Cine Gear Expoとは

Cine Gear Expoは、映画撮影業界のコンベンションである。撮影機材や照明機材の展示あり、マスタークラスあり、フィルム・コンペティションあり、と様々なイベントが３日間に渡って開催された。
過去にはパラマウント・スタジオのロットや、ダウンタウンLAのコンベンションセンターで開催された事もあったが、今回は前述のようにワーナー・ブラザース・スタジオが会場に選ばれた。やはり本物の映画スタジオにおけるCine Gear Expo開催はテンションが上がり、参加者も出展者も含め、場内にいる人は全員が大変楽しそうな表情をしていたのが印象的でもあった。

〇Exhibitsフォトレポート

Cine Gear Expの中で大勢の参加者が足を運ぶのが、撮影機材や照明機材、そしてポスプロ関連ツールなどを展示するExhibitsであろう。ここには、撮影機材に加え、カチンコやスモークマシンからバーチャル・プロダクションまで、業界最先端のさまざまな展示を見る事が出来る。日本企業の出展も多く、会場のあちらこちらで日本語が聞こえてきた。
それでは、その模様をフォトレポートの形でお届けしよう。
ちなみに、筆者はVFX専門のジャーナリストであるが故に、着目点および視点がどうしてもＶＦＸ系に偏りがちとなっているが、そちらをどうかご容赦の上、御覧頂ければと思う。

会場内の目立つところに、人気ツールDaVinci Resolveの立て看板がドーンと

長時間のカメラ重量によるケガ防止をコンセプトに開発されたという、SteadyGum(注：ステディカムではなく、ステディガム)のブースにて。「従来型のカメラで起こりがちな、職業病の問題から貴方を守ります」　骨格モデルによるシュールなプレゼンテーションが笑える（笑）

Safari Technologiesのブースにて。最大で20K解像度の360度動画を撮影可能なSRE Array Car。レース映画のバーチャル・プロダクションやEnv動画素材の撮影などで効力を発揮するという。スタント・ドライバーの手配などもサービスに含まれているらしい。

映画作品ごとにカスタム仕様のカチンコをオーダーメイドしてくれるというEnglish Stixのブース。スタンダードなデザインだと$99ドルくらいからあるらしい。

ドライアイスによるスモークマシンの出展も。Antariのステージ用スモークマシン（↑）と、 Practical Magic & Innovations の小型スモークマシン（↓）

オープン・セットの至る所に、映画撮影で使用された名車の数々が展示してあるのも、「映画スタジオでの開催ならでは」の楽しさである。

ソニーのブースでは、デジタルシネマカメラ VENICE 3や BURANO の展示などに加え、映画撮影現場の実演デモなどが行われていた。

Blackmagic Designのブースにおける、DaVinci Resolve Studioのデモ。実際に操作しながら体感する参加者達。

数々の名作映画やテレビ・シリーズが実際に撮影された、由緒ある撮影ステージでの機器展は、独特の感慨がある。

REDと、モーションコントロール・カメラのMRMCのコラボ・ブースでは、REDを搭載したモーションコントロール・カメラによる撮影の実演が行われていた

ROE Creative Display とSISU Cinema Roboticsのブースにおける、LEDスクリーンとモーションコントロール・カメラ、そして可動式トゥクトゥクの組み合わせ＋参加者が「トゥクトゥクに乗る観光客役」で参加出来るバーチャル・プロダクション体感デモは、行列が出来る人気。

….以上、駆け足でご紹介したCine Gear Expo LA　2024のフォトレポートであるが、少しでも会場の熱気や楽しさが、皆様にお伝え出来れば幸いである。