【Inter BEE 2014 TV】シバソク　スカパーJSATに採用された4K用テスト信号発生器「TG4000」などを出展　実績をアピールし、4K放送の進化に貢献へ

　シバソク（ブース番号：3503）はグループのアサカと共同で、本格化する4K時代を見据えた最新製品を数多く展示している。中心となるのは、4Kテストシグナルジェネレータ「TG4000」やシンクジェネレータ「TS800A」、アサカの4K VANCインサーター／デコーダー「DU-480」など。

■スカパーJSATの4Kマスター機器や内視鏡機器の開発に使われている「TG4000」
　TG4000は3840×2160pixel、4096×2160pixelに対応した4K信号発生器。23.98/24/25/29.97/50/59.94Hzのフルフレームレートに対応する。4系統の4Kテスト信号を同時出力でき、それぞれの出力位相を独立して可変させることも可能だ。縦、横、斜め方向に任意の速度で映像スクロールできる。また4Kおよび3D評価画像を新たに13パターン搭載し、研究開発向けからスタジオ設備、医療分野まで幅広く利用できる環境を整えた。
　実際、放送局以外では医療機器メーカーからの引き合いが多く、ある医療機器メーカーの内視鏡機器の開発において、検査用の基準信号装置として使われているという。
　DU-480は4K映像信号の放送局間制御信号をインサート／デコードできるのが特徴。放送局間制御信号は現在規格化されていないため、HDTVのARIB STD-B39をベースにした独自規格になっている。映像信号入力は3G-SDI×4の1系統、出力は1系統2分配。インサート／デコードの動作モードは内部スイッチにより切り換えが可能だ。
　このTG4000とDU-480はスカパーJSATの4Kマスター機器として既に導入・運用され、試験放送に使われている。来年3月に開局する、有料チャンネルとしては世界初となる4K専門チャンネルにも利用される予定。ブースではこの実績をアピールし、実機の操作性などを確認できるようにしている。

■放送向け映像ファイルの2倍速変換を実現する「VCX1」
　そのほかの注目製品としてはシンクジェネレータの「TS800A」が挙げられる。これは3G-SDI/HD-SDI/SD-SDI出力に加え、オプションで4K出力にも対応する同期信号発生器。同期信号は各系統独立して位相可変が可能。1筺体でSG1、SG2、チェンジオーバー構成を実現できる。ケーブルの着脱なしでユニット交換が可能なため、メンテナンス性も高い。
　ファイルベース・スタンダード・コンバータ「VCX1」は、放送向け映像ファイルの2倍速変換を実現する。独自の高精度動き補償技術により、ジャーキネスを低減。異なるフレームレートでも高速・高画質変換が可能だ。ファイル形式はAVC intra-100、50 OP-Atom、XDCAM、MPEG、HD422、OP-1aなどに対応する。追っ掛け再生機能（XDCAM、MPEG、HD422時）により、変換途中の映像でも確認できる。また自動運転機能により、複数の方式変換を順次自動で実行可能。優先順位変更や割り込みにも対応する。

■アップコンバートに対応した「VB4000」のほか、4K信号の簡易検査に最適な変換装置も参考出展
　4K HDMIコンバーター「VB4000」は3G-SDIおよびHD-SDIの4K信号をHDMI2.0の4K信号へ変換する。また1920×1080pのSDI信号およびHDMI1.4の1920×1080p信号を4KにスケールアップしてHDMI2.0に変換することもできる。4K/60Hz、6Gbpsの伝送が可能。コンテンツ保護規格のHDCP2.2に対応している。家電メーカーが開発製品の評価用機器として興味を示しているという。
　同じく家電メーカーの関心が高いのが、参考出展している「HDMI1.4⇒HDMI2.0変換装置」。高画質解像度でアップスケーリングできるのが特徴。1920×1080p信号で手軽に4K/2K信号に変換できる。HDMI2.0の接続テストなど簡易な検査用機器としてニーズが高いという。出荷は2015年2月の予定。

【シバソク】
埼玉県所沢市若松町848
URL：http://www.shibasoku.co.jp/
Inter BEE ブース：映像・放送関連機材部門 /ホール3 /3503