【Inter BEE 2013】 ピクチャーエレメント ラッシュ確認システムを披露 iPadとクラウドで制作支援
2013.12.5 UP
ピクチャーエレメント「PE RUSH!(ピー・ラッシュ)」の展示
ピクチャーエレメント 大屋氏
ピクチャーエレメント(東京都世田谷区)は、ドラマや映画の素材管理システム「PE RUSH!(ピー・ラッシュ)」を運用している。Inter BEE 2013のオートデスクブースで実演した。
同社は東京・成城の東宝スタジオ内に拠点を構え年間10-20作品の制作に参加。撮影データを預かり、初期段階から素材管理やルックマネジメントなどを行うのが特徴。クリエイターが直感的に扱える、システムにとらわれないワークフローを目指している。
ピー・ラッシュは撮影済み素材やVFX、編集などすべてのラッシュをiPadでチェックするシステム。ドイツのシネポストプロダクション社のツール「COPRA」をベースに表記や機能をカスタマイズし、既に7作品で使用している。
ユーザーは作品ごとにキッティング済みのiPadと同社が管理する「PEクラウド」を契約する。同社が関係しない作品はサーバーレンタルも可能。
大屋哲男テクニカルプロデューサーは同システムについて「カメラマンとカラリスト、VFX担当と監督などが同じ条件の画面を見て制作するためのコミュニケーションツール」と説明。
撮影素材は、オフライン編集用と別に、ルックマネジメントを施したピー・ラッシュ用のデータを同社が作成しクラウドに上げる。形式はH.264で解像度などをiPad環境向けに最適化しており、自社開発のアップローダーで変換効率を上げている。
注記モードで矢印や「OK」などのメモを手書きで書き込みスタッフ間で情報共有したり、メール添付で止めたコマを送信したりできる。アクセス権限は役割に応じて発行。画面比に応じたマスク表示や、素材検索を容易にするタグ付け機能のほか、最新版では簡易カラーコレクションを搭載する。台本などのPDFファイルも管理できる。
セキュリティーを重視し、万一紛失した場合は遠隔操作でロックし悪用を防ぐ。同社は、早稲田大学と東宝が共同運営する芸術科学センターを委託管理するなどオリジナルデータを扱う責任を重視し、「再撮影できる規模の保険をかけている」(同氏)ことも紹介した。
同社はまた、ブースにおいて、映画『清洲会議』のワークフローも紹介した。
ピクチャーエレメント「PE RUSH!(ピー・ラッシュ)」の展示
ピクチャーエレメント 大屋氏