【NEWS】ソニーピクチャーズ テレビ番組向け4Kポストプロ部門を設立 人気番組の4K収録、リマスターなどを順次実施し4KコンテンツをBlu-rayで提供へ

■4K収録に対応したポストプロ、フィルムコンテンツのリマスタリングも
　米ソニーピクチャーズは1月31日、同社のポストプロダクション部門の一つであるColorworks社に、テレビ番組向けの4Kポストプロダクション設備を導入し、4K撮影のポストプロ処理、フィルム撮影コンテンツのリマスタリングなどに対応していくと発表した。
　グループのテレビ番組制作会社であるソニーピクチャーズ・テレビジョンの4K対応ディスプレー向けのコンテンツ拡充に対応する。今後、ソニーの4Kカメラ、F65、F55を用いた撮影による番組制作で4K収録を行い、Colorworks社との連携でスムーズな制作パイプラインを構築する。
　Colorworks社のシニアバイスプレジデントのボブ・ベイリー（Bob Bailey）氏は「ソニーピクチャーズ・エンタテインメントとColorwoks社は、未来のフォーマットである4Kによるシームレスなソリューションをテレビ番組プロデューサーに提供することで、4Kテレビ市場の成長をサポートしていきます。我々の新しいテレビ番組制作設備は、4KをHDと同じ容易さで制作できる環境を実現しています」と話す。
　Colorworks 4K テレビジョン部門は、映像編集、サウンド編集、サウンドミキシング、ビジュアルエフェクツなど、ソニーピクチャーズの他の部門とも緊密に連携する。これにより、プロデューサーや撮影班などと効果的なワンストップの態勢をしいている。
　ソニーピクチャーズ・エンタテインメントのサウンド・アンド・デジタルサービス部門のエグゼクティブ・ディレクターを務めるベン・ベネデッティ（Ben Benedetti）氏は「すべてのポストプロダクション部門の協力関係により、独自のソリューションを提供できる。さらに、ソニーのF65、F55カメラの開発経験が加わることで、我々の設備を4Kテレビ番組制作で最適の場」としている。

■4KカラーグレーディングにはFilmlightのBaselightを採用
　設備は、4Kカラーグレーディング室（8室）、4K編集フィニッシング室からなる。カラーグレーディング室には、Filmlight製Baselightカラーグレーディングシステム、ソニーの4K対応プロジェクター、高精細デジタルモニターなどが設置されている。カラーグレーディング室とフィニッシング室は直接ソニーピクチャーズのバックボーンに接続され、カラリストと編集担当者は、各データに直接アクセスすることができる。

■人気番組で4Kマスタリングが開始 Blu-rayで提供へ
　今春NBC系列で放送されるアン・ヘッシュ主演のコメディ「Save Me」と9月末にShowtimeでプリミア放送が予定されている「Masters of Sex」は4Kフォーマットで収録し、Colorwoksで4Kマスタリングされているという。
　またエミー賞を総なめしたAMC放送局のドラマ「ブレイキング・バッド（Breaking Bad）」の放送済みのシーズン(1－5)と、「ゴーストバスターズ」、「恋はデジャ・ブ」（原題: Groundhog Day）、「グローリー」（Glory）や「ウォーターフロント」、「Funny Girl」といったクラシック映画作品も、順次4Kにリマスターおよびリストアしていく予定。ウォーターフロントはベルリン国際映画祭で、またFunny Girlは4月のTCM クラシック映画祭でプレミア公開される。
　ソニーは、これらのリマスターされたコンテンツを、「デジタル・リストア版」として、”Mastered in 4K”ラベルを貼ったBlu-rayパッケージで提供する予定。現在ネイティブに4K対応するBlu-rayプレイヤーはまだ存在しないため、UHDTV ディスプレイには現行のBlu-rayプレイヤーから4Kにアップコンバートされた映像がスクリーンに映し出される。

■2月20日発表のPlayStation4は4K対応か
　2月20日（日本時間 2月21日8:00〜）にニューヨークで開催されるPlayStaionのイベント「PlayStation Meeting 2013」で発表されると目される次世代ゲームコンソールPlayStation4は、4K対応ともいわれている。米国では現在、4Kブラビアにネイティブ4Kコンテンツをコピーしたサーバデバイスをバンドルしたキャンペーンを展開しているが、ソニー側では、次世代ゲームコンソール機にて4Kコンテンツを身近にできると検討していると見られる。
（ザッカメッカ 山下香欧）