【プロダクション】アクエリアム MA室を改修 高音質な2ch作成を実現

2012.2.24 UP

改修したMA室
(左から)和田氏、引間氏

(左から)和田氏、引間氏

アナウンスブースも拡張

アナウンスブースも拡張

■システム互換性確保と制作効率の向上、室内の快適さを目指して改修

 アクエリアム(東京都中央区)は2月1日、MA室を改修し営業を開始した。
 これまで約10年間使用してきたdSP社DAWのサポート終了に伴い、システムの互換性と制作効率の向上が求められ、また顧客が長時間の作業でも快適に過ごせるよう、室内のレイアウト変更が必要だったことから改修を行った。


■2ch音声制作にフォーカス

 同社サウンドエンジニアの引間保二氏は、新MA室の特徴を次のように説明する。
 「以前の5.1ch対応を、よりしっかりした2ch音声を作れる部屋に変更。プロモーション映像やVP制作の顧客が多く、関連会社に音楽レーベルを抱えるといった営業形態を考えると、よりメリットが大きいと判断した」(引間氏)
 このため、音声を取り込む際の品質向上を目指しアナログ部分の機器を拡充。真空管マイクを採用したほか、ヘッドアンプやイコライザーなどのアウトボードを一新した。オフィスビル特有の電源の汚れを解消するため、ノイズカットトランスも導入。「電源環境を飛躍的に見直すことができた」としている。


■Pro Tools、Nuleusなどを新たに導入

 使い勝手には、同氏がこれまで感じていた要素を取り入れ、効率と音質向上を目指した。
 DAWには、AVID製「Pro Tools」をメインと音響効果作成用のサブ2式を設置し、ミキサーと音効制作が並行作業できる。
 また長尺作品のセッションを開く時間を短縮したい場合は、音効セッションのトラックをインポートしデータを共有したり、ミックストラック作成時、内部バスでなく各機で再生/収録するなど、状況に応じた使い方ができる。
 コントローラーは、Solid State Logicの「Nucleus」に加え、8chのアナログ卓「x-Desk」を採用。マイクライン入力のほか、ナレーターに返す音のバランスを素早く調整する際に使用する。


■Video Satelliteによりワーク映像をHD品質で視聴

 さらにモニタリング環境として、AVID製「Video Satellite」によりワーク映像をHD解像度で視聴可能。監督とクライアントにも同じ映像を計3系統分配し、細かなチェックと意志の疎通を取りやすくした。
 モニタースピーカーは、ジェネレックの「1031A」とブルースカイのサブウーハーで低域をよりクリアに聞かせる。ニアフィールドはTAD製。
 アナウンスブースもナレーター2人での掛け合いを収録できるよう拡張した。プロツールスのプラグインには、Nugen製ラウドネスメーターやリバーブの除去、圧縮ファイルのマスタリング用などを搭載した。
 内装はソナ。システム設計はレアルソニードが担当した。


■「編集からMA、納品まで一貫作業が可能」

 和田竜也ゼネラルマネージャーは「当社はテープのダビング事業から開始。2010年にはリニア編集室をノンリニアに改修。DVDオーサリングも保有する。MA室の知名度が高いとは言えないかもしれないが、編集からMA、納品まで一貫して作業できることを伝えていきたい」と話している。

(左から)和田氏、引間氏

(左から)和田氏、引間氏

アナウンスブースも拡張

アナウンスブースも拡張

#interbee2019

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