【NEWS】オーストラリア人気ロックバンドのPV制作にBlackmagic Cinema Camera、Pocket Cinema Camera、Da Vinci Resolve 10を使用

　Blackmagic Designは12月17日、オーストラリアのオルタナティブ・ロックの人気バンド、スパイダーバイト(Spiderbait)の新しいミュージックビデオ「It’sBeautiful」の撮影に、Blackmagic Cinema Cameraが使用されたと発表した。
　監督はオーストラリア・メルボルンに拠点を置くディレクター、トビー・アングウィン(TobyAngwin)氏。撮影のBカメラにBlackmagic Pocket Cinema Camera、カラーグレーディングにはDa Vinci Resolve10が使用された。

■人気バンド Spiderbait、9年ぶり7枚目のアルバムを発表
　スパイダーバイトは、1989年に結成した。2004年に、30年代の歌手リード・ベリーの「BlackBetty」をカバーした同名の曲でオーストラリア・レコード・インダストリー・アソシエーションのシングルチャートの1位を獲得している。
　2013年に9年ぶりとなる7作目のアルバムを発表。 バンド名「SPIDERBAIT」がそのままアルバムタイトルとして使われており、バンドの歴史が詰め込まれつつも新しいサウンドへの挑戦がなされている。楽曲「It’s Bearutiful」は、そのアルバム中に収録されている。

■「パペットがメルボルンのダウンタウンを歩き回り、街の美しさを見いだしていく」
　監督のアングウィン氏は、ミュージックビデオ「It’s Beautiful」のねらいについて、次のように説明する。
　「メンバーが求めていたのは、楽曲にピュアなイメージを持たせ、卓越したサウンドを表現することでした。そこで私たちは、3体のパペット人形がメルボルンのダウンタウンを歩き周り、そこで見つけるあらゆる物に美しさを見いだしていく様子を映像で表現することにしました」
　また、アングウィン氏は「コンパクトなサイズ、RAW収録機能、13ストップのダイナミックレンジ、購入しやすい価格」という点で、当初から「このカメラに目をつけていた」という。また今回、Blackmagic Cinema Cameraを導入した理由について「パペット人形を使うのは初めてだったので、撮影にどれくらいの時間がかかるか予測できなかった」ため、「業者から借りるよりも購入する方が費用を抑えらた」と説明する。

■「広いダイナミックレンジが可能にしたロケ」
　メルボルンは、天候の予測が難しいため、撮影スケジュールを決めるのが大変だったという。アングウィン氏は、Blackmagic Cinema Cameraにより「天気が良くなった瞬間や、撮りたいと思った時にはいつでも撮影を行うことができた」と話す。「Blackmagic Cinema Cameraの柔軟性と手頃な価格のおかげで、カメラを購入し、かつプロジェクトを成功に導くことができました」（アングウィン氏）と評価する。
　収録中に天候（明るさ）が急激に変わることもあったことから、「 風が問題でない場合でも、絶えず変わり続ける光が悩みの種でした」と話し、「Blackmagic Cinema Cameraの広いダイナミックレンジとISO設定なしでは不可能」だったと振り返る。「Blackmagic Cinema Cameraのラティテュードと13ストップのおかげで、光の問題はポストプロダクションで簡単に調節できました。収録した映像は本当に素晴らしいもので、私はRAW収録機能を大変気に入っています」（アングウィン氏）
　「Blackmagic Cinema Cameraでさえ持ち込むのが困難な極めて狭い場所」で、低いアングルからパペットを撮影する場合、Blackmagic Pocket Cinema Cameraを使用したという。

■フィニッシングはDa Vinci Resolveで
　ポストプロダクション作業においては、Da Vinci Resolveのトラッキング機能とPower Windowを駆使してカラーグレーディングを実施。オンライン編集機能やOpen FXプラグインなどバージョン10の新しいツールを生かしたワークフローを構築した。Sapphireプラグインも他のステップを踏まずに処理ができたという。アングウィン氏は、「これらのフィニッシング・ツールはポストプロダクション作業において不可欠です」と話す。
　アングウィン氏は「完成した映像のクオリティーは、私が長年にわたって制作に携わってきた多くの国際的な長編映画と比べても、まったく引けをとりません」と胸を張る。