【プロダクション】映広 RAW制作を拡大 撮影から仕上げまで一貫作業
2012.10.22 UP
(左から)伊藤氏、宮下氏、加藤氏、吉田氏、小野寺氏
エピック3式を保有することになった
映広(東京都千代田区)はRawesome!事業部を新設。レッドデジタルシネマ社製カメラおよびRAWファイルに関する技術とノウハウを基に、映画やドラマの撮影から仕上げまで同社内で一貫制作する。
同社は11年11月、伊藤格氏が主宰するRawesome!と提携し、前身となるRAWメディア事業部を立ち上げた。
当時は、カメラやカラーグレーディング機器を設置する中目黒のRawesome!スタジオと、紀尾井町の映広スタジオの2カ所で営業。約1年を経て、作業体制の効率化および双方事業への相乗効果を求め、映広に設備とスタッフを集約。事業部として拡大した。
機材は、カメラがエピック3台とレッド・ワンMX2台、レッド・ワン1台、付帯アクセサリー、ダビンチリゾルブ1式とSANネットワーク。
事業部の柱は従来同様、㈰機材コーディネートやDITスタッフ手配、仕上げまでのオールプロダクション事業㈪機材レンタル㈫レッドカメラを使った安全で効率良いワークフローのワークショップ開催㈬システムインテグレーションとなる。
提携の契機は、深夜帯の連続ドラマ制作だという。テクニカルディレクターに就いた伊藤氏は「スケジュールがタイトなため、より効率良い体制が必要になった。チーム化により、カラーグレーディングなど自分が担当してきた作業も円滑に進行できるほか、技術を若手に伝えられる。自身が制作するCMやPVを映広につなげることもできる」と説明する。
また映広にとっても、レッド製品を使った業務の質で他社と差異化できるほか、レッド以外の業務でも生かせる小型で足回りの良いシステムのノウハウを得られる利点があった。
第1弾として、アビッドDS編集室に、アドビシステムズ「プロダクションプレミアムCS6」などを設置しSANに接続。連続ドラマ制作ではプレミアプロでレッドのファイルを直接取り込んだり、ダイナミックリンク機能でソフト間を移動するなど活用する。
エディター兼システム管理の小野寺拓也氏は「共有ストレージを生かしオンライン編集で使用していきたい」と話す。ノンリニアエディターの宮下蔵氏も「(規模感など)違いに驚く面はあるが、テレビの仕事は速度と質が伴えば、顧客はソフトの名前にこだわらない」と話す。
カメラマンの加藤智則氏は、技術に明るい営業として、機材管理から既存業務でのレッドの活用提案まで幅広く担当する。
(映像新聞 吉野和美)
(左から)伊藤氏、宮下氏、加藤氏、吉田氏、小野寺氏
エピック3式を保有することになった