【InterBEE 2012】アストロデザイン 　4Kワークフローをカバーするアストロデザインの製品群を披露　カメラヘッド、SSD、テロップなど4Kの中継番組制作にも対応

　長年にわたり高解像度の映像制作関連製品の開発、構築を進めてきたアストロデザインは、今年のInterBEEの自社ブース（映像・放送関連機材部門　#5410）で、各種の新製品を加えた、4Kの一連のワークフローを紹介する。撮影から記録・再生、編集、表示に至るまで4K映像制作のワークフローをカバーする製品群だ。

■「中継番組でも使える」4Kカメラヘッドが登場
　新製品のカメラヘッド「AH-4413」は、4K解像度をリアルタイム現像出力する。これまでデジタルシネマ用の4Kカメラを用いたテレビ番組制作が行われているが、高解像度の映像の確認のためには、現像の工程が必要であるため、撮影中にリアルタイムに映像を確認できなかった。AH-4413は、4K(3840×2160@59.94/60)プログレッシブ映像をリアルタイムに現像・出力して確認できるため、カメラマンがファインダー越しに映像を確認しながら操作をするスポーツ中継などでの利用が可能になる。

■EOS C500のRAW出力を非圧縮で収録可能なSSDレコーダを展示
　4K SSDレコーダ「HR-7512-A」を小型化した4K非圧縮SSDレコーダ「HR-7510」は、ポータブルタイプで、カメラに設置して使用することができる。キヤノンのCINEMA EOS C500のRAW出力を非圧縮で収録可能だ。アストロデザイン第一営業部の松田博也氏は、HR-7510のねらいについて、「当社では従来、据え置き型のレコーダーを提供してきたが、カメラと接続し外に持ち出して使う用途が増えてくると考え、ポータブルタイプにしている」

■番組制作に欠かせないテロップも4K対応で
　編集用の製品としては4Kに対応したフレームメモリーボード「GG-167」を参考出品する。これにより、テレビ番組で必須のテロップ表示も4Kで実現する。
　また、制作現場や編集スタジオで用いられる4K対応のモニターも、9インチから60インチまでラインアップを充実させている。中でも、32インチモニターは、シャープのIGZOを搭載している。シャープが開発した酸化物半導体「IGZO」は、テレビ用のLCDパネル上でスイッチに使われるアモルファス半導体と比べて、20〜50倍の電子移動度を持つ。電子移動度が高ければ、小さな素子で大きな電流を流せるため、パネルの電力消費を抑えて高精細化を実現できる。今年のCEATECでシャープが発表して注目を集めた。

■拡大する4K映像利用をサポート　メーカー・放送局との連携も柔軟に
　アストロデザイン第一営業部の松田博也氏は、4K映像の利用が広がりつつある状況について、次のように話す。
　「当社では、4K映像への対応にいち早く取り組んできたので、ようやく流れが来たという印象。企業の研究所向けに4K対応機材を販売してきたが、最近では制作現場や、製品のデモ展示などでも利用していただくケースが増えている。CEATECで各メーカー各社が展示していたように、ゲームなどコンピューター映像を表示するなど、4Kの用途は増えてきている」また、製品デモや画質評価でも「4Kのコンテンツへのニーズが増えている」という。同社が提供するライブラリー4K映像は、昨年発表されているが、さきごろ第二弾として小笠原の映像を発表。「非圧縮にこだわって撮影しているため、評価に適している」（松田氏）という。
　松田氏は今後、放送を含めたリアルタイムでの利用用途も拡大するという。「技術的には4Kでの中継も可能になりつつある。4K撮影による手術映像を遠隔地に中継で送るといったニーズにも用いられているほか、パブリックビューイングでの大画面表示にも適しており、リアルタイムのニーズも今後拡大すると期待している。アストロデザインとしては、制作関連のワークフロー全体の機器をカバーし、各社の4K機材と柔軟に連携できるようにすることで、4K映像制作をサポートしていきたい」（松田氏）


【InterBEE 2012】
Inter BEEは、国内外のトップレベルの放送機器、映像機器、音響機器、照明機器、IPTV、Mobile TV、クロスメディア、周辺アプリケーションやソリューションが一堂に会する「音と映像と通信のプロフェッショナル展」です。クリエイティブ、メディアビジネスの最新動向を知る機会として、メディアに携わるあらゆる方々に関連した展示会です。
11月14日（水）〜16日（金） 幕張メッセで開催します（入場無料）。