【プロダクション】東京現像所が東宝スタジオ内にサテライトオフィス 「Davinci Resolve」を導入しデイリーズ中心に制作支援を迅速化
2012.12.6 UP
データコピーの態勢も完備している
東京現像所(東京都調布市)は、世田谷区成城の東宝スタジオ内にサテライトスタジオ「デジタルオフィス」を新設し、営業を開始した。
撮影済みデータの検証やバックアップ、オフライン編集用データを作成するデイリーズの作業を中心に行う。担当の西野克治映像部長は、設立の理由を次のように説明する。
「デジタル化に伴ってワークフローが変わるなか、顧客からはさらにレスポンスの早い対応を求められている。より制作現場に近い場所に拠点を構えることで、オフライン編集までの連携などをサポートできる」
設備はBlack Magic Design「Davinci Resolve」とMacBookProを中心とする。Davinci Resolve は、調布スタジオのシステムと互換性を持たせるためウィンドウズベースで、GPUにNVIDIAのGTX580を搭載している。作業内容に応じてカラリストなどのスタッフを配備する。RAWファイルやログ収録が増加したことにより、LUTを当ててしっかりモニタリングしたいという要望にも応える。
作業用にソニー製有機ELモニターを使用するのに加え、制作陣がオフィスを訪れて映像を確認できるようドルビー製プロフェッショナル・リファレンス・モニター「PRM-4200」とクライアントソファを設置するなど環境を整備した。
撮影データは膨大になるため、調布スタジオへの移動にはHDDも使う。ディスクを鍵のかかる調湿機能付きキャビネットに保管するなど、セキュリティー面も配慮している。
現在制作中の作品では、LUTを数パターン用意して撮影所でカメラテストをし、デジタルオフィス内で確認するなど活用した。
カラリストの小森勇人氏は、「現在はカメラから周辺機器、データ形式が豊富で多様な選択が可能。ワークフロー提案など、プリプロ段階の参加も重要だろう」と話している。(映像新聞社 吉野和美)
データコピーの態勢も完備している