【NAB Show 2012】東芝インターナショナル クロマ3D方式による立体LEDディスプレイ
2012.4.23 UP
■琥珀色成分で立体認識 低コストで輝度の減衰が少ない点が特徴
東芝インターナショナル米国社はクロマ3D方式を利用した立体LEDディスプレイの展示を行った。
クロマ3Dとは、LEDに出力する映像を、アンバー(琥珀色)の色成分にのみ距離によるズレを書き込んでおき、メガネの右レンズにはアンバーに対して透過率の低いレンズを入れ、左レンズにはアンバーだけが透過するレンズを使用したものとなる。これを人間が見た時に画素中のアンバー成分を使って頭の中で立体認識が行われる。
従来の方式と異なり、メガネは単なる色付きサングラスに相当するレンズが使われるためコストが低く抑えられ(US2〜3ドル程度)、かつ輝度が大きく減衰しない、という特徴がある。
また、パブリックビューイングやサイネージなどでの視聴に際して、専用メガネを付けなくとも二重画像が見えず、ほぼ普通の2D画像が見られるという利点もある。
同社によれば本製品はすでに完成段階にありプロダクトマネージャのナカガワ・ヒデキ氏は「すぐにでも受注を進めたい」意向であるとしている。値段は同ディスプレイ用に既存3D画像を変換する機能も含め、従来のLED画素ディスプレイより2割ほど高くなっている。
映像の変換はリアルタイムで稼働するため、「大型サイネージ、パブリックビューイング、スポーツ競技場での観戦、コンサートでのバックスクリーンなどに使いたい」(ナカガワ氏)としている。