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【Inter BEE CURATION】<視聴ジャーニー>は番組ジャンルで違う!?〜映像視聴の生活者研究シリーズ〜

渡辺 庸人 VRダイジェスト+

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※INTER BEE CURATIONは様々なメディアとの提携により、Inter BEEボードメンバーが注目すべき記事をセレクトして転載するものです。本記事は、ビデオリサーチ社の協力により「VRダイジェストプラス」から転載しています。

この記事はこんな方にオススメ!
✅映像コンテンツ視聴促進のための施策を検討している方
✅視聴者がどのように映像コンテンツを選び、楽しんでいるか興味がある方

要旨
ドラマとバラエティ/お笑いでは、番組ジャンル間で視聴ジャーニーに傾向差がみられ、総じて、ドラマは「情報検索」「話題や推奨」、バラエティ/お笑いは「SNSや動画サイトのフォローやチャンネル登録」に特徴がある。

番組ジャンルによる視聴ジャーニーの違いを探る

ひと研究所では、テレビ番組などの映像コンテンツの「視聴前」「視聴中」「視聴後」で起きる行動やリアクションである<視聴ジャーニー>が、コンテンツの"視聴体験満足度"を高めるという視点で、生活者研究を進めています。今回は、番組ジャンルの違いによる視聴者の行動やリアクションの違いについて検証した結果をご紹介します。

前回までの記事はこちら
"視聴体験満足度"が高まる生活者の<視聴ジャーニー>は何か?〜映像視聴の生活者研究シリーズ〜
"視聴体験満足度"は継続視聴やメディア評価につながる重要指標である〜映像視聴の生活者研究シリーズ〜

<視聴ジャーニー>について詳しくはこちら
映像コンテンツ戦国時代、視聴者の囲い込みには<視聴ジャーニー>活性化が効く〜映像視聴の生活者研究シリーズ〜

どんなジャンルの番組が印象に残っているのか?

ひと研究所による調査で回答が得られた延べ2424番組の"印象に残っている"番組(2023年放送のもの)について、番組のジャンルを集計した結果が図1です。最も多いのが「ドラマ」で37.0%、それに続いて「バラエティ/お笑い」が25.5%となっており、この2つのジャンルで過半数となっています。今回はこの主要な2つの番組ジャンルを比較していきます。
※調査概要は本稿末に記載

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【視聴前】ドラマの高い行動率、バラエティ/お笑いは「フォロー・チャンネル登録」がポイント

まず、視聴前の視聴ジャーニーの行動・リアクションの出現率を比較します。極端に傾向が異なるわけではありませんが、ドラマとバラエティ/お笑いではやや差がみられます。
ドラマとバラエティ/お笑いを比較して5pt以上スコアが違うところに注目すると、ドラマは「調べた・検索した」「家族や友人・知人などに視聴をすすめた」「録画・視聴予約、TVerのお気に入り登録」が高い傾向で、バラエティ/お笑いは「SNSや動画サイトのフォロー・チャンネル登録」が高い傾向となっています(図2)。

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総じて視聴前におけるドラマの行動率の高さが表れた結果ですが、SNSや動画サイトについては、バラエティ/お笑い番組の出演者(芸人など)や関連コンテンツへの期待からフォローやチャンネル登録が活発になっている可能性が考えられます。この点はジャンル間を考える上で重要なポイントになると思われます。

【視聴中】ドラマとバラエティ/お笑いのそれぞれの特徴が明確に

次に、視聴中の視聴ジャーニーの行動・リアクションの出現率を比較します。こちらも極端に傾向が異なるわけではありませんが、やはりドラマとバラエティ/お笑いではやや差がみられます(引き続き、5pt以上スコアが違うところに注目)。
ドラマは「調べた・検索した」「家族や友人・知人などと話題にしたり盛り上がった」「家族や友人・知人などに視聴をすすめた」「情報や宣伝・広告を意識」「録画・視聴予約、TVerのお気に入り登録」と高い傾向のものが多くみられます。その一方、バラエティ/お笑いでも特徴が表れており、視聴前と同様の「SNSや動画サイトのフォロー・チャンネル登録」に加えて、「ツッコミ・思わず反応」「声を出して笑う・涙を流す」といった"視聴中のリアクション"も高い傾向となっています(図3)。

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視聴している際のリアクション(ツッコんでしまう、笑ってしまう)はバラエティ/お笑い番組の視聴ジャーニーを考える上でも最も重要な要素であると言えるでしょう。また、全体的にドラマとバラエティ/お笑いのそれぞれの特徴が明確になっているのが視聴中の視聴ジャーニーです。

【視聴後】ドラマは「情報検索」「話題」、バラエティ/お笑いは「フォロー・チャンネル登録」

最後に、視聴後の視聴ジャーニーの行動・リアクションの出現率を比較します。視聴前、視聴中と同様に、似た傾向ですが、やはりドラマとバラエティ/お笑いでは若干ながら差がみられます(引き続き、5pt以上スコアが違うところに注目)。
ドラマは「調べた・検索した」「家族や友人・知人などと話題にしたり盛り上がった」が高い傾向で、バラエティ/お笑いは「SNSや動画サイトのフォロー・チャンネル登録」が高い傾向となっています(図4)。

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視聴前、視聴中と似た傾向の違いで特徴の差が表れていますが、全般的にはドラマとバラエティ/お笑いの差は大きくはない結果となっています。

ドラマとバラエティ/お笑い番組の視聴ジャーニー比較のまとめ

総じて、ドラマは「情報検索」「話題や推奨」、バラエティ/お笑いは「SNSや動画サイトのフォローやチャンネル登録」に特徴がある結果です。ドラマはストーリーや登場人物、あるいは原作など含めて、周辺情報を理解することがより楽しむための要素になると考えられ、検索行動が盛んであることが考えられます。また、内容について他の人と話題にしたり、他の人にすすめたりすること(今風に言う"布教")もドラマの楽しみ方の特徴と言えます。一方、バラエティ/お笑いでは、出演者のSNSをフォローしたり動画サイトのチャンネル登録をすることで、番組本編以外の"コンテンツ"も見ることにつながりやすいことが、ドラマよりも積極的に「フォローやチャンネル登録」が行われている理由ではないかと推察されます。コンテンツの特性が、視聴ジャーニーの違いを生むことが垣間見える結果でした。

このように、ドラマとバラエティ/お笑いを比較すると、視聴ジャーニーの行動やリアクションの起き方に、やや違いがあることが分かりました。具体的に視聴ジャーニーを盛り上げていくためには番組ジャンルを考慮した実態の把握や研究が欠かせません。ひと研究所では、この点も踏まえて、引き続き<視聴ジャーニー>に関する研究を随時発信していきます。

【関連記事】
<第2回 視聴ジャーニー調査(2024年実施) 結果>
"視聴体験満足度"が高まる生活者の<視聴ジャーニー>は何か?〜映像視聴の生活者研究シリーズ〜
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継続視聴に繋げるヒントを、"視聴体験満足度"が高い番組から学ぶ ー<視聴ジャーニー>3つの盛り上がりパターン ー 〜映像視聴の生活者研究シリーズ〜

<SNSの分析から視聴ジャーニーを探る研究>
テレビ番組の<視聴ジャーニー>をSNSから探る!~Buzz分析を活用した視聴者行動研究~

【調査データ概要】
ひと研究所 「第2回 視聴ジャーニー調査」
調査方法:インターネット調査
調査対象:日本全国の15~69歳(中学生は除く) かつ 2023年に放送されたテレビ番組で印象に残る番組がある。サンプル数:1611名(延べ回答2424番組)
 (住民基本台帳の構成比、スクリーニング調査の出現率に応じてウェイトバック集計を実施)
調査期間:2024年1月5日(金)~1月9日(火)
調査内容:2023年に放送されたテレビ番組の中から印象に残っている番組を最大2番組挙げてもらい(自由回答)、それぞれについて番組評価や視聴ジャーニーの実態を質問
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