【NEWS】After NAB Show 2017が開催 HDR、クラウドシステムなど、最新機器・最新ソリューションが多数出展
2017.6.3 UP
新たにHLG方式をサポートした「Adobe Premiere Pro CC」
新ライブエンコーダー「L012AE」
初出展で注目を集めたEOS C200
ブラックマジックデザインのDaVinci Resolve Mini Panel
世界最大の放送・映像機器の展示会NABの出展企業が国内向けに一堂に出展するAfter NAB Show 2017が、大阪(5月30日、 グランフロント大阪)、東京(6月1、2日、 秋葉原UDX)で開催した。
4月に米ラスベガスで開催したNAB Show 2017に出展したメーカーや、国内販社が最新情報と実機を展示する機器展示と、製品の詳細や事例を紹介するセミナーを開催。また、ジャーナリストによるNAB Showの報告会も実施した。
会場には、今年のNAB Showで発表された最新機材やシステムの最新バージョンを見ようと、多くの関係者が集まった。
■NAB Showで出展のHDR、クラウドシステムなどが登場
今年の展示会では、NAB Showでも各社が出展したHDR関連製品や、クラウドシステムの提案など、今後の放送・映像制作に関わる多くの製品が出展された。
HDR関係では、EIZOが4月18日に発表した31.1型HDRリファレンスモニター「ColorEdge PROMINENCE CG3145」を国内初出展した。CG3145は、高輝度1000cd/m2と、液晶モニターとしては世界初となる100万:1の高コントラスト比を実現しているという。また、「PQ方式」と「HLG(Hybrid Log Gamma)方式に対応しており、「HDRコンテンツを正しい色で評価できるため、最終的なカラーグレーディング作業に利用できる(説明員)」と説明した。なお、発売は12月を予定している。
アドビシステムズは、4月20日にリリースしたAdobe Creative Cloud映像制作ツールのアップデートを紹介した。ブースでは、新たにHLG方式をサポートした「Adobe Premiere Pro CC」による、HDR制作ワークフローのデモンストレーションを行った。また、今回のアップデートで、「Adobe Premiere Pro CC」からモーショングラフィックスツールの「
Adobe After Effects CC」とオーディオツール「Adobe Audition CC」をシームレスに利用することができるようになった。「以前は別々にアプリを起動して、切り替えながら使っていたが、Premiere上からAfter EffectsやAuditionを使えるため、制作ワークフローが効率化した」と説明した。
クラウド関係では、AWSエレメンタル(アマゾンウェブサービスジャパン)がクラウドベースの映像配信ソリューションを展示した。ブースでは、同社のビデオ配信プラットフォーム「AWS Elemental Delta」とライブエンコーダー「AWS Elemental Live」によるIPライブ中継とライブからVODコンテンツ化する「Live to VOD」のデモを行った。この「Live to VOD」は、切り出し時刻とフレーム位置を指定することで、自動的にVODコンテンツを生成することができるという。「今まではキャプチャされたライブストリームをセグメント単位やGOP単位でしかカットできなかったが、今回はフレーム単位で切り出しが可能となった」と説明した。
また、ビデオテック社のコンテンツリニア自動送出装置「VATIC-9901S.I」と「AWS Elemental Delta」と連携したOTT向け「チャネルプレイアウト」のデモを行った。この他、NABで発表した、新ライブエンコーダー「L012AE」の動体デモンストレーションを初公開した。「L012AE」は、SDI×1系統の入力とIP(GigE Port)入力を具備し、H.264 1080p/30fpsでTS over IP, HLS, MPEG-DASH(HEVCはオプション)の配信が可能な小型ライブエンコーダー。クローズドキャプション(EIA-608/708, DVB-Subなど)をサポートするという。価格は約120万円を想定しているという。
■キヤノン EOS C200を初出展
キヤノンは、NAB Show後に発表したEOS C200をAfter NABで初出展し、大きな注目を集めた。C200は、最大15ストップ相当のダイナミックレンジを持つ映像が撮影でき、キヤノンの業務用4Kディスプレイと接続し、「PQ方式」に対応したHDR映像を確認できる。
また、新しいRAW記録フォーマット「Cinema RAW Light」と「MP4」の2つのファイルフォーマットで4K/60P記録に対応した。Cinema RAW Lightは、従来のCinema RAWと比較して1/3~1/5と軽い容量でCFastカードへ4K記録できるという。
MP4選択時はCanon Log/Canon log 3でのSDカードへ収録可能。なお、Cinema RAW Lightは「ブラックマジックデザインのカラーグレーディングソフトウエア「DaVinci Resolve」に対応予定。また、キヤノン純正プラグイン「Canon RAW Plugin for Avid Media Access」を用いてAvid Technologyの「Media Composer」での編集も可能」(説明員)という。
想定価格はLCDモニターやカメラグリップなどを同梱したフルパッケージモデルの「EOS C200」が84万円。最少構成モデルの「EOS C200B」は67万円。7月下旬に発売予定。
■ブラックマジックデザイン 各種新製品を発表
ブラックマジックデザインは、NAB Showで発表した「ATEM Television Studio Pro HD」や「HyperDeck Studio Mini」など新製品を中心に展示した。
「ATEM Television Studio Pro HD」は、今年2月に発売が開始されたライブプロダクションスイッチャー「ATEM Television Studio HD」のコンパネ一体型モデル。HDMIとSDIの入力を4系統ずつ搭載しており、8台までのカメラ、ゲーム機、コンピューター、その他のソースを接続して、1080p60までのあらゆるSD、HDフォーマットに対応する。価格は260,800円 (税抜価格)。
「HyperDeck Studio Mini」は、一般的に入手可能なSDカード/UHS-IIカードにProResファイルおよび放送品質の10-bitビデオの収録・再生が可能なプロ仕様カードレコーダー。720pおよび1080pの4:4:4:4ファイルをサポートし、フィル&キー出力にも対応する。価格は78,980円 (税抜価格)。この他、新たに発表されたDaVinci Resolve 14用コントロールパネル「DaVinci Resolve Mini Panel」を出展した。
編集:Inter BEE 2017 ニュースセンター
新たにHLG方式をサポートした「Adobe Premiere Pro CC」
新ライブエンコーダー「L012AE」
初出展で注目を集めたEOS C200
ブラックマジックデザインのDaVinci Resolve Mini Panel