【InterBEE 2012】ミハル通信 全国の放送局32局が導入の緊急バックアップ装置 エリア放送向けの利用が進む緊急バックアップ装置などを出展
2012.11.29 UP
放送局向け緊急バックアップ装置
ミハル通信は、放送局向け緊急バックアップ装置やエリア放送システムなど、放送のデジタル化によって得られた新たな機能を活用した最新の放送設備・装置を紹介する。中でも、放送局向け緊急バックアップ装置、エリア放送システムは、実際の放送局がどのようにして導入〜活用しているかを紹介する貴重な展示となる。
1.放送局向け緊急バックアップ装置
昨年から発売を開始後、昨年3月に大阪毎日放送が導入。現在、全国19局が導入。 2012年度中には13局が導入を予定している。1台でTSを発生できる点が大きな特徴。災害時にマスターが倒壊したり、電源トラブルなどでマスターが故障した場合のバックアップとしても使用できる。1台に12セグ用MPEG2エンコーダー、ワンセグ用H.264エンコーダー、TS多重装置、SI/EPG生成装置、OFDM変調装置など、TS発生に必要な機器がすべて内蔵している。
持ち運びが便利なため、放送局以外でTS発生が必要な場合、どこでも運用が可能。
2.エリア放送システム
エリア放送システムの専用機は現在開発中だが、2010年から各地のエリア放送の実証実験に、同社の緊急バックアップ装置が採用されている。今年8月には、福井テレビジョン放送のイベント中継用に用いられている。
さまざまな事業者向けに使いやすい機器を開発していくという。
3.見張るチャン
日本テレビ放送網と共同開発した「見張るチャン」は、地デジやエリア放送の受信調査や電波品質監視のための測定・監視装置。電波到来解析表示機能によって、放送局の特定が自動的にできる。パソコン上で電波状態の監視、特許出願をしている電波監視モードによって、SFN環境の送信電波を特定することができる。GPSで位置情報と関連づけた測定も可能。受信方位測定機能により、360度の電波到来解析表示が可能だ。
放送局向けの機能に加え、エリア放送申請のための調査、運用後の監視機器としても有効。
4.館内デジタル自主放送システム MRシリーズ
「MR3300X」は、1台で送信・受信に使えるIP機能付きOFDM変調器。マルチキャスト配信に対応するほか、ネットワーク効率の良いH.264圧縮にも対応。
「MR5000X」は、 客室の地デジテレビで HD/SD映像 、スカパー! プレミアムサービスの番組が視聴できるチューナー、OFDM変調器一体型だ。
MRシリーズは、2010年のInterBEEで初めて発表。以来、シリーズを充実させ、5つのラインナップが揃った。
など、伝送システムやコンテンツに応じた館内デジタ自主放送システムを紹介する。
5.デジタルCATV信号(64QAM/256QAM)IP伝送システム
IPネットワーク網を利用したデジタルCATV信号の伝送システム。IPネットワークで、
IP出力QAM復調ユニットとIP入力QAM変調ユニットで構成される。IP出力QAM復調ユニットは、復調したTS信号をRTP形式のIPパケットに重畳して出力する。そのIPパケットからTSを抜き出してQAM変調するのが、IP入力QAM変調ユニットだ。
マルチキャストで配信することによりN+複数予備の自動切り替えができる。
放送局向け緊急バックアップ装置