【NEWS】FAA、映像制作6社にドローン使用を限定解禁 「昼間」「目視での操作」「セット内での使用」で例外適用

2014.10.1 UP

 米連邦航空局(FAA)は、9月25日、映像制作向けにドローン(無人航空機)利用を申請していた6社に対して「規定の例外を適用する」と発表した。MPAA(Motion Picture Association of America:アメリカ映画協会)による調整のもと空撮専門企業(Astraeus Aerial, Aerial MOB, LLC, HeliVideo Productions, LLC, Pictorvision Inc., RC Pro Productions Consulting, LLC, Snaproll Media, LLC)が5月に規定の例外適用を申請していた。(上写真はHeliVideo社のサイト。FAAの例外適用をアピールしている)

 今回、条件付で認められ、申請各社は耐空証明を取得していないドローンを使用できる。
 運用にあたって課せられた条件は、
・操縦者は操縦士資格(最低限自家用操縦士資格)を持つ
・操縦者は、第3級以上の航空医学診断に合格する
・ドローンは、目視範囲内で操縦する(カメラ映像で操縦しない)
・セットの中の安全な場所で運用する
・飛行前に毎回点検を行う
・夜間は運用しない
・除外/認可証明(COAs)に定める条件を遵守する
といったものである。
 連邦航空法では、有人無人に限らず航空機を商業利用する場合、耐空証明を取得した機体を用いることが求められている。耐空証明とは、設計、製造のプロセスを審査の上に機種に対して発行される型式証明を得た航空機が、飛行可能状態にある事を一機ごとに証明する証明書である。機体に対して発行される耐空証明の取得の前提に、機種に対して発行される型式証明の取得がある。ただし、耐空証明の必要性については適用除外規定もありMPAAはこれを利用して申請した。FAAは、無許可飛行には厳格に対応するが、適用除外申請に対しては迅速に審査することを約束しており、今回の場合申請から120日で結果が出た。今回は、2012年の新法にある「低リスク利用」の範疇で審査された。
 ただし、米Aviation Week and Space Technology誌が9月25日にFAAに取材したところでは、「(飛行がセット内のような限られた場所とはならない)ニュース取材や、結婚式や不動産の空撮を低リスクとみなす準備はできていない」との返答を得ており、飛行可能な場所は管理されたセット内の一部、となる。また、許可されているのはこの6社のみであり、誰でもドローンで空撮が行える訳ではない。なお、FAAによると、6月に申請したFlying-Cam社の申請書は現在も検討中で、同社と情報交換が続いているとしている。
 FAAは、各種業界団体にドローンによる空撮を希望する加盟社とともに安全マニュアルや標準運用規定の設定を勧めており、これらがあればMPAA同様の申請を行う際に事態を容易にするとしている。9月25日時点で、商業利用に向けて40件の除外適用申請がなされている。

#interbee2019

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