Inter BEE 2023 幕張メッセ:11月15日(水)~17日(金) オンライン:12月15日(金)まで

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Special 2024.10.25 UP

【INTER BEE BORDERLESS】企画セッション「テレビにとってリテールメディアは敵か味方か?~テレビとの親和性を探る~」事前レポート

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左から深田航志氏、伊藤祐介氏、速水大剛氏

リテールメディアはマーケティングの中でもっともホットな話題で、市場としても急成長している。Amazonや楽天など巨大ECサイトそのものが販売に直結するメディアとしてパワーを高めているのと同時に、デジタルサイネージの進化で小売の場が有効なメディアとして浮上している。特に後者では、テレビCM市場に影響する可能性もあると同時に、連携することで相乗効果を得る期待もできる。このセッションでは、デジタルサイネージを駆使して斬新な動きを始めたリテールメディア運営企業と、小売店との連携に取り組んできたローカル局から登壇して議論してもらう。テレビ局はリテールメディアを味方につけられるのか、それにより何がもたらされるのか、エキサイティングな議論が期待できそうだ。その打ち合わせの様子をレポートする。
(コピーライター/メディアコンサルタント 境治)

デジタルサイネージで店頭をメディア化する企業と、店頭との連携に取り組んできたローカル局

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一人目のパネリストは、株式会社ゲート・ワン取締役COO・速水大剛氏だ。同社は1万店以上のファミリーマートに設置されたデジタルサイネージ「FamilyMartVision」の設置/営業/配信までを幅広く手掛けている。さらにオリジナル番組も制作しており、“お客さまのお買い物体験を楽しくする”ことを目的とした新しいメディアを開拓する会社だ。リテールメディアと聞くと、売場のPOPのように販売促進につながると捉えたくなる。だが意外なのは、FamilyMartVisionはむしろ広告宣伝としての役割を強調している点だ。これについて速水氏はこう語る。
「1万店舗に広がったことで、マスメディアのようなリーチを獲得できるタッチポイントになったと考えています。ファミリーマートの売上を上げるだけでなく、周辺の小売店舗でも売上が上がることを示すデータがあり、 ファミリーマート内限定の販促メディアではないことを認識してもらいたいと考えています。」

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北陸朝日放送株式会社で長年テレビコンテンツと店頭を連動させた販促企画に取り組んできたエリア・イノベーション推進局部長・伊藤祐介氏がもう一人のパネリスト。伊藤氏は、小売店舗に32型のテレビモニターを設置し、放送と店舗を連動させることで北陸朝日放送の広告価値を高めてきた。ローカル局だからこそ、エリアマーケティングのパートナーだとスポンサーに捉えてもらうことが必要だと伊藤氏は言う。
「スポンサーにアピールするにはデータが必要です。石川県だけではデータが足りないので、北陸へ、中部全体へと広域化させています。さらに、データ・コンテンツ・店頭をセットにしてスポンサーに価値を感じてもらいたいと考えています。」

急成長するリテールメディアを味方にテレビ局は何ができるか

このセッションはコーディネートした日本電気株式会社CIBUメディア統括部 MEグループ シニアプロフェッショナル・深田航志氏がモデレーターを務める。マーケティングの世界を俯瞰的に見つめてきた視点でディスカッションを進行する。
「日本のリテールメディア市場は3600億円あるそうです。ただ米国ではWalmartだけで同じ規模で、全体では8兆円あるそうなので、
日本の伸び代はまだまだ大きいですね。」
今後日本でも間違いなく急成長するリテールメディア。やはり気になるのが、テレビビジネスとの関連性だ。
「リテールメディアは短期的にPOSを上げる効果が注目されがちですが、ユーザー数を増やしカテゴリーを伸長させていくためには認知の獲得も非常に重要。 ファネルの入口に圧倒的な強みがあるテレビCMとの掛け合わせは非常に有効です。」
速水氏の話には、テレビとリテールメディアが協調できる大きなヒントがある。
伊藤氏も速水氏に呼応してこう言う。
「GRPだけではスポンサーからお金をいただきにくくなっています。視聴率で何位になったとアピールしても響きません。リテールメディアの話ができればテレビ局はエリアマーケティングができると捉えてもらえる。そういうことをスポンサーさんは望んでいると思います。」
小売店との連動にさまざまに取り組んできた伊藤氏の言葉には、説得力がある。
議論はこれにとどまらず多岐にふくらんだ。当日は打ち合わせ以上に盛り上がりそうだ。13日14:30からのこのセッション、興味が湧いた方はぜひ聴講予約をどうぞ。

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