【Inter BEE 2014】InterBEE Connected 全体概要速報！　放送業界の新しい成長のヒントが詰まった特別展示がスタート！

　11月19日から21日日間の予定で始まったInterBEEで、今年初めての企画としてInterBEE Connectedが開催された。その名の通り、放送が通信との融合をはじめた状況を意識した企画だが、その意義はそこにとどまらない深さがある。放送業界の新しい成長のヒントが、多彩に詰まっていそうだ。ここでは速報として初日の概要をお伝えする。
（コピーライター/メディアコンサルタント　境 治）

■放送の近未来を見据える「Inter BEE Connected」
　50周年を迎えるInterBEEは、Equipment Exhibitionを略したその名の通り放送機器の展示会だが、いまや放送業界はネットとの融合がはじまっており、通信を活用した新たなシステムやサービスが次々に出てきている。Connectedではそうしたこれまでの枠組みには当てはまらない展示が行われた。
　展示企業は、新しい取組みをする放送局をはじめ、動画配信関係やクラウドサービス、スマートフォン向けのアプリなど、新しい視聴スタイルやビジネスに対応した事業者が中心だ。初めての試みでありながら初日から各ブースには熱心な来場者が訪れ、盛況を博していた。

■充実のセミナー、基調講演
　会場の半分が展示スペース、残り半分は100名程度が座れるセミナースペースとなっており、出展社のプレゼンテーションが行われるとともに特別に組まれたセッションも毎日行われる。
　オープニングトークとして、Connectedのアドバイザリーチームでありこの催しを起案した江口靖二氏（江口靖二事務所代表・デジタルサイネージコンソーシアム常務理事）が講演を行い、全体の口火を切った。

■日本の放送業界「”Connected”的な発想が具体化」
「50年を迎えたInterBEEでConnectedを企画したのは、技術だけではなくサービスやビジネスを軸にした展示が必要な時代になったと考えたからです」と江口氏は言う。
「海外では、NABにFuture Labと題した特別展示がはじまっており、IBCでもCONTENT Everywhereというスペースができています。さらにアメリカのCABLE SHOWが名称から“ケーブル”を外しINTXと名前を変えました。The internet & Television Expoの略だそうです。いつまでも有線でケーブルテレビを語っていいのか、という危機感でしょう」その流れを受けて、日本の放送業界向け展示会の代表であるInterBEEにも新しいコーナーが必要だと、主催側に提案したのだ。
　9月には民放連の井上会長が、キー局合同での見逃し配信の検討に言及している。日本の放送業界にも”Connected”的な発想が具体化しはじめた表れだろう。「Connectedはインターネットだけではなく、デバイスや他業種、新しいビジネスとも”つながる”という意味です。放送業界の新しい成長の鍵を、この催しを通じてみなさんに見いだしてもらえればと考えています。」
　午後にはUSニールセン社のシニアバイスプレジデント、エリック・ソロモン氏がNYからはるばるやって来て登壇し、アメリカでのネット上での視聴率計測の最新動向も語ってくれた（上写真）。20日21日も、多彩な登壇者による魅力的なセッションが用意されている。
　展示会としても、セミナーイベントとしても、最新の事例が揃った学びの多い催しとなりそうだ。
　InterBEE Connectedの今後の盛り上がりは、この開催を機に広がっていきそうだ。20日、本日は、「スマートフォンで変わるテレビ視聴スタイル」「ローカル局から見たテレビの未来」「インタラクティブなテレビ、その今と未来（仮）」といったセッションが、また、21日には、「どう変わる？こう変わる！！　次世代ケーブルビジネスの最前線」「キー局のネット配信」「Inter BEE Connected ラップアップトークセッション」と、内容の濃いセッションが満載だ。
　かけ声だけが先走っていた“放送と通信の融合”がいよいよ形になっていく、その震源地の役割として期待したい。