【Inter BEE 2014】ATOMOS SHOGUN 製品バージョン出展 製品ラインアップをカメラと接続したハンズオンを実施 著名クリエーターによる使用レポート+ワークフローセミナーも開催
2014.10.21 UP
タッチパネル式のGUIも完成し、発売間近になったSHOGUN
SHOGUNの背面。右側のATOMOSのマークの部分がSSDドライブ部分。HDDのRAIDキャリーと切り替え可能
SHOGUNと同時発売予定のパワーステーション
SHOGUNにパワーステーションを装着した状態
■4K対応7型モニター一体型レコーダー ATOMOS SHOGUNを出展
ATOMOSは、11月19日から21日までの3日間、千葉幕張の幕張メッセで開催する、音と映像と通信のプロフェッショナル展「Inter BEE 2014」に出展し、自社ブース(ブース番号2117)で、同社のフィールドレコーダー製品を一堂に展示する。NABで発表となった4K対応7型モニター一体型レコーダー「ATOMOS SHOGUN」(上写真)の製品版も披露する。
ATOMOS JAPAN 社長の戒能正純氏は、Inter BEEのブースについて、次のように話す。
「ATOMOSブースは、これまで最大のスペースをとり、主に製品ラインアップを実際に試してもらえるエリアを充実させる予定です」という。ソニー、キヤノン、ニコン、パナソニック、RED、ARRI、Ikegamiなど、各社の最新カメラにATOMOS製品をセットし、ステージを囲んだスペースに配置して、来場者が体験できるようにする。
■4Kワークフローを紹介するセミナーも開催
ステージ上では、セミナー形式でATOMOSレコーダーを使用したクリエイターに登壇してもらい、作品上映や、撮影機材やポストプロなどのワークフロー・使用感を紹介する「ATOMOSワークフローセミナー」を予定している。「映像制作のヒントになるようなセミナーを開催予定です」(戒能氏)という。登壇者は近々発表予定だ。
■SHOGUN、11月出荷へ向けて準備中
出展製品の中でも注目は、今年4月のNABで発表された4K対応7型モニター一体型レコーダー「SHOGUN」だ。ようやく11月に発売・出荷となる模様で、日本でもすでにかなりオーダーを抱えているという。
開発の状況について戒能氏は「IBCのときはまだ映像が表示されるぐらいだったが、ユーザーインタフェースもできてきて、完成品に近づきつつある。開発も進んでいるが、11月発売になるので、Inter BEE開催の時期には市場に出回り始めるでしょう」という。
入力信号の選択、RECトリガーの切り替え(カメラ連動か手動)、記録フォーマット、ビデオアウトの変換(HDMI、SDI)といった操作は、すべて画面上のユーザーインタフェースをタッチパネルによる操作でできる。
記録方式は、2.5インチのSSDを搭載し、これにより4K収録に対応する。また、同梱のRAIDキャリーは、2台のHDDドライブを使い、RAIDコントローラーを内蔵。このRAIDコントローラーによって、HDDの記録速度を倍速化をすることで、4K収録を可能にする。CFastカードのアダプターも別売りで提供する予定。SHOGUNの価格は、税別で23万5000円。
■カメラへの電源供給も可能なパワーステーションも同時発売へ
電源供給のためのパワーステーションも同時発売となる。2つのバッテリーパックを
接続でき、USB接続により電源を供給できる。出力は最大5A。DC電源で充電ができ、
3つの電源アウトプットが可能。ソニー、キヤノン、ニコン、パナソニックの各カメラへの接続カプラーが同梱されているため、カメラへの電源供給もできる。
2個のバッテリーは、1個ずつ作動していくため、1個目のバッテリーが切れて、2個目のバッテリーを使用している間に1個目を交換すれば、電源供給を中止することなく、連続使用が可能だ。価格は税込みで37,500円。
【ATOMOS SHOGUNについて】
ATOMOS SHOGUNは、4K対応の7型モニター一体型レコーダー。4K/30pのシネマDNG RAW、ProRes4K、DNxHD(4:2:2、10ビット)のファイルベース収録に対応している。4K(3840×2160ピクセル)、30p、25p、24p収録が可能。フルHDで最大120フレーム/秒の高速記録ができる。カメラ出力から直接、HDMI1.4bもしくは、12G-SDI入力に接続し、記録できる。12G-SDIによって、イン、アウト、それぞれ1本のケーブルで4Kの入力、出力が可能だ。これによって、HDMI信号とSDI信号を変換する、コンバーター的な使い方もできる。
2.5型SATA HDDを2台搭載できるRAIDキャディーとSSDを1台搭載できるマスターキャディーが同梱される。RAIDキャディーは、RAIDコントローラーを搭載。倍速化を計り、4K ProRes記録を実現するアクセサリーも同梱する予定。
また、別売りのCFastアダプターによって、CFastカードへの記録も可能。
ProRes HQで4K/30p収録(880Mbps)をすると、1時間で約400ギガバイト、
2テラバイトで約5時間収録できる。SDI/HDMI経由でカメラのタイムコードに同期する。レックラン、フリーランなどカメラ側が対応しているタイムコードで収録できる。
また、SHOGUN側で現在の時刻を設定し、独立したタイムコードを設定することも可能だ。
モニターは、ジャパンディスプレイ製のフルHD対応S-IPS液晶(1920×1080ピクセル)を搭載。画面上のアイコン表示で収録・再生・メニュー表示を設定できるほか、波形モニターやその他のモニターアシスト機能を呼び出すことができる。収録時のフォーマット、画質、残り時間、バッテリー状況、さらに波形モニター(波形モニターは、Y/C波形、RGBパレード、ベクタースコープなど)も同時に表示できる。
3D LUTを採用し、標準的なLUTに加え、独自のLUTも登録できる。
また、モニター・キャリブレーションのためのオプション「ATOMOS SPYDER」で、
D65(6500K)のホワイトポイントや、SMPTE Rec.709に調整。キヤノンlogの映像をRec.709にマッピング表示して確認することも可能だ。
ATOMOS SPYDERは、モニター・キャリブレーションの開発を手掛けるスパイダー社との提携によって製品化されたキャリブレーション装置。
マルチカメラ撮影時などで便利な、ワイヤレスリモートコントロール機能を搭載しており、将来アクセサリとして販売するコントローラーでの遠隔操作に対応予定。
タッチパネル式のGUIも完成し、発売間近になったSHOGUN
SHOGUNの背面。右側のATOMOSのマークの部分がSSDドライブ部分。HDDのRAIDキャリーと切り替え可能
SHOGUNと同時発売予定のパワーステーション
SHOGUNにパワーステーションを装着した状態