【NEWS】アストロデザイン プライベートショー2018開催 8K展示を中心に、多彩な映像技術を紹介
2018.6.19 UP
8Kによる3D映像が上映された8K特設シアター
次世代の伝送技術を中心とした「広帯域伝送」コーナー
AIディープラーニング技術を用いて8Kにアップコンバートする実験展示
カメラのレンズの解像度特性を計測するリアルタイムMTF測定装置「IP-4030」
アストロデザインは、6月14、15日に東京・大田区にある本社において、プライベートショー2018 東京を開催した。
同社が今年4月のNAB Showで発表した新技術などを中心に、8K超高解像度映像に関する各種技術のデモ展示や、超高精細映像、リアルタイム高速デジタル信号処理など、様々なハードウェア/ソフトウェア製品を展示した。
■5G対応、広帯域伝送、8K映像など次世代を支える技術
展示会場のコンテンツは大きく3つのテーマにエリアが分けられており、微細化や高集積化への進展が顕著な様々なモノづくりの現場における、検査・計測装置を中心とした「スマートファクトリー」コーナー、5Gなど超高速ネットワークへの対応技術など、次世代の伝送技術を中心とした「広帯域伝送」コーナー、そして来る8K時代を支える同社ならではの視点による「8K映像制作」コーナーとなっていた。
また2Fに設けられた特設ミニシアターでは、8K解像度のプロジェクターによる8Kコンテンツが披露された。また新たな試みとして、8Kプロジェクター2台を要した、8K/3D映像コンテンツとして、サカナクション「Aoi」のPVが上映された。
最も広い展示スペースを設けられていたのはNAB Showでも注目された、8Kに関わる拡大技術に関する各種ソリューション。基本となる8K撮影では、技術提携しているシャープ社製の8Kカムコーダーでの映像をGrass Valley社の HQXコーデックで収録、8Kデータから、編集システムHDWS-8K(EDIUS) を使用した8K編集までのワークフローを紹介。また同社製品の8Kビデオサーバーの紹介、また8Kの解像度の大きさを利用した8K/VRや8K切り出し、8K120pなどの応用ソリューションなど多彩な8Kソリューションを一同に介した展示が行われていた。
■AI技術で2Kを8Kにアップコン
また注目だったのは、2Kサイズの映像をAIのディープラーニング技術を用いて8Kにアップコンバートする実験展示。過去のアーカイブを8Kコンテンツとして再生する際の将来的な必要性として、HDから8Kへのアップコンバートを、256×256から1024×1024サイズへ学習を2000枚の静止画で実験している。会場では、元映像と学習を10回繰り返したものと50回繰り返したものの3つが比較上映され、50回のものは10回のものに比べて色再現性が向上していることが一目瞭然だ。
この技術はNAB Showの会場でも参考技術展示として紹介されたが、同社内ではごく実験的な試みのつもりが、非常に優秀な結果を得られたという理由で急きょ参考展示されたという。これには同社のHGX-1という最新のサーバー技術が用いられ、最大32枚のGPUで計算が可能で、一般のワークステーションで20時間かかる計算を2時間で処理できるという。
また別の展示では、カメラのレンズの解像度特性(MTF)を計測できるリアルタイムMTF測定装置「IP-4030」という、グラフィックボードとソフトウエアも開発しており、カメラとレンズの組み合せごとに、レンズのMTFを計測できる。
アストロデザインではほぼ同内容で、7月12日(木)、13日(金)の2日間、大阪駅前のグランフロント大阪 北館4Fナレッジシアターにて、プライベートショー大阪も開催予定している。
8Kによる3D映像が上映された8K特設シアター
次世代の伝送技術を中心とした「広帯域伝送」コーナー
AIディープラーニング技術を用いて8Kにアップコンバートする実験展示
カメラのレンズの解像度特性を計測するリアルタイムMTF測定装置「IP-4030」