【NEWS】アドビシステムズ IBCでAdobeCreativeCloud、AdobeMarketingCloudの最新機能を発表 VRコンテンツ制作・管理機能強化やクラウドによる共同作業の利便性向上
2016.9.14 UP
IBC 2016のアドビブース
ブース内のポッドで各ツールの詳細をデモ
熱心に聞き入る来場者
セッションの登壇者にはVRのドキュメンタリーで注目を集めたDarren Emersonの名前も見られる
アドビシステムズは9月9日から13日までオランダで開催したIBC2016の自社ブースにおいて、「Adobe Creative Cloud」と「Adobe Marketing Cloud」に搭載する新機能を発表した。VRコンテンツ制作の機能強化やVRコンテンツ保護機能の付加など、VRコンテンツに関する機能をさらに加えたほか、FacebookなどSNSや動画共有サイトなどへの機能強化、3Dレンダリングエンジンの効率化、クラウドを用いた共同作業の利便性向上など、コンテンツ制作で求められるさまざまな強化がなされている。
■VRコンテンツ制作機能、保護機能を強化
「Premiere Pro CC」は、前回のアップデートで「VRワークフローのサポート」とし、VR用映像用の編集機能を提供している。
その中には、VR用に撮影した映像を通常のPC用ディスプレーで使用するPremire Pro CC編集画面上に表示し、360度パンする機能や、立体視VR用コンテンツのための機能、YouTubeやFacebookなどのVR用ウェブサイトに映像データを出力(パブリッシュ)する機能などがあった。
今回発表した次期リリースでは、上記の「Premire Pro CC」のVR機能を拡張し、入力したプロジェクトを自動でVR映像として認識し、立体視か平面視で正しく表示されるVR自動識別する機能を追加している。また、動画プレイヤー用のSDKである「Adobe Primetime」に、VRビデオの再生やVR対応の広告表示機能を付加。さらに、アドビが提供するVR専用のコンテンツ保護機能「Virtual Reality Digital Rights Management」(VRDRM)が付加されている。
■3Dレンダリングエンジンを強化
今回発表した次期リリースでは、このほか「3Dコンテンツ作成の高速化」をテーマに、効率性を高めた3Dレンダリングエンジンを紹介している。また、「MAXON」のCinerenderテクノロジーでは、テキストレイヤーやシェイプレイヤーなどの編集可能な3D要素を「After Effects CC」内から直感的に生成することができる。
このほか、ライブモーションキャプチャーツールであるCharacterAnimatorを使ったパペット作成とアニメーション化の使いやすさを向上。「Adobe Photoshop CC」と「Adobe Illustrator CC」間の「統合ラウンドトリップ機能」により、処理の高速化を実現している。
「After Effects」のビデオプレビューでのリアルタイム再生時、事前のキャッシュが必要がなくなり、未編集の映像をリアルタイムで再生できるようになった。また、GPU高速処理によって、コンポジションのレンダリングがさらに高速化しているという。
■HDRカラースペースメタデータも対応
「Premiere Pro CC」のLumetriカラーツールの改良により、新しいHDR対応TVやディスプレイ向けのHDR10を編集、配信するHDR10メタデータをサポート。カラースペースメタデータのサポートも拡張している。
このほか、ビデオの出力先として、YouTube、FacebookおよびTwitterに加え、Behanceにも対応する。
■Facebook自動再生を想定したキャプション機能の改善
「Premiere Pro CC」では、このほか、キャプション、字幕機能が改善された。作成したキャプションや字幕を、Facebookで無音自動再生される映像に加えたり、異なる言語圏向けのビデオ作成や、音声の聞き取りに困難が伴う方のアクセシビリティを改善きる。このほか、「Adobe Analytics」を用いることで、ビデオがどのように視聴されているかを包括的に確認できる。
■複数ツール間での複数プロジェクトの同時共同作業も可能に
コラボレーション機能「Team Projects」は、、複数のプロジェクトやツールをまたいで他のエディターやデザイナーと共同作業する際の課題解決機能を強化。
バージョン管理や競合解消など、深いレベルのコラボレーション機能を統合したことで、「Adobe Premiere Pro CC」、「After Effects CC」、「Adobe Prelude CC」内で、同時に共同作業ができる。「Team Projects」で用いられるデータはクラウドに安全に保管され、共同作業者間で参照されるメディアファイルには、ローカルに保存されるソースファイルまたは共有される軽量なプロキシが利用できる。
IBC 2016のアドビブース
ブース内のポッドで各ツールの詳細をデモ
熱心に聞き入る来場者
セッションの登壇者にはVRのドキュメンタリーで注目を集めたDarren Emersonの名前も見られる