【Inter BEE 2014】日本テレビ JOIN TOWNを披露 高齢化が進んだ地域での災害対策に役立つ新たな双方向テレビのあり方を提案
2014.12.9 UP
JoinTownの説明パネル
日本テレビは、11月19日から21日まで開催したInter BEE 2014のInter BEE Connectedエリアにブースを出展した。これまで取組んできた放送と通信の融合を図るシステム、JoinTVの発展的応用として、JOIN TOWNプロジェクトの事例を展示。日本が直面する高齢化対策の一助として、災害対策システムの実験成果を報告した。
■JoinTVの拡張・発展型の一つJoinTown
日本テレビは、放送中の番組にログインして双方向で楽しむためのシステムとして「JoinTV」(ジョイン・ティー・ビー)を開発し、この分野で先行してきた。そうした番組のためのシステムから考え方をさらに拡張し、ひとつの発展形として「JoinTown」(ジョイン・タウン)と名づけられたプロジェクトにも取組んでいる。今回のブースではその概要がわかる映像などを展示した。
このプロジェクトは日本テレビが四国放送、徳島県と共同で取組んだもので、総務省の委託事業として行われた。高齢化が進んでいる農村で、災害が起こった時に非難を促すためにテレビ受像機を利用する。例えば地震が起こったら、テレビ画面にひとりひとりの名前を表示し「セトさん、今すぐ避難してください」と呼びかける。あらかじめ登録したIDが記載されたカードを持って避難し、そのIDを読み取る。これにより、避難対象者の在宅・不在をマップで表示するとともに、避難者リストを生成する。避難促進から確認までをひと通り行うことができるものだ。
■家の中心に置かれたテレビに「見守る」役割
実験が行われた徳島県阿部地区は、想定通りお年寄りが多い地域。テレビという身近な媒体から、自分の名前で呼びかけられて、お年寄りにもわかりやすいい避難誘導となったようだ。テレビという、家の中心に置かれた機器だからこそ、人々を“見守る”役割が担えるのだと言えるだろう。娯楽だけでなく、公共性も求められるテレビ局として、放送と通信を融合させることで新たな役割も引き受けられることを示した。日本テレビでは、「JoinTV」を多様に使えるシステムとして発展させてくれそうだ。
JoinTownの説明パネル