【コラム】今年のNABで見落としてはいけない重要なこと。それはAll-IP化 「2020年、すべての放送機器はクラウド上に」

2015.4.18 UP

ImagineのSDNのデモ

ImagineのSDNのデモ

IP機器は展示会でも背面を見せる。ケーブルの違いが一目瞭然だ

IP機器は展示会でも背面を見せる。ケーブルの違いが一目瞭然だ

機器設定はモニター上でバーチャルに行う

機器設定はモニター上でバーチャルに行う

Grass Valleyはほとんどの機器がIP対応

Grass Valleyはほとんどの機器がIP対応

 4Kやドローンばかりに目が行きがちなNAB2015において、密かに進行していたのが放送のEnd to EndのIP化である。日本のメーカーはソニーがIPライブプロダクションの展示を行ったくらいであるのに対して、Everts Microsystems、Imagine、Grass Valleyなどの国外メーカーは非常に積極的にALL-IP化を提唱しているのとは対照的だ。(デジタルメディアコンサルタント 江口靖二)


■「2020年、放送機器がすべてクラウド上に」
 IP化されたデータはSDN(Software Defined Networking)によりネットワーク制御される。IP化のメリットは低コストで自動化しやすく、4Kやそれ以上、あるいは今度登場するであろういかなるフォーマットやサービスに対しても、IPであれば共通に扱うことができる。何といってもケーブル一本で全ての機器が接続できる。2020年まで、放送局には放送機器は一台も存在せず、全てがクラウド上に収容される、と語っていたのはFOXの技術担当副社長のトーマス エドワード氏だ。

■通信機器は"専門外"?
 日本においては放送のIP化はまだまだ先の話、というよりは禁句に近い。理由は簡単で、ベースバンド系の放送技術者にとっては、手にとって触れない、バーチャルな放送システムというのは許容し難く、技術的にも自分たちの専門外になるからだ。この拒否反応度合いはアナログからデジタルの時よりも激しい。

 もちろん2020年までには、というのは極端な話だろうが、NABの会場ではこうしたことが粛々と進行していることを、すべての放送、映像関係者は見逃してはならない。

ImagineのSDNのデモ

ImagineのSDNのデモ

IP機器は展示会でも背面を見せる。ケーブルの違いが一目瞭然だ

IP機器は展示会でも背面を見せる。ケーブルの違いが一目瞭然だ

機器設定はモニター上でバーチャルに行う

機器設定はモニター上でバーチャルに行う

Grass Valleyはほとんどの機器がIP対応

Grass Valleyはほとんどの機器がIP対応

#interbee2019

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