【Inter BEE 2015】ソニー HDR映像制作の動向やワークフローを機器・事例を交えて解説する特設セミナーを開催

2015.11.16 UP

HDR映像(左)と既存のSDR(右)映像の違い

HDR映像(左)と既存のSDR(右)映像の違い

F65RS(左)、PMW-F55(右)

F65RS(左)、PMW-F55(右)

30型4K有機ELマスターモニター BVM-X300

30型4K有機ELマスターモニター BVM-X300

HDR対応BRAVIA

HDR対応BRAVIA

 ソニービジネスソリューションは、千葉・幕張メッセで11月18日(水)から20日(金)までの3日間にわたって開催されるInter BEE 2015と併催するイベントとして、「HDRテクニカルセミナー」を開催する。ソニーグループによるHDR映像の魅力や対応機器の紹介から、HDRコンテンツの制作に関わっている企業によるHDR制作現場の最新事例の紹介まで、幅広い内容を用意した。

■肉眼で見たように表現できるHDRの魅力を伝える
HDRは、表現できる明るさの範囲である輝度を従来よりも格段に広げることで、より肉眼で見た映像に近い表現ができるようにする技術として注目されている。画質を決めるファクターには「解像度」「量子化ビット数」「フレームレート」といった画面の精細さに関わるものと、「色域」「輝度」といった表現力に関わるものがある。HDRは表現力を高めるファクターの1つである輝度の対応範囲を広げ、輝く光から暗い闇までより高い表現力で再現できるようにする。
「HDRは、これまでカメラが捉えていた輝度情報を圧縮したり欠落させたりすることなく再生できるようにする技術で、ソニーでは長年研究を続けてきた。次世代放送の規格ITU-R BT.2020の広い色域や4K/8K解像度と併せてHDRを利用することで、宝石の輝きや自動車の塗装の深みなどをリアルに再現できる」(ソニービジネスソリューション 経営・VC部門 マーケティング部MK2課統括課長の粕谷治彦氏)。一方で、HDRは目にして体験しないとその魅力がわかりにくいこともあり、Inter BEEに合わせてセミナーを開催して広くHDRの本質を伝えることにした。
HDRは、放送での利用が検討されているほか、パッケージメディアでの利用や、様々な映像コンテンツの配信/再生における利用が可能だ。HDRテクニカルセミナーは「放送に関わっている人はもちろん、映像プロダクションや広告代理店など幅広い人を対象にしている。ショールームや展示会、博物館などでの利用や、パブリックビューイングへの適用など、HDRの新しい用途の提案につなげてもらいたい」(粕谷氏)。

■3つの講演でHDRの全体像をレクチャー
 HDRテクニカルセミナーは、10月18日から20日のInter BEE会期中に、国際会議場201会議室において3日連続で開催される。講演は3種類用意し、1日に2種類の講演を行う(詳細は出展者情報:ソニー(株)/ソニービジネスソリューション(株))。
 講演の1つ目は、「ソニーの目指すHDRの世界」。ソニーグループの専門家によるHDR技術の概要や動向の紹介、HDR制作のワークフローの説明に加えて、HDRの出力デバイスとして欠かせない「テレビ受像機」を開発する側からのHDR技術への取り組みも紹介する。粕谷氏は「今後HDRに取り組もうとする多くの人に、概要説明として聞いてもらいたい内容」と語る。
 2つ目は、4K HDRのコンテンツを実際に制作したIMAGICAの担当者を迎えた「HDR制作の検討ポイントと実例ワークフロー」。HDRによるデモ映像「Fall into the Real」を撮影したディレクター、グレーディングしたカラーリストが登壇し、デモンストレーションを交えて制作現場の取り組みを解説する。「本格的にHDR制作に取り組もうとするプロダクションなどを主なターゲットにしている」(粕谷氏)。
 3つ目は、HDRの映像制作に取り組んでいるスカパーJSATの担当者による「HDRの魅力とライブにおける制作事例」。日陰の暗部から日当りの良い部分まで黒つぶれや白飛びを起こさず表現できるHDRがスポーツや音楽などのライブ放送に好適であるといった、HDRの魅力を放送事業者の視点から説明する。「放送や制作に関わる人、中でもライブ中継に関わる人を主なターゲットとしている」(粕谷氏)。
 各回とも190人という定員はあるが、事前申し込みなどは不要で無料で参加できる。「HDRに興味がある人に幅広く来場してほしい」というスタンスで、今後のコンテンツ作成の方向性を示すHDRの現在と今後を知る絶好のチャンスだと言える。

<画像解説>
【HDR映像とSDI映像の違い】
HDR映像(左)と既存のSDR(右)映像の違い。HDRではダイナミックレンジが広く取れることで、富士山にかかる雲の濃淡や自動車のボディーの輝きなどが、肉眼で見たように再現されていることがわかる

【F65RS(左)、PMW-F55(右)】
ソニー製F65RS(左)、PMW-F55(右)は、HDRの4K撮影に対応している。改めてHDR対応の機材を用意せずに、既存機器でHDR対応が可能だ

【BVM-X300】
30型4K有機ELマスターモニターのBVM-X300は、ハイダイナミックレンジ(HDR)表示機能を備え、HDRコンテンツの制作現場に対応する

【HDR対応BRAVIA】
HDRの実用化には、映像の出口となる民生用のテレビ側の対応も求められる。セミナーではBRAVIAのHDR対応など、テレビ開発の観点からの解説もある


■ソニービジネスソリューション
本社住所:〒108-0075 東京都港区港南1-7-1
URL:http://www.sonybsc.com/
出展部門/ホール:映像・放送関連機材部門 /ホール4 /4414
セミナー会場:国際会議場201会議室

HDR映像(左)と既存のSDR(右)映像の違い

HDR映像(左)と既存のSDR(右)映像の違い

F65RS(左)、PMW-F55(右)

F65RS(左)、PMW-F55(右)

30型4K有機ELマスターモニター BVM-X300

30型4K有機ELマスターモニター BVM-X300

HDR対応BRAVIA

HDR対応BRAVIA

#interbee2019

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