【Inter BEE 2017】東レプラスチック精工がCFRTP素材のスピーカーカバーを出展、軽量、防錆に加えて音質向上効果も

2017.10.31 UP

スピーカーカバーの違いで音質が変化する。左がステンレス、右がトップファインCF

スピーカーカバーの違いで音質が変化する。左がステンレス、右がトップファインCF

シート状のトップファインCFに穴を空けたパンチング材

シート状のトップファインCFに穴を空けたパンチング材

スピーカーカバーの形状に合わせたプレス加工も可能

スピーカーカバーの形状に合わせたプレス加工も可能

パンチングの形状をデザインしたり、メッキ加工したりして用途に応じることもできる

パンチングの形状をデザインしたり、メッキ加工したりして用途に応じることもできる

 東レプラスチック精工は11月15日から17日まで幕張メッセで開催するInter BEE 2017に出展し、同社が開発した炭素繊維素材「トップファインCF」を利用したスピーカーカバーを展示する。
(Inter BEE 2017は入場無料。下記サイトで事前登録を受け付け中)

■サビに強く軽量、丈夫な素材としてスピーカーカバー分野に展開
 東レプラスチック精工は、東レのプラスチック・樹脂部門の子会社で、プラスチック成形製品の製造・販売などを行う。プラスチック成形の「射出成形」「押出成形」「コンパウンド」の3分野を柱に事業を展開している中で、新規事業としてカーボンファイバー(炭素繊維)を含む熱可塑CFRP(CFRTP)素材の開発、提供に乗り出している。同社が開発したCFRTP素材は「トップファインCF」の名称で商品化され、利用が始まっている。
 トップファインCFには、軽く衝撃に強く、錆びないといった特徴がある。これらの特徴を生かして、金属を代替する用途での普及を図る。特に、シート状のトップファインCFに細かく穴を空けるパンチング加工をしたパンチング材は、ステンレスなど金属のパンチング材に置き換わる需要が見込める。その1つの用途として、屋外向けのスピーカーカバーがあり、すでに利用実績がある。
「沿岸部の屋外では、金属製のスピーカーカバーは錆びてしまい、短期間でカバーを交換する必要があります。トップファインCFのパンチング材は、初期コストは金属よりも割高になりますが、錆びずに交換不要で使えるため中長期的にはコスト効果が得られます。比重がステンレスの約6分の1と軽いことから、施行施工のスピードアップやコストダウンが見込めるほか、台風などの影響でカバーが外れたときの影響も少なくて済みます」(東レプラスチック精工 新事業開拓室室長の冨岡和彦氏)。スピーカーカバーとして複合的な効果が得られる素材なのである。

■振動減衰性が高いことから音響特性に優れる
 今回のInter BEE 2017に初出展する同社は、このトップファインCFを利用したスピーカーカバーを展示する。実は、トップファインCFがスピーカーカバーとして音響特性に優れることが分かってきた。冨岡氏は、「実際にトップファインCFのカバーを利用している顧客から、ステンレス製のカバーを使っているスピーカーよりも音がいいと言われたことがきっかけです」と振り返る。軽量で錆びないといった特徴に加えて「音質向上」の効果も提供できる素材として、トップファインCFを広くアピールするための出展である。
実際にステンレスのスピーカーカバーだとシャカシャカした「メタル音」を感じるのに対して、スピーカーカバーをトップファインCFに変えるとシャカシャカせずに低音から高温までバランス良く響くことが確認できた。同社では、トップファインCFはステンレスに比べて、内部損失が約5倍も大きく、振動が速やかに減衰することが、音響的な効果につながっていると分析している。
 Inter BEE 2017の同社のブースでは、トップファインCFとステンレスのパンチング材をカバーに使ったスピーカーによる音質の聴き比べが実際に体験できる。トップファインCFのパンチング材をプレス加工することで、さまざまな形状の製品に適用できることも示す。「映像、音響のプロが集まるInter BEEで、来場者にトップファインCFの特徴を知ってもらって、新しい使い道を広げていきたいと思います」(冨岡氏)。音響分野とは異なるプラスチック成形の企業が開発した、新しい素材の音への効果をブースで体験してほしい。


東レプラスチック精工(株)
本社住所
〒103-0021 東京都中央区日本橋本石町4丁目6番7号 日本橋日銀通りビル3階
URL
http:// http://www.toplaseiko.com/
出展部門 /ホール / 小間番号
プロオーディオ部門 /ホール1 /2101

スピーカーカバーの違いで音質が変化する。左がステンレス、右がトップファインCF

スピーカーカバーの違いで音質が変化する。左がステンレス、右がトップファインCF

シート状のトップファインCFに穴を空けたパンチング材

シート状のトップファインCFに穴を空けたパンチング材

スピーカーカバーの形状に合わせたプレス加工も可能

スピーカーカバーの形状に合わせたプレス加工も可能

パンチングの形状をデザインしたり、メッキ加工したりして用途に応じることもできる

パンチングの形状をデザインしたり、メッキ加工したりして用途に応じることもできる

#interbee2019

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