【NEWS】キヤノン　動画撮影専用35mmCMOSセンサーを開発　三日月の明かり程度で鮮明な動画撮影が可能に

　キヤノンは3月4日、動画撮影専用の35mmフルサイズ高感度CMOSセンサーを開発し、同センサー搭載カメラによる撮影に成功したと発表した。
　フルHD動画撮影専用の高感度35mmフルサイズのCMOSセンサー。画素の大きさは一辺19マイクロメートルで、同社のEOS -1D Xなどに使用されているCMOSセンサーの7.5倍以上の面積になる。 撮像素子は、キヤノンのEFレンズで撮影できる最大のイメージサークルに対応。アスペクト比は16：9。 画素部、読み出し回路には、画素が大型化すると増える傾向のあるノイズを低減するための新技術を搭載。
　これらの技術によって、肉眼では認識が困難な、三日月の明かり程度（0.03lux程度）の低照度な環境でも鮮明な動画撮影が可能になるという。肉眼での認識レベルに近い、 夜間監視、天体・夜間自然撮影などで使用される「電子増倍型CCD」では、 天体は6等星程度が撮影できる。これに対し、今回開発したCMOSセンサーでは8.5等星以上の暗い星の撮影が可能。
　このCMOSセンサーを搭載したカメラの試作機を用い、線香の光以外には光源のない室内の様子（0.05～0.01lux程度）や、ふたご座流星群など、さまざまな場面での試験撮影に成功した。試験撮影に際しては、ゼロ（ZERO Corporation）の協力を得ている。
　今後、キヤノンはこの技術を、天体・自然観測や医療研究などで活用、監視・防犯機器などへの応用を検討するとともに、より革新的なCMOSセンサーの開発を進めていく。
　今回開発した35mmフルサイズCMOSセンサーを搭載したカメラの試作機と実際に撮影した動画を、「第21回セキュリティ・安全管理総合展 SECURITY SHOW 2013」（3月5日（火）〜8日（金）、東京ビッグサイト）のキヤノンマーケティングジャパンのブースで参考展示する。