Inter BEE 2023 幕張メッセ:11月15日(水)~17日(金) オンライン:12月15日(金)まで

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Special 2024.03.14 UP

【Inter BEE CURATION】60代の「LINE」利用率は10年で13倍に 「LINE」がコミュニケーションインフラに成長するまでを振り返る

青山 祐子 VRダイジェスト+

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※INTER BEE CURATIONは様々なメディアとの提携により、Inter BEEボードメンバーが注目すべき記事をセレクトして転載するものです。本記事は、ビデオリサーチ社の協力により「VRダイジェストプラス」から転載しています。

【この記事はこんな方にオススメ!】
✅高齢層のアプリ利用について収集している方
✅自社の商品/サービスをLINEの広告で宣伝しようと検討している方
✅LINEの利用率、普及状況について知りたい方

「LINE」はいつから国民的アプリとなったのか?

かつて、連絡手段は「電話」や「メール」が主でしたが、現在では私用においては「LINE」を利用する人が多いのではないでしょうか。プライベートな連絡先を交換するときに電話番号やメールアドレスを教えるという人は、若い世代においてはほとんどいないように思います。

今やコミュニケーションのメインツールとして使用されているLINEは、国民的アプリと言っても過言ではないほど社会全体に浸透しています。しかし、年代を問わず高齢層においても広く利用されるようになったのは、ここ数年の間のように感じます。そこで、ビデオリサーチの日本最大級のマーケティングデータ「ACR/ex」(※)でLINEの利用状況の変化を振り返ってみたいと思います。

※「ACR/ex(エーシーアール エクス)」は、2014年より毎年、主要7地区において10,700人に対し約15,000項目を調査しており、生活者を"意識"と"利用・購入者"の両側面で捉えた、日本最大級のマーケティングデータです。

【ACR/ex】詳細はこちら

「LINE」の認知率は20~60代で9割を超える

2011年からサービスが開始され、2024年で13年を迎えるLINE。サービス開始から約3年後の2014年の段階で、年代別にみると20~40代はすでに7~8割の人がサービス自体を認知していました。一方、60代においては認知率3割程度にとどまっており、若い世代とは大きな差があることが見受けられます。(図1)

2017年、2020年と認知率は右肩上がりに伸びていき、最新の2023年データをみると、男女10代を除く各年代で認知率は9割を超えています。2014年時点では3人に1人しかLINEを知らなかった60代も、世代がスライドしたことも後押しして、2023年は認知率92.2%と今やほとんどの人が認知している状態です。

このように、現在に至る10年の間で年代問わず広く認知されるようになり、多くの人にとって身近な国民的アプリに成長したと言えます。

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【図1】LINEの認知率推移

2014年5.8%だった60代の「LINE」利用率は、75.7%に成長

次に、LINEの利用状況(最近1か月の利用の割合)について確認してみましょう。(図2)

2014年では、最も利用されている20代においても51.5%、最も利用の少ない60代では10%に満たない利用率でした。そこからサービスの認知拡大とともに利用者も拡大し、2023年には10代を除くすべての層で利用率8割前後にまで増加しました。2014年で5.8%だった60代の利用率は、右肩上がりに伸び続けた結果、2023年は75.7%と13倍に増えています。

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【図2】LINEの利用率(最近1か月の利用) 推移

また、利用率を男女で比較してみると、ほとんどの年代において男性よりも女性によく利用されていることが分かります。3年ごとの変遷でもその傾向は変わらないことから、女性がコミュニケーションツールとしてLINEを積極的に活用していることがうかがえます。(図3)

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【図3】LINEの利用率(最近1か月の利用) 男女比較

10年前は60代の8割がLINEを「知ってはいるが利用しない」、現在は認知者の8割以上が利用

2023年には認知率も利用率もほぼすべての世代で8割を超え、「認知」と「利用」のスコア差が小さいLINEですが、はじめから多くの世代で、「知っていれば使われている」アプリだったのでしょうか。

今度は、LINEを知っている人(認知者)に絞ったうえで、その人たちの中での利用率の変化を確認してみます。(図4)

2014年は、10代・20代では認知者のうち6割以上の人が利用しており、若い世代では「知っている人の過半数が使っている」アプリでした。一方、60代は認知者のうち利用している人は16%程度と、年齢層の高い人ほど「知ってはいるが利用しない」人が多く、利用へのハードルが高かったことがうかがえます。

しかし、2023年には、60代においても認知者の8割以上が利用するまでに成長し、今ではあらゆる年代にとって主要なコミュニケーションインフラの一つとなったといえます。2020年以降のコロナ禍において、対面でのコミュニケーションが取れない際の代替手段として、オンラインのコミュニケーションツールが活躍しました。こういった社会状況も、LINEの普及をさらに後押ししたと考えられます。

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【図4】認知者におけるLINEの利用率

70代以上もLINEなどのデジタルツールを使いこなす時代に

このように、LINEは幅広い年代で現在に至るまで大きく利用率を伸ばしてきており、国民的コミュニケーションツールとして普及してきたことがわかりました。

そして今後、LINEに馴染み、日常的に利用している人たちが年を重ねていくことで、利用者層はこれまで以上に高齢層にも広がっていくでしょう。60代のスマートフォン所有率自体が、2014年から2023年にかけて、20.6%から95.8%と4倍以上に大きく伸びてきました(ACR/ex 7地区計)。このことも踏まえると、60代より上の70代以上も含め、LINEを使いこなす高齢層は今後も当然増えていき、LINEだけにとどまらず、自然とさまざまなアプリ・デジタルツールをさらに利用していくようになると考えられます。

今回は「ACR/ex」のデータから、コミュニケーションアプリ「LINE」の普及の変化を紹介しました。 ACR/exでは、アプリの利用動向や年代ごとのメディア利用の特性などをデータで明らかにすることが可能です。また、「ひと研究所」では、ACR/exをはじめとしたビデオリサーチの豊富なデータを用いて生活者の研究を進めています。

今回の記事のほかにも詳しいデータや分析等の事例もございますので、ご要望の方はお気軽にお問合せください。

【本記事で紹介したサービス】
・サービス名:ビデオリサーチ「ACR/ex
・調査時期:2014年~2023年/各年4~6月
・対象地区:7地区計(東京50Km圏+関西+名古屋+北部九州+札幌+仙台+広島)
・ターゲット:男女12~69才
・サンプル数:

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