【NEWS】IBC2018報告(1)ITとの親和性がより身近に 新たな映像コミュニケーションを創出する、IT EXTREME GENERATIONが台頭
2018.9.18 UP
ソニーブースでも外部クラウドサービスとの連携によるメディアサービス展示に注力
SAMと統合したグラスバレーブースのメイン展示となったe-sport無人中継デモ(ロボットアームによるカメラ操作=右端)
NETFLIXが設けた、Post Technology Allianceの表示が3日目から各ブースで表示
RAI会場の目の前に出来たM52メトロのEuroaplein駅の入り口
猛暑だった今夏の日本からすると、とても過ごしやすい気候といえる9月のアムステルダム。気持ちのよいこの時期に毎年恒例のIBCが、今年も9月14日〜18日の期間で、オランダ・ アムステルダムRAI会場にて開催された。今年のIBC2018は、全15ホールの展示会場で開催。これまで通り放送関連、業務用映像音響を中心ではあるが、確実にIP、ネット系の展示領域の拡大が目立った。
■グラスバレー e-sports中継を模したライブ放送展示
大きく場所を変えたのは今年初頭にSAMを買収したグラスバレー。昨年までSAMが展示していた9ホールの中心に展示を展開。SAMと統合でより欧州での勢力が増した感がある。さらにここで注目だったのは、センターでのデモステージがe-sports中継を模して、実際に本物のプレイヤーを招いてライブ放送をしていた展示だ。撮影はカメラマン無しで、固定カメラとMRMCのロボテックアームのみで稼働するもの。スポーツやイベント映像全般に言えることだが、ライブコンテンツへの注力はここ近年のトレンドであるが、今年はさらにネット映像でのライブコンテンツのマーケット拡張とともに、そこのサポート機材とソリューションが各所で目立った。
要はiTベースのネット映像世代において、映像コンテンツをいかに効率的かつ即時的で、さらに面白い映像デリバリーを実現できるか、といった方法論を実現すべく「IT EXTREME GENERATION」というような新世代のネット映像スキームを目指した実用的ソリューションが、数多く見られたのが今年のIBC2018の大きな特徴でもある。
さらに放送用機材もそれに準じてか、超望遠レンズや8K切り出し映像のライブコンテンツ生成、またネット配信を含む多様化するデリバリー方式への対応など、製品自体に様々な工夫を施した、より具体的な製品としての展示が多く見られた。基本的には4K、8Kといった解像度を売り物にした関連製品は以前にも増してあまりトピックされておらず、よりコンテンツの即時性やデリバリーの多様化に沿った製品が注目されている。
■NETFLIX Post Technology Allianceが選定
コンテンツ制作系では全世界的な傾向となっている、ネットライブやOTTコンテンツへの対応カメラなど、その質感の向上が注目されているが、注目は開催2日目の9月15日に、NETFLIXが同社への4K納品基準をクリアした製品だけに示される「NETFLIX Post Technology Alliance」を選定。それを受けて17日からは、IBC会場内各メーカーの対象カメラ等の展示コーナーには、標章の表示が展示されていた。
今年のRAI会場で大きく変わったのは、会場の中央入り口のすぐ前に、新路線のメトロ駅ができたことで中央市街地からのアクセスがかなり良くなったことだ。今年の7月に開通したというM52(ブルー線)という新路線はアムステルダム中央駅から4駅RAI会場前のEuropaplein駅(ヨーロッパ広場)までを約10分で結び、RAIへの来場者、展示会参加者にとってはとても利用しやすい便利な路線が開通した。これによりトラムの路線も少しばかり変更されているので、市街地での注意が必要だが、現在建設中のRAI会場に隣接するホテルなど、周辺の開発も進んでいる。
ソニーブースでも外部クラウドサービスとの連携によるメディアサービス展示に注力
SAMと統合したグラスバレーブースのメイン展示となったe-sport無人中継デモ(ロボットアームによるカメラ操作=右端)
NETFLIXが設けた、Post Technology Allianceの表示が3日目から各ブースで表示
RAI会場の目の前に出来たM52メトロのEuroaplein駅の入り口